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ヨシ さんの投稿された作品が12件見つかりました。
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巨塔への階段…(序章)
「松下君。君、来月から移動になるから。詳細は辞令後に」とだけ、言い残して山口部長は得意先へ急いでいった。…いったい、何故?…営業成績も抜群で、人当たりがよく人望の厚い松下に突然の人事異動。ここ最近の不況で、確かに会社の業績は下向きではあるが、若手きってホープの子会社への異動は誰も想像出来なかった。本人でさえも。
ヨシ さん作 [203] -
窓際のヒーロー
哀愁漂う小さな背中白髪の増えた頭には僕をかばって付けた傷跡が今も消えずに残ってる見た目は悪いし赤提灯しか行かないあなたは何の取り柄もないけれど毎日やな奴に頭を下げてそれでも顔で笑って心で泣いて…全ては家族のためですか?数え切れない悔しさを玄関前で心にしまい人のことばかり気にしてるかっこ悪いけど、最高にかっこいいあなたは僕の大好きなヒーローです
ヨシ さん作 [196] -
ネットな恋(3話)
桜井からメールを受け取った翌日、上杉はある会議室にいた。広報のメンバーとのミーティングだ。海外赴任の長かった上杉にとって、出席者のほとんどが初顔合わせだ。その中に透き通るように色の白い、上品でしっとりとした栗色の髪がよく似合う女性がいた。桜井だった。少し浮き足立った上杉は平静さを取り戻すように、手元の資料に目を落とした。上杉を主体とした社外広告に対して、一通りの議論が進むと最後に上杉が聞いた。「
ヨシ さん作 [250] -
父の背中
亜紀は気がつくと、温かくて大きな背中に抱かれていた。懐かしいにおいがする。幼い頃の光景が大粒の涙と共によみがえる。父さんだった‥ ………………………亜紀は中学に入った頃から父親を毛嫌いし始めていた。いつも寡黙で、職人気質な父は、仕事があれば休みも取らず黙々と働いていた。参観日も運動会も何もかも全て母親任せ。父の顔を学校で見たのは小学3年の運動会が最後だった。亜紀は父が自分に興味がないことを、いつ
ヨシ さん作 [216] -
ネットな恋(2話)
7番席にはもう誰もいなかった。‥あの子、帰ったのかな‥上杉は何かを期待した自分が少し恥ずかしかった。気を取り直しながら席に座ると、上杉はもう一度ブログを見返した。すると、日記がまた更新されている。“憧れのあの人は、完璧な人。いつも遠くから見てる…。でも、昨日は何だか元気なかったの。‥切ないよ。”〈片思いか‥〉上杉は心の中で呟きながら、見ず知らずの女性が恋する相手をイメージしてみた。人は想像の中で
ヨシ さん作 [281] -
ネットな恋(1話)
肌寒くなったある日上杉はいつものネットカフェに立ち寄った。店内は静まり返り、静かな音楽が流れている。「いつもの7番席空いてます?」「えーっと、今日は‥」店員は受付表に目を落とす。「7番は他の方が使われてますね、でも他はけっこう空いてますからお好きな席へどうぞ」上杉は仕方なく3番席を選んだ。ドリンクを手にした上杉は、自分の席へ向かう。途中、7番席が気になり目を止めた。頭上が開いた個室風の席は、頭部
ヨシ さん作 [1,189] -
通りがけの恋(1話)
人生でたった一度でも人をこんなに好きなれたなら‥どんなに素敵なことだろう美咲はそんな恋になるとは思いもよらなかった‥少し肌寒い日、美咲は黄色い落ち葉の並木道を秋晴れの空を眺めながら歩いていた。‥今日の仕事のミスは痛かったなぁ。でも山口課長、あんなに怒らなくても‥美咲は今日のついてない1日を思い出しながら、憂さ晴らしに誘った亜希との待ち合わせ場所へ急いでいた。広い通りに出て信号待ちをしていると、向
ヨシ さん作 [334] -
叶わぬ想い(第2部)
5m程もある木製の大きな自動扉が開く。汐留にある瀟洒なこのホテルは、二人の思い出の場所でもあった。‥まだ付き合い初めて間もない頃、中田に逢えた嬉しさと照れ隠しのためか、飲めないカクテルを酔いつぶれまで飲んでいた優を、彼はここまで肩を抱きながら運んできた。‥部屋に入る少し前から、優は意識を取り戻していた。でも、酔ったふりをしていた‥彼にずっと心配してて欲しかったからだった。‥思いとは裏腹に、大きな
ヨシ さん作 [306] -
叶わぬ想い(第1部)
不倫‥みなこの響きに眉をひそめる。やってはいけないこと‥そう‥頭では分かっていても、好きになってしまったら‥誰も止められない‥桜井 優。24才。商社勤務2年目の彼女は、まさか自分が妻子ある人を好きになるとは思いもよらなかった。‥中田 一世。30才。‥優が惹かれた彼は、新進気鋭のエリート。今や幹部候補として世界を駆け巡る商社マンだ。少し肌寒くなったある日、二人はいつものカフェで待ち合わせをしていた
ヨシ さん作 [699] -
七色の扉?
〜つづき〜『赤い扉』麻生は夢をみていた。どこまでも続く暗闇の果てから、眩しい光の輪が麻生を優しく包みこむように近づいてくる。不思議な感覚だった。‥生まれる前はこんな感じなのか‥「‥母さん?」麻生は、幼くして母親を事故でなくした。母の顔は覚えていない。写真でしかみたことがなかった。綺麗なひとだった。母でなければ恋していたかもしれない。光の輪がふっと消えた瞬間、麻生は目覚めた。「いったい、これは‥」
ヨシ さん作 [231]
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