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むらき唯 さんの投稿された作品が13件見つかりました。
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『愛が欲しくて』?
今日から学校だ。休み明けの校舎は,どこか淋しげに見える。人で埋めつくされた廊下。「久しぶり〜」という高い声。鬼ごっこしている男子ども。全てが約一ヶ月ぶりだ。―今日は夏休み明け初日。「おはようっ!」いつものように,笑顔で挨拶をしながら教室に入った。『がやがやがや…』…もちろんスルーだった。ま,いつものことだけど。私は何食わぬ顔で自分の席についた。「あ,来たんだ,お化けさん」目の前に一人の男が現れ,
むらき唯 さん作 [239] -
『愛が欲しくて』?
私は[鹿又未琴(カノマタミコト)]。県立S高校の一年で,部活は何もやっていない。ただの平凡な女子高生。…と言いたいところだが,前回も話したように,私には…右手がない。「あ〜,やっぱいいや。あたしがやるから,ね。ご飯遅れちゃうから」母は私からすっと包丁をとりあげて,残りのニンジンを手早くいちょう切りにした。[…スト・スト・スト・スト・スト…]母のスムーズな包丁さばきにしばし見とれていた。「ごめ
むらき唯 さん作 [197] -
『愛が欲しくて』?
―雨は嫌い…っ―\n小降りではあるが,糸のような雨がサーサーと降っていたのが,部屋の窓から見えた。―朝から雨か…ぁ―\n雨の日は,特に何もいいコトがないような気がする。…いつもないんだけど。「未琴ーっ」母の声が聞こえた。「なにーっ?」とりあえず元気を装って返事をした。「そろそろご飯ー」あ,そうだ。もうそんな時間だったか。「うんっ。今行くーっ」私は階段をドタドタと降りキッチンへ入った。「未琴,
むらき唯 さん作 [291] -
『愛が欲しくて』プロローグ
…ぶっちゃけ,つらいなら辞めようかな。一番つらいのは自分が誰からも愛されないってことで。親からの愛情。友達との友情。先生の優しさ。みんなの笑顔。なにもかも,私には感じられないな。感じたくないだけかな?じゃ,生きてる意味ってあんのかな。もう,いいかな。私は私なんだからね。私として生きたい。とにかく…もう。愛されるために生きる。
むらき唯 さん作 [215] -
私の全てがブサイクなせいで
スタイルが良くない。顔が可愛くない。おとなしくない。成績が良くない。運動が出来ない。こんな人が彼女だったら紹介したくないよね。…私なんだけどね。笑人生初の彼氏が出来た。すごく素敵な人だよ。明るくて,ノリがよくて,優しくて,野球少年で。でもね。知ってるんだ。私,君の友達に悪口を言われてること。「あいつ,あんな女と付き合ってんの?信じらんねぇ〜」廊下で立ち聞きしちゃった。「あんな女と付き合ってもなん
むらき唯 さん作 [258] -
二週間目の悩み
メールだけじゃ物足りないよ…一緒に帰りたいのに付き合ってからの方が話しづらくなっちゃって馬鹿馬鹿しいね情けないよでも,こんなにウチの事を好きって言ってくれる人初めてなんだぁだから,もっともっと仲良くなりたいもう二週間経ったもん手つなぐくらいなら…なんて,何で女のウチがこんなにあせってんの?あ,そうか…ウチはまだ君が好きじゃないのかな口だけなのかな?…そんなことないよ。だって君の事ばっかり追っかけ
むらき唯 さん作 [216] -
瞬間
話しただけで,人を好きになるのは,駄目なのかな?軽蔑されるのかな?楽しいって思えるのは恋じゃないのかな?…違うのかな?
むらき唯 さん作 [339] -
隣にいた君へ。[私より]
君と隣になった。そしたら,いろんな君が見れたんだぁ。ラ・フランスを語ったね。「あの食感いいよね〜」ってね。今でもそれは鮮明なのにな…。セロテープを背中に貼り付け合って,げらげら笑い合って,楽しかったよねぇ。あと,ピンクの蛍光ペンで,私のノートに落書きなんかしやがって…全く。中二の文化祭は,君が監督の映画が出来て,私はほんのエキストラだけど,ずっと見てたんだよね。二人で騒いでたら,「二人仲いい
むらき唯 さん作 [262] -
君の手に引かれて? 最終話
夕焼けが,いつもより赤かった。私は,雅史と並んで帰った。「ごめんね。なんかいろいろ心配かけちゃって…」雅史はニコっと笑って答えた。「何いってんスか。っていうか…俺なんかになぐさめられて,嫌じゃなかった?」私は全身がほわ〜っと熱くなってきた。「ううん。そんなことないよ。むしろ,……雅史でよかった……。」雅史は顔を赤くした。それから,雅史はたくさん相談にのってくれて,心の支えとなった。いつしか,頭の
高崎明日美 さん作 [310] -
君の手に引かれて?
我慢するのは,結構つらかったりする。かなり限界に近いかもしれない。日曜日の昼下がり。私は,近くの河原の橋の下で合唱の練習をしていた。今年は,『春』という曲を歌う。「♪この気持ちはなんだろう〜♪」……………本当に,この気持ちは何なんだろ…。急に悲しくなってきた。心が痛い。痛い。痛い。「おっ,倉田ぁ〜っ!」聞き覚えのある元気な声が私を呼んだ。雅史だ。雅史は橋の下に降りてきた。「よっス〜。合唱の練習か
高崎明日美 さん作 [351]
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