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暁 沙那さんの投稿された作品が64件見つかりました。

 
  • 悪魔の天使 (14)

    「リア!」「…っ……!」「どうしたの、こんなところで……。」抱えられるように肩にまわされた手を、リアは払いのけた。リアはまだ温もりがある肩を抱き寄せるような仕草をした。明らかに警戒している。(見られた、か……。)レクスは一歩引くと一礼をして踵を返した。「…ディル……?」レクスの後ろ姿がディルと重なった。(あの後はどうなったのだろう……。)ルカの伝えようとしていたこととは何だったのだろうか。(きっと
    暁 沙那さん作 [346]
  • 悪魔の天使 (13)

    満天の星空の下、そこにあった光景に青の瞳が揺れた。いつか見たことがあるような……。愛し合う者同士の一番分かりやすい行為。「…っ……!」目の前が一瞬暗くなる。「何…これ……。」色が戻ったとき、リアは自分の目を疑った。そこは違う世界。真昼のそこは色とりどりの花が咲き誇り、花弁に付いた水滴が輝いている。優しい光に導かれるようにリアは足を進めた。「ディル!」凛とした声がそこに響いた。「何?ルカ。」「やっと
    暁 沙那さん作 [339]
  • 悪魔の天使 (12)

    「ねえ、風にでもあたってこない?」叔母が挨拶をしているのにも関わらず、レクスは手を引いた。突然のことに驚きながらもリアは付いていった。「…綺麗……。」満天の星空についそんな言葉が出た。「綺麗でしょ?」「うん……。綺麗…本当に……。」月が半分に欠けていた。(そろそろ新月になってしまうのかしら?)そんなことを考えているとレクスが動く気配がした。いつの間に来たのかリズがレクスに何か言っている。レクスは少
    暁 沙那さん作 [404]
  • 悪魔の天使 (11)

    「さ、行こうか。」と、レクスは手を差し出した。その手をリアは躊躇いながらそっととった。リアたちは再びあの大広間にいた。確かこれから始まるのは主役の挨拶に社交ダンス。リアは隣にいるレクスを見上げた。と、彼の黒い瞳と目があった。レクスもリアを見ていたのだ。不思議と安堵がよぎる。それと同時に声が零れた。「ねえ、私たちいつか会ったことがあった?」「ないけど?どうして?」「ううん、何でもないの。」そっか、と
    暁 沙那さん作 [357]
  • 悪魔の天使 (10)

    リアを囲んでいた針子達が少し離れた。「とてもお綺麗です。」「本当。こんなに美しい方を放っておく男なんていませんよ。」リアは先程とは違うドレスを身に纏っていた。色は前のよりも少し濃いピンク。腰はそれよりも濃いピンクのリボンで締められていた。肩は出されており、少し肌寒い。首には三重にサイズの違うネックレスがかけられた。一番大きく変わったところは化粧だろう。大して手は加えられていないが、唇にはほんのり赤
    暁 沙那さん作 [336]
  • 悪魔の天使 (9)

    「えっと…あの…さっきはごめんなさい……。それとありがとう……。えっと……。」リアは戸惑いながらもレクスに感謝と謝罪の意を口にした。リアにしては素直になって頑張ったのに、レクスは何も答えてくれなかった。しばらくするときまりが悪くなってきた。仕方なくまた言おうと試みたが、それをリズに見事に遮られた。「では、リア様、そろそろ参りましょうか。」「え!?ど…どこに?」「大丈夫。十分間に合う。結構話が長くな
    暁 沙那さん作 [334]
  • 悪魔の天使 (8)

    「いつもいつも私は独りだった。それでいいと、そうでなければいけないと、そう思ってた。今でもそう思ってる。独りでだって大丈夫。母さんが出ていったのは私がいたから。私さえいなければ……。生まれてこなければ良かったのに……。」リアの口から紡ぎ出されるのは哀しい言の葉。そんな言葉にレクスは少し声をあらげた。「自分を下げて生きていく……。そんなのただの自己満足にすぎない。そうやって自分を下げて生きていくの辛
    暁 沙那さん作 [328]
  • 悪魔の天使 (7)

    レクスを待っている間にリアは眠ってしまっていた。リズの入れた睡眠薬のせいだろうか。リアには起きる気配が無かった。レクスがリアの長い髪にそっと触れる。その手が一瞬跳ねたかと思うと動きを止めた。彼女の頬を一滴の涙が伝ったからだ。髪から手を離すと涙を拭ってやる。その手の温かさにか、ゆっくりとリアの瞼が開けられた。「…ん……。」「…起きた?」「……!?」リアは次の瞬間勢いよくレクスの手を弾いていた。普段こ
    暁 沙那さん作 [366]
  • 悪魔の天使 (6)

    リアが大広間から出ると廊下の奥の方に二十歳前後の仕事服を纏った人がいた。リズだ。リアは近付きリズに話しかけた。「あなたがレクス様の使用人のリズさん?」リズは無言で頷くと奥へと向かいだした。リアは少し考えてからリズについていった。リズが止まったのはある部屋の前だった。「どうぞ。」リズが扉を開け、入るように促した。「どうする気?主人のところに行かなくていいの?」「これは主のご意向ですのでご安心を。」そ
    暁 沙那さん作 [353]
  • 悪魔の天使 (5)

    「リア、何してるんだい?」どこか怒っているような声に、リアはとられていた手のことを思い出した。慌てて手を引く。さっきまで強かったレクスの手には、ほとんど力が入っていなかった。「えっと…おば様…」とっさに口を開いたが次の言葉が出てこなかった。「リア、お前は下がっていなさい。」「…はい……。」リアはその言葉に部屋へ戻ろうとした。すると背を向けた直後、いきなり後ろに引かれた。驚きで声も出なかった。そのま
    暁 沙那さん作 [333]
 
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