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彰子 さんの投稿された作品が53件見つかりました。

 
  • 真実 29

     母親からの電話で淳は凍りつきそうになるのを必死で押さえ、家に戻ってきた。 亜子はただ事でない淳の表情に驚き何があったか聞いてきた。 淳は弟が実家から黙って姿を消した事を話した。 「とにかくお母さんのとこに行かないと…。」 と亜子はまだ会ってない、母親の不安と弟の身の上を心配した。 翌日淳の社内預金を出し、6人で車に乗り込み、淳の故郷へ向かった。4人目の子供はまだ半年も経っていなかったが、元々い
    彰子 さん作 [342]
  • 真実 28

     淳の弟の事でも、そうだった。 弟が仕事に行き詰まって、少しばかりの借金をした時も、母親と淳は心から心配をしていた。何故俺に相談してくれないという腹立たしさも多少はあった。  今思うと美佐を嫁にしている兄貴に相談は出来なかっただろう。実家に帰る時は嫌々で、淳が引っ張って行く様な様子は実家にいる母親や弟にもわかっていたに違いない。 弟の一件で、美佐はまたもやでしゃばり、淳の稼いで来た金を貸すのが嫌
    彰子 さん作 [301]
  • 真実 27

     美佐から淳の荷物が届いた。淳は敢えて取りに行く事はなく、送るよう指示した。 淳が学生時代から大切にしていた服は至るところに犬の毛がついており、また淳はうんざりした。亜子はそれをガムテープで何度も何度も取ってくれたが、二人で呆れた。 「どうやったらこんなに犬の毛がつけられるのか…」 淳は美佐に更なる怒りを覚えたが、その現実からも逃げたかった…次々と明らかになる現実は淳を愛していなかったという証明
    彰子 さん作 [306]
  • 真実 26

     亜子は毎日何かしら重苦しい気持ちから解放されず悩んでいた。 自分に嘘をついてまで美佐の事を愛していたのか…、淳によると、美佐が何をしでかすか不安があったから、亜子を守る為だったと言うが、一体淳の本当の気持ちがどこにあるのか、苦しんだ。 美佐から送られてくる淳名義の通帳はすべて0円になって戻ってきた。淳はため息をついた。何百何十何円までも引き出す神経にうんざりした。別れて正解だと心底安堵感を覚え
    彰子 さん作 [280]
  • 真実 25

     子供が産ませてから6ケ月が経ち、ようやく淳と亜子は籍を入れた。 「遅くなって、悪かった。」と淳は亜子に話をした。 亜子は淳の給料の残りの10万と亜子の給料を合わせても、ギリギリの生活で、保育料は亜子の貯金から出ていく…。 淳の申し訳なさは亜子にとって裏目に出た。何故なら、亜子が話し合いを持とうとしても、ちぐはぐな事でしかなく、どんどん精神的に動けない状態に陥ってきた。 そんなのでは生活は出来な
    彰子 さん作 [305]
  • 真実 24

     何日かが過ぎ、前から申し込みをしていた家庭裁判の日が来た。 淳の給料は美佐が銀行より全て出しており、淳には弁護士を頼む金もなかった。 美佐は当たり前の様に弁護士をたて、全ては淳の不貞によるものと、次々15万とローンが16万、ボーナスから15万を要求してきた。 淳は要求を全て聞き入れる気はなかったが、一刻も早く、この金だけの関係である美佐と離婚したかった。3回目の出頭でとりあえず、要求を聞き入れ
    彰子 さん作 [306]
  • 真実 23

     新築の家を購入していた事、それにより、週末戻ってからも離婚話は立ち消えになっていた事など、何もかもが離婚に向かって進んでいなかった事を…。 産後直後の亜子にとって、淳が話して聞かせてくれている事は夢の中の話にも感じていた。 2ケ月間、乳児の世話や産後の調子、子供達の事などであっという間に毎日を過ごし、保育園も決まり、亜子は仕事に戻った。 今までの様に淳が美佐の元へ行く事もなく、仕事以外家にいて
    彰子 さん作 [317]
  • 真実 22

     亜子の携帯にもう1人の会社の人からかかってきた。 「確かに携帯繋がらないんですよね…僕も何度もかけているんですが…」 亜子はせっかくの休日に時間を割いて連絡して貰っている事を謝った。その人も今、出かけているから家に戻って改めてかけると一度電話は切れた。 夕方また電話があり、何か淳から聞いているのが、何かを悟っているかのように亜子の事を聞いてきた。 亜子は初めて、自分の立場の事、淳との事を人に話
    彰子 さん作 [343]
  • 真実 21

     その頃亜子は心配していた。途中事故か何かあったのか…そう言えば年末に差しかかってる今、疲れた顔してたな…。時刻は午前4時を越えようとしている。 向こうに戻るなら、そう言っていくはずだし…。 朝になるのを待って思いつく、消防局や警察署に問い合わせをしてみたが、事故の連絡や関連するような話は無かった。 携帯も繋がるはずもなく、神経が痛い程の心配をしながら時間だけが過ぎていく。連絡もせず、どうこうす
    彰子 さん作 [363]
  • 真実 19

     淳が新しく借りた部屋の鍵は美佐が合鍵を作り、彼のいない時間を狙って、管理していた。電話、テレビと至るところに盗聴器を仕掛け、いつでも部屋であった事を盗聴できるようにしてあったはずだった。 が、着替えは適当に洗濯機に入ってるものの、何かが足りない気がした。 淳は亜子の新しい家で一緒に寝起きをしていた。 まだちゃんと離婚問題が片付いていない今、平日以外は話を進める為と、子供の為に美佐の元へ帰ってい
    彰子 さん作 [302]
 
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