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アオ さんの投稿された作品が20件見つかりました。
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ときのこ 5
土曜日の夜。ヒナツは小説を読みながらだらだら時間を過ごしていた。「ただいま。どの情報が重要でないか分からなかったから全部運んでたら時間かかっちゃった。」クロノだ。少し疲れているようだ。「ご苦労様。それにしても早いな。人間業とは思えん。」「へへ。さて、転送するよ。」「病気を一緒に持ってきたりはしていないよな?」「ちゃんとチェックしたよ。ほら。」膨大な情報がヒナツのメモリーに転送されていく。普通の人
アオ さん作 [422] -
ときのこ 4
「死んだ?なんで?寿命ってことはあり得ないし、今時事故や病気ってのも考えにくいなぁ」話している内容の重さに関係なくクロノはいつも通りの口調で話す。「お前は私に気を使ったりって事が一切無いんだな。」「気?何に?」「いや、何でもない。姉は事故死と言うことになっている。」「『と言うこと』?」「ああ、隠蔽工作だ。姉は殺された。死体の状態を(ハッキングして)見たが胸部と頭部に銃で撃たれたと思われる傷跡があ
アオ さん作 [444] -
ときのこ 3
「あれは誰?」リビングに入ってすぐにクロノがそう聞いてきた。おそらくテーブルの上にある写真のことを言っているのだろう。「右の女性が私の姉のヤクサ、左の男が弟のシュバラ、で真ん中が私。」「他の二人はどこで何を?」ヒナツはその質問に少しだけ違和感があった。「お前は私のところに来るときに私のことを調べただろう。なぜそんな事を聞く?」「ヒナツの性格だけ調べた。他は後で良いかなって思ってさ。それに、自分で
アオ さん作 [411] -
双頭ドラゴン
彼はいつも同じ道を通る。いつもの景色を眺めながら、いつも大体同じ時間をかけて通る。それだけではいけないのだろうか?彼は景色が変わらないことを嫌う。いつも通る道だからと言って景色も同じな訳ではない。似たような景色ならまたいつか見られるが、常に変化し一度見た景色は二度と見られない。それだけではいけないのだろうか?彼は道が不変であることを嫌う。いつも通る道だからと言って全てが同じな訳ではない。落ちてい
アオ さん作 [400] -
神速 (下)
5月1日21時42分07秒。「お前が死んで誰が喜ぶんだ。娘のことを少しでも想っているなら幸せになってくれ。」その一言で僕は目が覚めた。そうだ。僕は永子の分まで生きる義務があるんだ。5月1日21時42分10秒。僕は永子のお父さんにお礼を言って駅をでた。小汚い浮浪者にぶつかった。謝ろうと思い振り返るとそこにいたのはあの時の痴漢野郎だった。5月1日21時42分12秒。「お、お前のせいで俺は会社を首にな
アオ さん作 [414] -
神速 (上)
5月1日21時30分00秒。いつものように電車で帰っていると女子高生が痴漢をされていた。勇気がなくて怯えているようだった。ここはやはり男である僕が止めるしかないだろう。僕は勇気を出して相手を(社会的に)抹殺する究極即死魔法、【コノヒトチカン・デス】を唱えた。5月1日21時35分00秒。電車を降りた後女子高生がお礼を言ってくれた。彼女が後でちゃんとお礼がしたいとのことでメアドを交換した。「田中 永
アオ さん作 [767] -
ときのこ 2
仕事が終わり帰る用意をはじめたヒナツに一人の男が歩み寄り話しかけた。「なぁヒナツ。これから俺と飯でも食いに行かないか。」「ごめんなさいキユリキ。ちょっと用事があるの。」彼女はそう断って相手の返事を聞かないまま出口の方へ歩いていった。「また誘うよ。」キユリキがそう言うと彼女は振り向かず小さくバイバイと手を振った。「用事があるってウソでしょ。」車に乗り込みエンジンをかけようとしたとき勝手に脳内に住み
アオ さん作 [537] -
ときのこ 1
朝起きるといつもと変わらない自分の部屋。いつもと変わらない匂い。いつもと同じ様に朝食の支度をして、食べようとしているときにいつもとは違う事が起きた。「おはよう。ヒナツ。」脳内に直接信号が流れ込んでくる。電脳通信だ。当たり前のように通信してきたが彼女は送り主を知らなかった。彼女はストーカーか何かと思い返答せずに相手の居場所を突き止めようと逆探知を開始した。一般人には逆探知など出来はしないが彼女は電
アオ さん作 [489] -
咎 11(おわり)
人審士は彼が飛び立ち見えなくなるまでその様を眺めていた。「この塔は戦うことしか許されない。死ぬことすらも許されないこの塔はまさに『地獄』と呼ぶに相応しい。詩人ダンテはあの世は地獄、煉獄、天国の三世界に分かれていると言ったがそうであるならばこの塔の外、あいつが旅立った世界は『煉獄』と言えるであろう。煉獄とは咎人がその罪を償い天へと昇るための世界。あいつは一体どんな罪を犯し、何をもって許しを得られる
アオ さん作 [504] -
咎 10
数百メートル歩いた先にあったのはドーム状の部屋だった。壁は透明で、外の景色が一望できる。地上から二千メートルほどの高さにこの部屋はあるようだ。空は黒い雲に覆われており地上は荒野しか見えない。外の景色を眺めながら彼が質問した。「人間はどこにいる。」「…人間は大変な罪を犯した。」人審士はどこか悲しげにそう言った。「質問に答えろ。」「まぁまて順を追って説明しないとな。」「…」彼は怪訝な顔をして黙り込ん
アオ さん作 [473]
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