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暁 沙那さんの投稿された作品が64件見つかりました。

 
  • 悪魔の天使 (52)

    「勿体無い。」第一声。「どうしよう。」第ニ声。「勿体無い。」第三声。リアは先程の飴細工をどうするべきか結構真剣に考えていた。とても繊細且つ綺麗に輝く飴の外形、欠片。早く口にしてみればいいのに、とレクスは言ったが、リアはなかなか口をつけようとしない。しばらく悩んだ後、一口舐める。「……!…甘い……。」リアは呟くように小さく言った。「口に合わなかった?」レクスの言葉に首を横に振るとおいしいよ、と笑顔で
    暁 沙那さん作 [337]
  • 悪魔の天使 (51)

    街は人々の活気に溢れ、色に満ちていた。その中をリアは人にぶつからないように、足取り軽く、器用に潜り抜けながら歩いていく。いつものドレスと違い、庶民的な服をひらひらさせて歩く姿は可愛かった。長めのスカート、簡単な帽子、上着の上にストールをかけて、靴を履いて。「ねえ、レク、あれは何?ああ、それとあっちのは?」リアの子どもような質問にレクスは答えていく。「あれは布を売ってるとこで、あっちは飴細工じゃない
    暁 沙那さん作 [326]
  • 悪魔の天使 (50)

    時計の針はなぜ進むのだろう。歯車のせいだ。私はなぜ――?小さい頃、母はリアを捨てた。『あんたといると不幸になる。』小さい頃、叔母と父が妹と姉と新しい母を連れてきた。『この人が新しい母さんだよ。』『お前なんかよりずっと賢い。この子達を見習いな。』魔法も独学で学び、執事も召喚した。人一倍頑張って人よりは魔法を操れるようになった。それでも独りだった。味方はたった一人の執事だけだった。だから求めた。あの時
    暁 沙那さん作 [347]
  • 悪魔の天使 (49)

    青い海、緑の草、色とりどりの花。少しだけ潮の香りを纏った風が金の髪を掬った。リアは髪を白い手で軽く押さえ息を吸い込む。「もうあれから半年経つのかぁ。」軽く呟くと後ろから覆い被さるようにして腕を回された。「レク?」その腕に手をやり、上目に問うといつもの笑みが返ってきた。「どうしたの?」「それはこっちのセリフだよ。リアこそこんなとこで何やってんの?」レクスがリアの頬に軽く口づけると、リアはくすぐったそ
    暁 沙那さん作 [342]
  • 悪魔の天使 (48)

    「結婚したのよ。」リアの一言に会場全体がざわめいた。「どういうこと?」「そんな情報どの教会にもなかったわよ。」「そんなことよりも何でレクス様はあんな娘と結婚まで。」ざわめきで小広間は埋め尽くされる。「あの子のせいよ!!」一つの大きな凛とした声が響いた。「あの姉様の恐ろしい魔法でレクス様はそんなことをおっしゃったのよ!なんせあの方は悪魔の子ですものね!!」その一言にリアの肩が揺れた。「それか誰も見て
    暁 沙那さん作 [357]
  • 悪魔の天使 (47)

    踵は宙に浮き、真っ白な細くしなやかな手はレクスの肩へ。艶めいた淡いピンクの唇は重なりあった。会場が一気に静まり返り皆が息を呑んでステージの上を見ている。リアがそっと唇を離そうとすると、頭をレクスに固定されそれ以上退けなくなる。「レ…クス……?」「もうおしまい?」「…っぁ……。」吐息がリアの身体を戦慄かせた。それと同時にレクスの手は段々と肌をなぞりあげる。くすぐったさに身体を退こうとするが、回してい
    暁 沙那さん作 [383]
  • 悪魔の天使(46)

    「で、私はどうすればいいの?」ベッドの上に手をついて座り、上目でレクスに問うと笑みが返ってきた。「楽しませてくれたらいいんだけど。何してくれるの?」リアはしばらく俯き、考えていたが、いきなりレクスを見ると飛び付いた。満面の笑みで。「ねえ、私たち結婚するんだよね?じゃあ、宣戦布告しましょ?」「宣戦布告?」リアは更にニコッと笑って頷いた。小広間に叔母、クロア、レイなどリアとレクスの関係者が集まっていた
    暁 沙那さん作 [343]
  • 悪魔の天使 (45)

    あの後二人で誰にも見つからないように、結界の弱まっているところを探した。しばらくの間結界を放置していたらしく、ムラがたくさんあった。レクスの魔力強化の札及び陣と、リアの魔力のコントロールで、上手く結界を壊し元の世界に帰れた。「よく出来ました。」レクスの帰ってきての第一声は子供に言い聞かせるような一言だった。ついでに頭を撫でて。「私、子供じゃないんだけど。」頬を膨らませて言うと今までよりもずっと幼い
    暁 沙那さん作 [373]
  • 悪魔の天使 (44)

    レクスの手を握る手に力がこもる。「さあ、帰っておいで、リア。」伸ばされた手に首を横に振る。「いいのか?また、ああなるぞ。」リアの肩が一つ、大きく波打った。「さあ。」更に伸ばされた手に一歩後退った。「行きたくない……!」リアはレクスの腕にしがみつくように手を強く握った。リアが小さく震えているのが分かった。「行かなくていい。」「そういう訳にはいきませんな。次のお客様が待っている。」「リアはあんたらの物
    暁 沙那さん作 [361]
  • 悪魔の天使 (43)

    お互いの手を重ねて歩いていく。レクスはリアに合わせてゆっくりと歩いた。そのおかげでリアは楽に歩けた。「ねえ、ここまでどうやって来たの?」そう訊かれたレクスは歩みを更に遅くすると、リアに微笑み、顔を近づけた。「――っ……!」身を強張らせ、きつく目を閉じると、寸前で気配が止まった。ゆっくりと目を開けるとレクスとまともに目が合う。「そんなにして欲しかった?」「――っ…なっ……!違うわよ!」唇にかかる吐息
    暁 沙那さん作 [346]
 
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