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さんの投稿された作品が100件見つかりました。

 
  • ハーフムーン (50)

    ミユキは、しばし話すのを忘れ、音楽に聞き入った。そして、マモルに向かってこう説明した。「この曲はね、『ハーフムーン』ってタイトルなの。1曲目に入ってて…しかもライブ音源だから…このCDはおそらく2枚組のライブアルバム『ジョプリン・イン・コンサート』の2枚目に違いないわ」「お前、詳しいんだな」マモルは感心するように言った。「ウン…ショウに色々教えてもらって、詳しくなっちゃった。それに、このアルバム
    さん作 [778]
  • ハーフムーン (49)

    現れたのは、スナック『メラミン』のマスターだった。ミユキが彷徨うきっかけとなった、あの日の夜に出会った男だ。「やぁミユキさん。お久し振りだね」男は言った。「知ってるのか?この男」マモルが、ミユキに聞いた。「ウン。スナック『メラミン』のマスターなんだ」「何だ??その…メラ何とかって?」マモルは不思議がる。「オイオイ、君達。今はもう、その店やってないんだ」男はそう言うと、小屋の脇に、くくりつけられて
    さん作 [780]
  • ハーフムーン (48)

    「ミユキは…そのショウって男、ずっと探してたのか?」マモルは言った。「ウン…だけど、どんどん知らない場所に来ちゃって、探すどころじゃ無くなってしまって…ここにたどり着いた時は、ショウの手がかりなんて、ほとんど諦めてた…でも神様はまだアタシのこと見捨てていなかったんダ」ミユキはそう言うと、ショウの写真が入った半月型のペンダントを、キュッと握りしめた。「オヤッサン。そのショウって男は、今日現れるの
    さん作 [791]
  • ハーフムーン (47)

    「ところでオヤッサン、これだけは正直に答えてくれ。一体、誰にそそのかされて、ここに来たんだ?」マモルは亀山に聞こえないように、小声で尋ねた。オヤッサンは、『別にそそのかされた訳では無いが』と前置きした上で、こう答えた。「ショウという男だ」その瞬間、ミユキの身体がピクリと大きく反応し、うわずった口調で言った。「そ、その人の…特徴って分かりますか?」「特徴…そうだな…背は高かった…180くらいあった
    さん作 [782]
  • ハーフムーン (46)

    「ワシは、細々やっていた風呂屋を捨てて、ここまで来てしまった…お前さんが休憩中の頃合いを見計らってな。本当に悪いことをしてしまった」オヤッサンは少し興奮がおさまった様子で、ゆっくりと喋り出した。――オヤッサンは、俺達が探しに来たと勘違いしている。マモルはすっかり安心した。「過ちは誰にでも有るものだよ、オヤッサン。気にすることねぇって」マモルはオヤッサンの肩を叩きながら、諭した。――マモルはすっか
    さん作 [916]
  • ハーフムーン (45)

    真ん中の小屋は、焼きそば屋だった。焼きそばが大好物なマモルは、今度は俺の出番とばかりに前に進み、注文を始めた。「おーい、そこのオヤッサン!焼きそば二……つ…」マモルが、焼きそばを焼いていた年配の男と目が合った瞬間、お互いの表情が凍りついた。焼きそばを焼いている男は、なんとマモルが働いている風呂屋のオヤッサンだった。「ホントに…オヤ…サン」マモルは小さくつぶやいた。――オヤッサンは、怒ってここまで
    さん作 [928]
  • ハーフムーン (44)

    男は喜びに満ち溢れた表情で、薄い紙で出来たそのポイントカードを、高々と掲げていた。しかもその手は、『ついにここまで辿り着いた』と言わんばかりに、感動で震えていた。「でも何でこちらのラーメンが、エコなんですか?」ミユキがクールに尋ねる。男は涙を堪えるような表情で、鼻水をすすりながら答えた。「へぇ…では、ウチのラーメンをご覧くだせぇ」そう言って男は、カウンターの下から生麺を取り出すと、それをそのまま
    さん作 [912]
  • ハーフムーン (43)

    ミユキは、赤いアロハシャツを着て少々日焼けしたその男のことを、すぐには思い出せなかったが、小屋に掲げられているノボリを見てピンと来た。「ラーメン…定額給付金……!!」男は以前食べた、崖の下のラーメン屋の店主だった。ミユキは驚いて話し掛ける。「アナタは、あの崖の中腹に有った『ラーメン年金問題』のご主人ではありませんか?何故、今ここに居るのです?」「へぃ、いかにもアッシは、『年金問題』の男でありやす
    さん作 [804]
  • ハーフムーン (42)

    亀山の後ろについて歩いたマモルとミユキは、緩やかに生い繁る木立の間を抜けると、再び広い砂浜へと出た。砂浜は先程と同様にガランとした場所であったが、唯一異なる点は、波打ち際のすぐそばに、小さな小屋が3つ並んで建っていることだった。「アレは…何ですか?」ミユキが聞いた。「えぇアレは、ほったて小屋…じゃなくて、日本風に言えば“海の家”みたいなもんです」亀山はそう答えた。3人が小屋のすぐ近くまで来ると、
    さん作 [768]
  • ハーフムーン (41)

    亀山は、薄い水色の横シマが入った七分袖の麻シャツに、白いステテコ、麦わら帽子にサンダルを履いて、砂浜をモタつきながら、走ってやって来た。…そして何故か手には、虫取り網と、ビート板を持っていた。「ハァハァ…いや大変ご心配お掛けしました!お二人とも出発前から、ずっと寝てらっしゃったものですから…まだ到着のお知らせが、出来てませんでした。ここが目的地の…最新リゾートビーチです…ハァハァ」亀山は息を切ら
    さん作 [817]
 
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