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紫幸 燈子 さんの投稿された作品が35件見つかりました。
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アリア・カンツォーネ
こちらを、向いて…。アリア…。私の可愛い娘…。その大きな栗色の瞳を…見開いて。私の名前を呼んで。茶色の長い淡毛をリボンで結って…桜色の唇を軽く開いて私の名前を呼んで。アリア…私の可愛い人形(こ)さぁ…その可愛い顔で、私の名前をもう一度、呼んでおくれ?…“ママ”と…。冷たい身体を…抱き締めてあげるから。アリア…私の可愛い…動かない娘。
紫幸 燈子 さん作 [280] -
風のノクチュルヌ
私は、いつも…闇の中だった。瞳の光を失ったから…。暗くて…孤独しか、感じられなかった…。凄く恐かったのよ?そんな時…アナタの奏でる音を聴いたの。優しくて…風の様な…音色。一瞬で、恋に墜とされたわ…。アナタの奏でるピアノの音色は、まるで…風のよう…。永遠に聴かせていて…アナタだけの音…。私が闇の中で迷子にならない様に…。
紫幸 燈子 さん作 [354] -
花束を君に…
ユラリ、揺れる花畑の中…私は…佇む…貴女を見付けた。貴女の儚げな表情が愛しくて、私は…花を摘む。貴女に、似合いそうな…紅い花…。花の名前は…【曼珠沙華】花言葉は…【悲しい思い出】貴女の苦しみを和らげたいから…この…花束を…君に…。…ねぇ…知ってる?この花に、悲しい思い出を話すと…その苦しみは和らぐのよ?……だから、この花束を君に…。
紫幸 燈子 さん作 [324] -
灰だらけ姫
お手を…どうぞ?お姫様。王子様は、ワタシに手を差し出す。ワタシは…その手を…取れないわ。だって…好きじゃないんですもの。…ワタシが…好きで焦れてるのは…ワタシに素敵なお洋服をくださった…魔法使いの…貴方。12時前に抜け出して、駆けて行くわ。愛しい君の元まで。だから…お願い…ワタシを…待ってて下さい。“本当のワタシ”を見付けてくれた…唯一の貴方。お願いよ?神様。ワタシが着くまで…彼を…掴まえていて
紫幸 燈子 さん作 [324] -
グラスコード?
…“アレ”が、彼女とのハジメテの出逢いだった…。「あの時は、本当に何事かと思ったよ…」僕は、また紅茶を口に運んだ。彼女は、じぃ〜っと僕だけを、唯唯…見つめている。「だって、外での食事って美味しく感じるんだもん。」プイッと、口を尖らせソッポを向く。それでも…“アレ”は無いだろう…と苦笑いをした。その時、微かに彼女の耳元でピアスが揺れるのを見た。「そのピアス…」僕が、ソッと彼女の耳元で、揺れている三
紫幸 燈子 さん作 [268] -
野莓心中
森に実る野莓は、甘く喉を潤してくれる。恋も似た様なモノかしら?時に甘く…時に甘酸っぱく…私の喉を潤してくれるかしら…?それは…“アナタ”次第なのかも知れないわ…。アナタ、恋したなら…森の野莓みたく…甘く甘酸っぱく…私と墜ちましょう?永遠に…。
紫幸 燈子 さん作 [297] -
前世初恋皐月
皐月の花が枯れた頃…私は、憂いながら…君を…想う。愛おしい…初恋の…貴方。遠い…遠い昔…一目で恋したの。前世では、結ばれ無かったけど…今度は…きっと…大丈夫。皐月の花が枯れる頃…貴方を…想うわ。前世からの…愛おしい人よ…。
紫幸 燈子 さん作 [294] -
ブランシールの魔女・第2術・
…子山羊を探して、何時間になるだろうか…?青年は、額の汗を片腕で拭うと深い森を見渡した。…静寂の森だ…。青年が、そんな風に思った時…カサッと青年の脇に茂る草むらが揺れる。青年は、びくっと身体を竦めた。また、汗が溢れてくる…。子山羊か…?それとも…熊等の獣か?否…もしかしたら………【魔女】…?喉が、異様に渇くのを感じる。青年は、ゴクリと唾を飲み喉を鳴らした。ガササッ。また草むらが揺れる。青年は、怖
紫幸 燈子 さん作 [366] -
瞳を閉じて
寂しくなったら…ボクを、想い出して。澄んだ夜空を眺め…キラキラ光る星空を見上げて、そこにボクは…いるから…。それでも、寂しくて仕方無い時は…瞳を閉じて、ボクは…キミの唇に触れてあげる。幻を魅せてあげる。一度だけ、魔法が使えるから…ボクは…キミの事が…大好きだから…。だから、寂しくなったら…ボクを想い出して。
紫幸 燈子 さん作 [299] -
睡蓮と少女
睡蓮は、自分を愛してしまった愚かな人の成れの果て…。自己陶酔で生まれた、美しき花…。その美しさの代償は…己の【命】…。その花に恋をした、一人の少女…。幾度、花に声を掛けても…愚かな花は、水辺に浮かぶ己だけを愛し…聴く耳持たず。少女の声だけが、木霊する…。哀れ…その少女は…いつしか…【声】だけになってしまった…。愚かな花を…愛し過ぎた少女の成れの果て…。神は憐れみ少女に名前を授けた…。その名は…【
紫幸 燈子 さん作 [271]