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さんの投稿された作品が100件見つかりました。

 
  • ハーフムーン (30)

    「い…今からって、そんなの無理に決まってるじゃん!なんも準備してねぇし」マモルは慌てて言った。「大丈夫です。手ハズは整えてあります」男はそう答えた。そして間髪入れずに、狭い道幅いっぱいもある巨大な空港行きのリムジンバスが、会場に颯爽とやって来た。「ミユキは大丈夫なのかよ?いきなり出発しちゃっても」マモルが聞いた。「アタシは大丈夫…慣れてるし」ミユキが小さくうなずいた。「サァー!皆さんでこの若い二
    さん作 [940]
  • ハーフムーン (29)

    「アワワワワ〜!!と…とうとう出ました!特賞がっ!!オドロキモモノキサンショノキ〜!」男は興奮を抑えきれない表情で叫んだ。「…て言うか、コレ4等じゃないの?白だし」マモルはクールに言った。「ノー!ノー!これは『白』ではありません。『ベージュ』です!」男は声を震わせながら言った。「やったよ、マモル!特賞だって!一体、何が当たるんだろうねっ」ミユキは嬉しそうに、マモルの腕をつかんだ。「でもやっぱり、
    さん作 [960]
  • ハーフムーン (28)

    「どうしよう…もう豪華賞品なくちゃったよぉ」ミユキがマモルの袖をつかんだ。「ティッシュ要らねぇよ」マモルは投げやりになっていた。ついに抽選はマモルの番となった。スタッフの男がマモルに話し掛ける。「サァーお兄ちゃん!次は何が出るかな〜?何が出るかな〜?」――さっきから繰り返し、ウザい。…マモルは思った。「今から玉の色について、説明しまーす!1等は赤、2等は青、3等は緑…」――もう無ぇよ!!マモルは
    さん作 [888]
  • ハーフムーン (27)

    「サァー!サァー!どんどん豪華賞品が当たってますよ!皆さん、乞うご期待!乞うご期待!」男は並んでいる客に対して、更に気分をあおった。その後は再びポケットティッシュのオンパレードが続き、あと一人でマモルの番というところまで来た。マモルの前には、ヒゲを生やし、金色の眼鏡をかけたスーツ姿の中年の男が並んでいる。おおよそ抽選会場には似つかわしくない、その中年の男は、指に光らせている分厚い黄金の指輪を気に
    さん作 [902]
  • ハーフムーン (26)

    「サギくせぇ…」マモルはつぶやいた。その後も続々と、ポケットティッシュは売れていた。マモルはすでに、やる気を失っている。「どうしたの、マモル!まだ誰も当たってないよ♪チャンスだよチャンス!」ミユキは嬉しそうに、マモルの肩を叩いた。「サギくせぇ…」マモルはつぶやいた。抽選は、眼鏡をかけた学生の番に移っていた。学生が、ゆっくりと抽選箱を回す。すると、例の男が叫んだ。「ワァーオ!これはヤバい!3等液晶
    さん作 [971]
  • ハーフムーン (25)

    「そう言えば、さっきのレシートがあったハズ…あ、あった!」マモルは、先ほど買った花束のレシートを見つけると、それを男に見せた。「ハイハイこれで1回ね!抽選できるよ回せるよ!この抽選券を持ったまま、あっちの方から並んでね!」そう言って男は、マモルに抽選券を手渡した。「どうでもいいけど…すっげぇ列だな。この町、こんな人いたっけ?やっぱ並ぶの止めようかな」マモルが見つめた先には、Uターンを繰り返しなが
    さん作 [889]
  • ハーフムーン (24)

    その場所は、マーケット中心部の広場を利用して作られた、特設会場だった。そこには年寄りから主婦、家族連れまで、大勢の人々がテントの周りに群がっていた。「何だろ?」マモルが言った。「何かの抽選会やってるみたいダヨ」そう言ってミユキが見上げた先には、『大抽選会』の文字が踊っていた。「何が当たるのかな?」マモルが群集をかき分け、前に進むと、そこには次のように書かれていた。―マーケット大周年祭!―\r年
    さん作 [904]
  • ハーフムーン (23)

    「あ…ありがと」ミユキはお礼を言った。「さっきの風呂代のお返しさ。営業時間外だったのに、払ってくれたしな」マモルはそう答えた。ミユキは嬉しそうに白い花束を抱きかかえると、優しく香るその花の匂いを、いつまでも嗅いでいた。「ところで、ミユキはこれからどうするの?」マモルが聞いた。「ううん。何も決めてない」「じゃ、泊まる場所は?」「それも全然…アタシ、今朝この町に来たばかりだから」ミユキは言った。「そ
    さん作 [945]
  • ハーフムーン (22)

    「ところでキミの名前は?どっから来たの?」マモルは聞いた。「アタシの名はミユキ。あっちの方から来たの」とミユキは、海の向こうを指差した。マモルは、興味深そうに目をパチクリさせながら、「へぇー。面白い子だね」と言った。「じゃあ、マモルは…どっから来たの?」ミユキが聞いた。「あっちから」とマモルは太陽の方角を指差した。――アハハハハ。二人は共に笑った。やがて開店前の時間となり、ミユキは風呂屋を出て、
    さん作 [866]
  • ハーフムーン (21)

    「あー気持ちいい…」ミユキは露天風呂を堪能していた。「ずぅっと、こうしていたい気分…」海のそばの岩肌に、もたれかかりながら、ミユキは静かな海をいつまでも眺めていた。「あ〜ホント気持ちいいねぇ」突然、背後で声がした。男の声だ。ミユキが驚いて振り返ると、いつの間にか一人の若い男が、お湯の中に入っていた。「ちょーっと!勝手に入って来ないでよ、エッチ!」ミユキがそう言うと、「そっちこそ、まだ準備中なのに
    さん作 [1,070]
 
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