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さんの投稿された作品が100件見つかりました。

 
  • ハーフムーン ?

    (…ってゆーか、ココは『立地条件』とか言うレベル越えてるし)ミユキは心の中でつぶやいた。男は勢いに乗って、さらに続けた。「この地にオープンして早や3ヶ月になりますが、今日でようやく来店者が大台に乗りました」「大台…って?」「へぃ、10人です」男は得意気に続ける。「オープン初日に地権者のご家族が7人、あと先月に遭難された方が迷い込んで2人、そして今日あなたが転がり落ちて来て計10人です」「そうです
    さん作 [1,135]
  • ハーフムーン ?

    ミユキは気を落ち着かせるために、券売機の横にある水を汲みに行った。そしてカウンター席に戻り、ゆっくりと水を飲み、大きく深呼吸した。その間、男は真剣な眼差しでラーメンを作り続けている。やがて麺が釜からすくい上げられ、男はその麺を、チャッチャッチャッと、激しく上下にスイングした。そして、先程からずっと煮込んでいたスープをすくい、麺と一緒に器の中に入れた。「へぃ、お待ち」男がそっと、器をミユキの元に運
    さん作 [1,070]
  • ハーフムーン ?

    ミユキは逃げ出そうとしたが、ここが崖の中腹だと言うことに改めて気付いた。しかも丸一日何も食べておらず、ミユキはかなり空腹だった。「分かりました…せっかくなんで…いただき…ます」ミユキは店の扉をゆっくりと閉め、静かにカウンター席に座った。「あのぅ…ラーメン…ひとつ…下さい」ミユキが小声で注文する。男は、ハチマキを締め直しながら、にっこり笑ってこう言った。「へぃ、当店は食券システムになっておりますの
    さん作 [1,115]
  • ハーフムーン ?

    斜面を転がり始めて間もなく、ミユキの身体が一瞬宙に浮いた感じになり、バウンドするかのように、平らな草むらへとミユキの身体は着地した。「アイタタタ…」ミユキが見渡すと、そこは斜面の中腹を削って作られた平坦な狭い場所だった。その場所に有るのは、ボウボウに生い茂った雑草と、そして、一軒の小さな小屋だけだった。小屋には、薄汚れた小さな看板が取り付けられている。ミユキは腰をさすりながら、その看板を読み上げ
    さん作 [1,164]
  • ハーフムーン ?

    ミユキはそれ以上、何も聞かなかった。そして静かに、ホテルのフロントを後にする。ホテルを出ると、さっきまで感じなかった冷たい空気が、ミユキの頬を刺した。目の前には、深い森の緑と、朝霧が広がっている。どうやらそこは、ミユキの住む街から列車で1時間行った辺りの、避暑地らしい。だが、あんな夜中には、もう電車は走っていない。ミユキには、ここまでどうやって辿り着いたのか見当も付かなかった。ミユキはとにかく、
    さん作 [1,180]
  • ハーフムーン ?

    「…お連れ様ですよ。つい先程、お帰りになりました。」フロントの男は言った。「あのぉ…その『お連れ様』って、どんな人でした?」ミユキが不安そうに尋ねる。フロントは、一瞬怪訝そうな表情を浮かべたが、すぐにこう答えた。「そうですねぇ。サングラスを掛けておりましたので、お顔まではハッキリと覚えておりませんが…かなり太った感じのお方でした。」「太った…?」ミユキは色々と思いを巡らせたが、心当たりのある人物
    さん作 [1,212]
  • ハーフムーン ?

    ミユキが目を覚ますと、そこはベッドの上だった。どうやらそこはホテルの一室らしかった。自分以外は、部屋に誰もいない。しかし、さっきまで他の誰かが部屋に居たような雰囲気が、あちこちに感じられた。窓のレースのカーテン越しには、優しい朝の光がこぼれている。ミユキは昨夜、男の店で眠くなり、会話の途中で記憶が途絶えてしまった事を思い出した。そして身に付けている服や、持ち物をあらためて見渡した。ミユキの短いス
    さん作 [1,266]
  • ハーフムーン ?

    薄暗い店内の奥に、その男はいた。BGMには、古いジャズのスタンダードナンバーが流れている。「ようこそ。こちらへどうぞ。」男は目の前のカウンターにミユキを招いた。ミユキは、その男の前に座った。「ずっと何時間も立っていたそうじゃないか。ウチのアルバイトから聞いたよ。さぁ、これでも飲んで温まりなさい。」そう言って男は一杯のホットウイスキーを差し出した。「もう一度お聞きしますが、ショウは本当にココには居
    さん作 [1,283]
  • ハーフムーン ?

    ポケットティッシュには、『ショウはもうここを離れています ―スナック メラミン―』そして、スナックの電話番号だけが記されていた。ショウは彼の名だった。ミユキはしばらくティッシュを見つめた後、おもむろに携帯電話を取り出し、そこに記されていた電話番号に発信した。5回呼び出し音が鳴った後、男が出た。「はい――スナック メラミンですが」聞いたことの無い、低い男の声だった。「…もしもし」ミユキは消え入りそ
    さん作 [1,512]
  • ハーフムーン

    ミユキは彼を待っていた。夜11時の交差点。スクランブルの信号は、さっきからずっと青と赤を交互に繰り返している。交差点を渡る人たちは、みな規則正しく、この街のエキストラを見事に演じ切り、それぞれの帰途につく。そしてミユキだけが、まるで風俗の立て看板のように、あたかも前世紀からそこに立っているかのように、そこだけ時間が止まっていた。やがて風が吹き始め、ミユキの短いスカートが大きく揺れた。酔っ払いのサ
    さん作 [1,695]
 
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