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紫幸 燈子 さんの投稿された作品が35件見つかりました。

 
  • 荊姫

    深い森の中、独り彷徨う僕は…一輪の花を見付けた。燃える様な赤い髪に吸い込まれそうな黒い瞳…唇は…桜色。触れてみたくて…手を差し出す…。「ーっ!」この花には…刺がある…。それも…抜けない刺が…。僕は、その刺に刺された。それ以来…僕の頭には“あの花”が忘れられない。…きっと…あの刺には、毒がある…刺した者を“虜”にする“甘美な毒”が…。花に、名前を付けるなら……そう【荊姫】…。多くの者を虜にする術を
    紫幸 燈子 さん作 [358]
  • ブランシールの魔女

    「いい?決して、ブランシールの森に行っては、ダメ。」「どぉして?」不思議そうに男の子が、自分の母親を見上げる。母親は、片手で男の子の鼻の頭を、ちょい、と弾く様にしながら、優しく、だけど厳しい口調で言った。「あの森にはね。…魔女がいるからよ。」「まじょ?」キョトン。としながら、男の子が首を傾げる。まだ幼い男の子には“魔女”の事が理解らない様だ。母親は、男の子の小さな手を繋ぎ、話を続ける。「…そう。
    紫幸 燈子 さん作 [443]
  • フィリア3

    美紅が、一人暮らしをしている“本当の理由”父親の通夜の夜…。今日が終わったら…この美しい死体の父親と…お別れ……?そんなの嫌…。美紅は、ジッと父を見つめて、そう思った。明日には、灰になってしまう?…この美しい芸術作品が…?それを考えただけで、美紅の頬をつっーっと涙が伝う…。きっと、周囲の親族は“悲しくて泣いているんだろう…”と思ったに違いない。実際、美紅は“哀しかった”…父が死んだ事、では無くて
    紫幸 燈子 さん作 [630]
  • フィリア2

    午後の授業中、美紅はずっと上の空だった。先程の【初恋】を思い出していたから…。ぼんやりと虚ろな感じで、美紅は窓の風景を眺めた…そして…まだ鮮明に残っている…愛おしい“父親の亡骸”を頭の中に蘇らせる…。また、背筋がゾクッと鳴る。怖いから、鳴るのではない…。コレは…快感だ…。美紅は、頬を赤らめる。桜色の唇を噛み締め…はぁっ…と甘い吐息をもらした…。“もう一度…見てみたい…。”最近、そんな事を思う様に
    紫幸 燈子 さん作 [589]
  • 幼馴染み

    「ねぇ、お嫁さんにしてくれる?」「うん。してあげる。」幼い頃、キミと約束した事は…“絶対叶う”と信じて疑わなかった…ボクだけど…。今なら…解る…。あの約束が…決して…叶わない…という事を…。成長したから、気付けた…キミのコトに…。「ねぇ…お嫁さんにしてくれる?」消えそうな声で、キミはボクに言う。「…うん…してあげるよ…。」ボクは優しく答える。キミは、嬉しそうに微笑むが……この約束が…叶わない事を
    紫幸 燈子 さん作 [371]
  • フィリア

    「美紅の初恋の相手って、誰?」「うぇっ?!」ある昼下がり…教室で、机を合わせながら、お昼ご飯を食べていたら…親友の晶(ヒカリ)が、突拍子もなく、そんな事を言い出して思わず声が裏返ってしまった。その返答が面白かったのか、晶は、声を出して笑う。「…で?美紅の初恋の〜相手は誰かなぁ〜?」顔だけを、美紅に近付け…如何にも楽し気に問詰めてきた。美紅は、頬をピンク色に染め…小さく答えた。「……お父さん……。
    紫幸 燈子 さん作 [773]
  • 【無題】

    どうか…微笑みを忘れないで…世界で1番…大切な…事だから…。どうか…自分を…卑下しないでアナタをちゃんと 見ている人は必ず…存在(い)るから…。どうか…忘れないで…アナタが…必要とされている事を。…忘れては…ダメ……。
    紫幸 燈子 さん作 [331]
  • グラスコード?

    木の枝にいる少女は、勢い良く僕の胸に飛び降りて来た。いくら身軽そうな体付きとはいえ、重力には勝てず、腕の中にいる少女を抱きながら、僕は尻餅を付いてしまう。「いてて…」眉を潜め、腕の中にいる少女を見た。良かった…怪我はしていない様だ…。それにしても…間近で見ると、眼を奪われる位…綺麗だ。なんて思っていると…少女が口を開く「…何?ボクの顔に何か付いてる?」僕に、ジッと見られる事が嫌なのだろう、その声
    紫幸 燈子 さん作 [299]
  • Merry Maid(人魚)

    ー…月(ワタシ)は…太陽(アナタ)に、恋焦がれているー…。アナタが…海に沈む頃…ワタシは“人魚”になって…アナタを追うわ。ワタシは“月の神(アテルガティス)”太陽に一目惚れをした…愚かな人魚…。報われない恋だって…知ってるの。でも…月は太陽を一途に想い…追うわ…。それが…アナタに恋した人魚(ワタシ)の罰なのだから…。
    紫幸 燈子 さん作 [320]
  • グラスコード?

    暫く僕達は、見つめ合って…そして同時に吹き出した。「…嘘つき。」僕が、ボソッと呟くと彼女は、かぁっと頬を紅く染めながら残りのアイスコーヒーを飲んだ。その“照れ隠し”みたいな行動が、可笑しくて…でも可愛くて、僕はまた、軽く微笑んだ。「忘れた。…なんて嘘だろ?あんなに劇的だったのに」僕が、意地悪く笑いながら、紅茶を一口…口に含む。すると彼女は、僕を上目遣いで見ながら小声で「…アレは…“劇的”って…言
    紫幸 燈子 さん作 [322]
 
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