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さんの投稿された作品が100件見つかりました。

 
  • 予告ホームラン【4】(最終話)

    相手ピッチャーは渾身のストレートを投げてきた。Aも渾身のフルスイングで迎え打つ。固唾を飲みながら見守る大観衆。Aのバットはついにボールをとらえた。舞い上がる打球。外野フェンス目掛けて追いかけるセンター。その間もAは全力で走る。打球はセンターのすぐ真上のフェンスで激しく跳ね返り、外野の定位置辺りまで大きく転がった。Aはすでに二塁を回っている。ようやくショートがボールに追いついた時、Aはなんと三塁を
    さん作 [825]
  • 予告ホームラン【3】(全4話)

    「た…担架は…いらん」声の主はA自身だった。Aはドクターの制止を振り切り、気丈にも立ち上がって見せた。拍手が響き渡る球場内。Aは無事をアピールし、ドクターチェックもクリアすると一塁へゆっくりと歩き出した。試合前から今試合にかける鬼気迫る思いを感じ取っていた監督は、Aに代走を送ることはしなかった。完投目前で危険球と判断された相手投手は退場となり、投手交代で試合が再開された。そして次の打者が快音を響
    さん作 [749]
  • 予告ホームラン【2】(全4話)

    Aは打席に入るなり、バックスクリーン方向に向かってバットを高々と掲げ、予告ホームランの合図をした。盛り上がるスタジアム。熱くなる相手投手。ピッチャーは間髪与えずに、Aに対して剛球を投げ込んだ。――ストライク。Aは手も足も出ない。立て続けに2ストライクに追い込まれ、相手投手が3球目を投げ込むと、Aのバットが空を切った。結果は三球三振。その後も相手投手の球は唸りを上げ、快投が続いた。ついに最終回にな
    さん作 [815]
  • 予告ホームラン【1】(全4話)

    Aは病室に見舞いに来ていた。そして、ベッドに横たわっている少年に向かって、こう言った。「おい少年。早く良くなるんだぞ。おじさんも、今日の試合は頑張るからな」Aがそう言うと、少年は嬉しそうに微笑みながら、こう言った。「ありがとう。ボク、頑張って治すから。だから、おじさんも頑張ってホームラン打ってね!」「あぁ。今夜必ずホームラン打つからな。少年もしっかり見てろよ」Aはそう言って病院を後にした。しかし
    さん作 [862]
  • カラコロ広場で

    市役所で用事を済ませたアタシは、無理矢理付き合わせた彼氏と京橋に向かってブラブラと当てもなく歩いているうちに、いつの間にかカラコロ広場の前に出た。「久し振りに遊覧船に乗ってみっか?」と彼が言う。この時期にしては暖かく天気もいい。「わーい!マサアキもたまにはイイこと言うじゃん」アタシが喜んでみせると、彼は得意気に遊覧船に乗り込んだ。青空をバックに、今日はお城が良く映える。塩見縄手の松の木の先には、
    まどか さん作 [842]
  • FALLIN' FALLIN(後編)

    「この時計いつ見ても可愛いな〜」アタシが呟くと、じいさんはこう言った。「あんたのお気に入りなら間違いなかろう。店員さんコレ包んでくれ」じいさんはアタシの反応を見る間もなく即決し、財布を取り出す。店員が支払い方法を尋ねるとじいさんは、おもむろにクレジットカードを差し出した。そして決済を済ませ、レシートに署名するじいさんの名前を見た時、アタシは驚いた。「カトウ…マサアキ?」アタシの彼氏と同姓同名だ!
    まどか さん作 [1,009]
  • FALLIN' FALLIN(前編)

    ある晴れた午後。アタシはジャングル公園のベンチで本を読んでいた。すると、そこへ杖をついた一人のじいさんがやって来た。じいさんは言った。「トキハデパートを探しちょるんじゃが、どう行けばいいじゃろ?」「え…と、そこの出口を左に出て、まっすぐ歩いて突き当たりを…う〜んと…」方向音痴なアタシは、知ってる道さえ上手く伝えることが出来ない。アタシは結局、デパートまで直接案内してあげることにした。一緒に公園を
    まどか さん作 [987]
  • 最上級のサービス(後編)

    「ねぇ。これから、どうなさる気?」女は唐突に聞いてきた。俺は驚き、返事に躊躇していると、女は続ける。「まどろっこしいことは抜きにして…私と付き合わない?お金次第だけど」「お金次第?」「そう。ここからはオプション…全部で10段階よ。金額に応じて、お付き合いの深さが決まるわ」そう言われ、俺は胸の鼓動が高まった。そして俺はタイプのその女に対し、ためらいなく最高ランクのオプションを指定し、10万もの大金
    さん作 [1,193]
  • 最上級のサービス(前編)

    俺は行きつけのバーにその女を連れ、いつものカウンターに腰掛けた。女とは、つい30分前出会ったばかりだ。今まで利用したことが無かったが、会員制のいわゆる“デートクラブ”というやつで、自分の好みに応じた女性とデートが出来る。但し、その後のコトの成り行きは当事者しだい。『当店のサービスは最高ですよ』――その言葉に釣られ俺は申し込んだ。必ず上手くいってみせる。俺も今年で30才。独身で彼女もいないが、社内
    さん作 [1,382]
  • ダークホース(後編)

    まず先頭を切ったのは、一番背の低い子供だった。なかなか、すばしっこそうだ。次に隣の一番細い子供が追い上げてくる。スマートなフォーム。これは油断ならない。すると最初のカーブを曲がったところで、本命の一番長身の子供が一気に巻き返す。速い速い!あっという間に先頭に立った。「やった!いいぞ」俺は思わずコブシを握り締めた。俺が予想した長身の子供は、二位以下をぐんぐん引き離す。思い通りの展開に、少し余裕の出
    さん作 [957]
 
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