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りゅうじ さんの投稿された作品が22件見つかりました。

 
  • マドレーヌをもう一度-第三章?

    …アルテミシオン星域でのドーリア連邦とイオニア王国との戦いは、すでに勝敗が決したようである。連邦軍は各艦隊が連絡を絶たれ、次々と撃破されている。もはやその戦列は乱れて、戦況は一方的な展開になりつつあった。連邦空軍のケイト・ブロード中尉は、出撃後に母艦を沈められ、戦場を移動しながら、補給を繰り返していた。もはや、二対一の空戦は当たり前になり、ケイトは、ほとんど逃げ回るのが手一杯になっていった。何度
    鈴里ユウ さん作 [341]
  • マドレーヌをもう一度-第三章?

    …宙空には響かない爆発音がいたるところで上がっていた。 「四機目…」 アラン・シェリー中尉は、この日の撃墜数を呟いて、補給のために母艦に一時帰投した。 明らかに王国軍が制宙権を握りつつある。アランは軽く舌打ちをして、愛機を降りた。 すぐに補給担当者が駆け寄って慌ただしく作業を始める。 「…味方は負けてるのか?」 アランは作業を指示するマークス軍曹に話しかけた。 「そうらしい」 一応こちらは向い
    鈴里ユウ さん作 [318]
  • マドレーヌをもう一度-第三章?

    …四人の元候補生達が久し振りに一同に会したのは、補給基地セウスにおいてである。 しかし、彼らに喜びの表情は無かった。 互いにそれぞれの活躍は知っている。その様子は、これから戦いに向かう緊張感とはまた別のもののようだった。 「…まぁお互い無事でいるわけだ。まずはめでたいね」 複雑な雰囲気に嫌気がさしたのか、グエンがソッポを向きながら言った。 「本当にそうだよね。生きていれば一番…」 ケイトは最後
    鈴里ユウ さん作 [335]
  • マドレーヌをもう一度-第二章?

    …あの時から候補生達はそれまでのようにはしゃいだり、馬鹿騒ぎすることは無くなった。 ともに食事することすら、互いに何気なく避けていたようでもある。 それはケイトとアランも例外では無かった。時々連絡を交わす程度になっていったのである。 空軍幹部候補生としての訓練を終え、正規のパイロットとなってからは、さらにその傾向は強まった。 ただ、その実力は時を重ねるごとにドーリア連邦軍内に知られていく。 ケイ
    鈴里ユウ さん作 [351]
  • マドレーヌをもう一度-第二章?

    その遭遇戦の報がドーリア連邦の首都グラフトンにもたらされたのは十月七日午後三時のことである。 国境付近での戦闘はそう珍しいことでは無かったのだが、空軍幹部候補生の面々にとっては事態の行方が気になった。 同じ候補生のアジド・アジャールが訓練に参加した部隊だったからである。 「あいつならきっと大丈夫だろう。運もいいし、空戦の腕も悪くない」 グエン・ナムツェルはそう言ったが、明らかに豪胆な彼らしくな
    鈴里ユウ さん作 [360]
  • マドレーヌをもう一度-第二章?

     連邦と王国の国境に近い衛星N662で訓練中の第八分艦隊が、王国軍と遭遇・戦闘状態になったのは十月六日のことである。 戦場に近いレグルス要塞から支援が差し向けられたが、駆付けた時はすでに無残な消耗戦になっていた。 遭遇戦による混乱のためである。 尚且つ、両軍ともむやみに相手の情報を混乱させようと妨害電波を乱発したため、戦場は混乱し、統率が利かない危険な状況になっていった。 連邦の分艦隊司令官マウ
    鈴里ユウ さん作 [386]
  • マドレーヌをもう一度-第一章?(正規)

    生まれも育ちも全く違う彼らにもただ一つ共通点があった。 それは甘い菓子が大好きだということである。 この時代、中立を守る第三星間国家のアカイア公国の首都ブルガールでは、優秀な料理人が数多く育ち、王国や連邦にも店を出していた。 この時代の奇異な点は、戦争の時代にもかかわらず、そうした文化的事業が両国家に受け入れられ、成立っているということである。後世、このことを幾人もの歴史家が検証し、理由を探っ
    鈴里ユウ さん作 [354]
  • マドレーヌをもう一度第一章?

    ところがこの日、ケイトに思いがけないことが起こった。アランに食事に誘われたのである。心拍が小躍りするように高鳴り、二つ返事で承諾した…と後日ケイトは回想する。 だが、その様子を見ていた同じ候補生のリン・ケリーによると、話し掛けられたケイトはひどく冷たい反応で、口調もそのままに、「…何か用?」と言ったという。「よくアランが怒らなかったと思う」「……」 ケイトは言い返す言葉が無いので視線をそらして
    鈴里ユウ さん作 [370]
  • マドレーヌをもう一度-一章?

    ところがこの日、ケイトに思いがけないことが起こった。アランの方から彼女に話かけてきたのである。ケイトは後にその時のことを思いだそうとするのだが、緊張したせいか全くもって無理だった。あまりに彼女の心の容量をオーバーしたらしい。同じ候補生のリン・ケリーが偶然、その様子見掛けたのだが、ケイトは「呆然と、引きつった笑みを浮べて」いたらしい。ただ一つ、分かっていることがある。それが食事の誘いであり、ケイト
    鈴里ユウ さん作 [330]
  • マドレーヌをもう一度-一章?

    …銀河暦二九九年六月三日。ドーリア連邦の首都グラフトンは長雨があけて空は快晴だった。この都市らしい緑薫る風が吹き、街ゆく人達の表情も明るい。イオニア王国とドーリア連邦との間に星間戦争が始まって早くも二十年以上になる。戦況はしかし膠着し、いつ終わるとも知れない長期戦となっていた。この間の両国の人的資源の消耗は激しい。特にもともと国力に劣るドーリア連邦においては悩みの種だった。そうした状況への対策の
    鈴里ユウ さん作 [402]
 
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