トップページ >> T.K さんの一覧
T.K さんの投稿された作品が11件見つかりました。
- 1
- 2
-
―僕の事情―11
「なるほど…それで迎えに行くか行かないか迷ってるわけね〜。」僕は事のあらすじを大まかに説明した。もちろん海斗の事を好きだと言うのはふせて。ただケンカっぽくなったとだけ。「なぁ大樹、どうすればいいと思う?」「まぁったく、りょーちゃんは可愛いなぁ〜。」「……は?」突然、大樹が意味のわからない事を言いだしたもんだから僕はすごく間抜けな声を出してしまった。「そんな事で悩んでるなんてりょーちゃんは乙女だな
T.K さん作 [188] -
―僕の事情―10
カーテンの隙間から日の光が射し込む…朝だ。今日はうるさい目覚まし時計が鳴る前に目が覚めた。あれから僕は海斗に一言“ごめん”と言っていそいで帰ってきた。それしか言えなかった。他にもいろいろ言葉はあったはずなのに…その時の僕にはそんな事を考える余裕がなかったらしい。「今日は休むわけにはいかないよな…」あさって英語の小テストをやる、と2日前先生が言っていたのを思い出す。仕方なくのろのろと起き上がり制服
T.K さん作 [356] -
―僕の事情― 9
「今朝の事はもういいから、悩み言えよ。一人で抱え込むから苛々するんだよ。たまには吐きださねぇと体に毒だ。」「悩んでなんかない…」僕は顔を背けたまま、海斗に嘘を言う。しばらく沈黙が続く。海斗がその沈黙をやぶった。「…じゃあ俺、涼に何か避けられるような事したか?」海斗の声が真剣だから…すごく痛い。「海斗は……海斗は何も悪くないよ。僕が勝手に……」いつまでたっても続きを言おうとしない僕を見て、海斗が先
T.K さん作 [250] -
―僕の事情― 8
あっという間に海斗の部屋。現在の状況を簡潔に説明しよう。僕と海斗は今ベッドに並んで腰かけています。はぁー……ありえない。僕は心の中で深い溜め息をついた。どんだけ僕の事いじめりゃ気がすむんだよ、神様。こんなの生き地獄だ。「で、涼。どんな悩みなわけ?遠慮せずに言えよ。ちゃんと聞いてやるから。」こいつ…確信犯か?こんな状態で何をしゃべればいいのさ!僕は混乱におちいった。すぐ横には大好きな人がいて、部屋
T.K さん作 [206] -
―僕の事情― 7
「チャリ止めてくるからそこで待ってて。」そう言って海斗は自転車をひいて家の横の自転車置場に入っていった。「海斗の家…久しぶりだな。」目の前の家を見上げ思わず呟いた。海斗の家に最後に入ったのは中3の春だったと思う。それからは、なんとなく海斗の家に入るのを避けていた。その理由は昨日やっとわかった…。海斗にとって迷惑なこの感情を持ったまま海斗の家に、海斗の部屋に入るのに、無意識だが後ろめたさがあったか
T.K さん作 [256] -
―僕の事情― 6
しばらく頑張ってみたが、やっぱり空腹には耐えられず、僕は家からは少し離れているコンビニに行くことにした。何でうちの近くにはコンビニがないんだろう…などと思いながらコンビニに向けて歩いた。「お腹減って歩く気力すらないよ。」小さく愚痴りながらとぼとぼ歩いていると、信号の向こう側に見覚えのある人が自転車に乗って信号待ちしていた。「げっ…海斗…」僕が今一番会いたくない人だ。僕は海斗に気付かれないように、
T.K さん作 [193] -
―僕の事情― 5
しばらくして目が覚めた。どうやら僕はあのまま寝てしまったようだ。時計を見ると午後1時をまわっていた。朝食をとっていないせいかひどくお腹が減っていた。「お腹空いた…なんか食べよ…」僕はベッドからおりて一階の台所に向かった。冷蔵庫を開け中を見る。…今気付いたんだけど、昨日学校からそのまま走って帰ってきたから、何も買い足してない…冷蔵庫にはお茶と牛乳とバターなどの調味料、後は半分のきゅうりとプチトマト
T.K さん作 [309] -
―僕の事情― 4
もう一つ溜め息をつき、俯きながら呟く。「…アイツ何て返事したんだろう。」「アイツって?」「そりゃもちろん……って、えっ!?」僕は驚いて顔をあげた。部屋には僕しかいないはずなのに僕以外の声が聞こえたからだ。「アイツって誰?つか涼まだ布団から出てないのか?遅刻するぞ?」問題の“アイツ”が腕を組んで僕の部屋のドアにもたれかかって話し掛けてきた。「か、海斗!!何でここにいるんだよ!?」「何でって…いつも
T.K さん作 [318] -
―僕の事情― 3
放課後、部活見学に行っていた僕は帰りぎわに入部用紙を机の中に入れっぱなしだったのを思い出し、教室に向かっていた。「やばっ。確か入部届け明日までだったんだっけ…」独り言を言いながら廊下を足早に歩いていると目的の教室から女の子の声が聞こえた。「好きです…」…ってオイッ!教室で告白なんかされると入れないじゃん!ってツッコミ入れながら、しばらく教室の外でドアに寄り掛かり、聞き耳をたてていた。立ち聞きなん
T.K さん作 [241] -
―僕の事情― 2
(ピピピピピピ)朝からテンションを下げる耳障りな音がまだ寝ている僕の脳に響く。布団から片手を出し耳障りな音を出すそいつをさぐり当てるとそのまま布団の中に引きずり込んだ。(ピピピピピピピッ……)「もう朝……」上半身だけ起こし、ベッドのすぐ横にある窓にかかっているカーテンを開けた。朝日が静かな部屋に満ちていく。僕は小さく溜め息を吐いた。「学校行きたくないなぁ。」というのは、
T.K さん作 [299]
- 1
- 2