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さんの投稿された作品が100件見つかりました。

 
  • ハーフムーン ?

    ――ミユキは、そこまで思い返すと、崩れ落ちるようにバスのステップから降りた。そしてバスのドアが閉まり、ディーゼル音を響かせて、男とバスは消えていった。ミユキはその後も、しばらく立ち直れず、四つん這いにひざまずいていた。ひざまずいていた。――その時、一羽のカモメが翔んだ。カモメが翔んだ先には、海に面した白い建物があった。ミユキはただ呆然としながら、カモメに導かれるように、その白い建物に向かって歩き
    さん作 [1,081]
  • ハーフムーン ?

    ミユキは、昨夜の出来事を思い返していた――(回想)――アタシは確か…この男に引きずられるように、ホテルにやって来た。お酒が一滴も飲めないアタシは、『メラミン』でのウイスキーにやられて、もうワケ分かんなくなってたっけ。あ、そうそう。男がチェックインのサインしようとしてた時だ。アタシは確か、こう言ったっけ。「おいコラ、デブ!てめぇ、誰に許可取って自分のサインしてんだよ!『レディーファースト』って言葉
    さん作 [911]
  • ハーフムーン ?

    どれくらい時間が経ったのだろう。ミユキは知らない間に疲れて横になり、眠ってしまっていた。気が付くと、バスはすでに止まっている。ミユキは起き上がり、外を眺めた。――海だ。そこは、港の船着き場らしき場所だった。空は雨も上がり、やがて明け方になろうとしていた。ミユキは立ち上がってバスを降りようとした。運転席には、バスの運転手が静かに座っていた。ミユキが話し掛ける。「ありがとうございました。こちらで降り
    さん作 [948]
  • ハーフムーン ?

    バスは低いディーゼル音を響かせながら、狭い道を抜け、ミユキの待つバス停へと向かってやって来た。ミユキはしっかりとバスを見つめ、上部にある行き先の表示を読んだ。『回送』と書いてあった。ミユキはそれでも、ためらいなく道の中央に歩き出し、バスの行く手をふさいだ。またバスも、それに臆することなく、ゆっくりとスピードを落とし、バス停の前でキチンと停車した。バスのドアが開き、ミユキはバスに乗り込んだ。扉が閉
    さん作 [921]
  • ハーフムーン ?

    ミユキはあたりを見渡したが、周りには森と狭い道路の他に何も無く、もうバスを待つ以外に方法は無かった。ミユキはバスを待ち続けた。ベンチも何も無い、ただのバス停で、ひたすらバスを待った。15時20分。バスの予定時刻まで、残り1時間を切った。また遠くの森で、雷鳴が聞こえる。タイミングを合わせるかのように、強い風がミユキのスカートを揺らした。ミユキはバスを待ち続けた。16時15分。ついにバスの予定時刻に
    さん作 [999]
  • ハーフムーン ?

    「ところでお客さん、どちらまで行ったらいいですか?」男は尋ねた。ミユキは『自分の町まで』と言いたかったが、所持金があまり無かった。「あのぅ…一番近くの駅まで…お願いします」ミユキが答える。「あー。実はねぇ、この近くの駅は、この夏の集中豪雨で線路が土砂崩れに遭い、いまだ復旧してないんだよ。代わりに代行バスが出てるから、バス停まで行くかい?」男は言った。「分かりました…バス停までお願いします」ミユキ
    さん作 [1,018]
  • ハーフムーン ?

    ミユキは続けて聞いた。「あなたはもしかして…すべて知ってるんじゃないですか?ショウの居場所も、『メラミン』のマスターの正体も、私がココに連れられて来たワケも、ホテルに一緒にいた男の正体も、えーっと…『ラーメン年金問題』のお店のこともっ」「ラーメン…?年金…?何だいそりゃ?」男は首を傾げる。「あ、いいです…それは忘れて下さい」ミユキは慌てて取り消した。「まぁいいや。ラーメン屋も含めて、すべて心当た
    さん作 [1,014]
  • ハーフムーン ?

    「お待ちしておりました。どうぞお乗り下さい」男は言った。ミユキは戸惑った。しかし、一刻も早くココから抜け出したい。そう思い、ミユキは黙ってタクシーに乗り込んだ。そしてタクシーは、ゆっくりと発進した。「このたびは『株価暴落タクシー』をご用命いただき、誠にありがとうございます」男はそう言うと、顔を横に向け、後部座席のミユキに何かを手渡した。「どうぞお使い下さい」男が手渡したのは、ポケットティッシュだ
    さん作 [1,000]
  • ハーフムーン ?

    ミユキは店主を無視して登り続けた。かなりの急斜面で、草が生い茂っており、なかなか思うようには進まない。短いスカートで、むき出しになっているミユキの太ももは、気が付くと所々赤く腫れていた。突然、大きなカミナリが森の中に鳴り響いた。山の天気は急変する。ミユキは気力をふりしぼり、先を急いだ。やがて前方の草むらが途切れて、明るくなっているのが見えた。ミユキはその場所まで、ヨロヨロになりながらも登り切ると
    さん作 [1,043]
  • ハーフムーン ?

    「実を言うと、他にも色々候補があったのです。例えば、『うつ病』『引きこもり』『不景気』などなど。いま一番注目されてて悩んだ名前は、『食品偽装』でしたが、こういう商売ですから、イメージが良くないと思い、諦めました。せっかく『ラーメン』作ってるのに、中身が『うどん』と疑われてもイヤですしね、マジで」ミユキには、もはや言葉を発する気力は残っていなかった。「いやアッシはね、ホント店の名前は大事だと思うん
    さん作 [1,005]
 
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