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73 さんの投稿された作品が50件見つかりました。
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PERSON OF TASTE
「なぁ、俺の事本当に好きなの?」「どうしたの?突然。」私は目の前にいる馬鹿面の男を見つめる。一応私の彼氏だ。どんな返事を相手が期待してんのかとかは解ってる。だけど私は自分に正直に生きてるから。「…さぁ、好きではないんじゃない?」とか答えちゃう訳で。みるみるうちに彼氏の顔は赤くなっていって。「人を馬鹿にしやがって!ふざけんなよ!」と怒鳴り散らして、私の部屋を出ていった。それ以来連絡もないし。あー終
73 さん作 [298] -
未来【上】
薄暗い駐車場鳴り響く銃声逃げる男血まみれになり、倒れる男その苦しみに満ちた顔は――愛しいあの人声にならない叫び声をあげながら私は跳び起きる。有り得ない程汗をかき、心臓の音がうるさい。私は自分を落ち着かせるためにベッドの脇に常備してあるペットボトルの水を渇いたのどに流し込む。―私は、普通の会社勤めのOLだ。自分は平凡で普通の人間だと思ってきた。…ただ、一つの事を除いては。昔からたまにすごく鮮明な夢
73 さん作 [253] -
毒舌君主[十三]
―チョコパフェをだされた時に「あ、やばい」って思った。すごく泣きそうになった。もうこれ以上好きにさせないで私は、馬鹿だ確実に自分が傷つく相手を好きになってしまったのだから帰り道、昭久は店じまいがあるとの事で由香里は修に送ってもらっていた。たわいもない会話に、時折笑い声をあげながら二人は並んで歩く。ふとした時に由香里は昭久の事を思い出した。聞きたくても聞けないあの事を。無意識のうちに由香里は暗い顔
73 さん作 [338] -
毒舌君主[十二]
数日後、昭久は熱が下がり、店に復帰していた。「よう、昭久。久しぶり。元気になったかぁ?」夕方、修が顔をみせる。「あぁ。」昭久はいつも通り素っ気ない。「そりゃ、よかった。でさぁ、入口のところでこっちをジーッと見つめる変な子がいるんだけど。」修がそちらを指差す。「由香里!てめぇ、何突っ立てんだ。他の客の邪魔になるだろうが!」「…はぁーい。ごめんなさい。」昭久の言葉に反論する事もなく、由香里はただフラ
73 さん作 [292] -
毒舌君主[十一]
―昔の夢をみた―まだあいつが俺の側にいる頃の…だけど―あの声も、あの笑顔も、今は記憶の中だけのもの―あいつにふれることもできない、今……―あんなのただの悪夢に過ぎない。―まだ店が開いて間もない頃、病院から抜け出した志保がよく俺の店に遊びにきていた。「今日はね…プレゼントがあるの。開店祝い!大事に使えよぉ!」志保が俺にくれたのは水色とピンクのグラス。「…何でグラス?食器くさるほどあるし。」「わかっ
73 さん作 [287] -
毒舌君主[十]
由香里は、部屋にいれまいと拒む昭久を笑顔でかわし、無理矢理部屋に侵入する事に成功した。「修さんに聞いて、風邪だっていうから、差し入れ買ってきたんです。」「差し入れは、いいから消えてくれ。」「まぁ、そんな事言わずに☆ポカリとポカリとあと…ポカリ買ってきました!」「…ポカリばっかりじゃねぇか…ゴホゴホ」昭久のツッコミは風邪のためあまりキレがよくない。「ポカリなめちゃダメですよ。ポカリは飲む点滴と言わ
73 さん作 [298] -
毒舌君主[九]
由香里は、金曜日、いつもの様に昭久の店に向かう。しかし、今日はいつもと違った。ドアにはCloseと書かれたボードがかけられていたのだ。それを見た由香里は、持っていた荷物をドサッと地面に落とし、「ショ…ショキング!あ、昭久さーん!」と意味も無く叫んでいた。その頃昭久は……高熱を出し、寝込んでいた。一人暮らしの昭久の部屋はシンとしていて、昭久の苦しそうな息づかいだけが聞こえてくる。「…はぁ…風邪なん
73 さん作 [308] -
毒舌君主[八]
「おい、修!」昭久に呼ばれ、修はハッと我にかえる。「どうしたんだよ。ボーッとして。」「悪ぃ、悪ぃ。」修は余計な心配をかけまいといつもの様に振る舞う。「まぁ…いいけどさ。それよりこいつバカなんだぜ!」昭久は由香里を指差して笑う。「あー!その話は秘密にするって言ったじゃない!」修が物思いにふけっている間に、昭久と由香里は何やら二人で別の話で盛り上がっていたようだ。仲良く言い合いをしている二人を見つめ
73 さん作 [289] -
毒舌君主[七]
由香里は昭久が作ったハンバーグを食べ終えた。「はぁ〜…。昭久さんが作ったハンバーグ、すっごくおいしいかった!嫁にきてほしいぐらいです。」「はぁ?ハハッお前バカだろ?」由香里のその言葉に昭久は笑顔を見せる。そんな昭久を見て、修は驚いていた。『昭久は心開いてるヤツの前でしかあんまり笑わないのになぁ。ましてや数日前に会ったばかりの女の子に…。珍しい事もあるもんだな。』そう思い、目の前の女の子をジッと見
73 さん作 [452] -
毒舌君主[六]
カウンターの椅子に座り、ぐったりした様子の由香里。そこへ、会社帰りの修がやって来た。「うわっ!びっくりした!どうしたの?由香里ちゃん!」「は…橋田さん。昨日はどうも。私、あきらめきれないで、『ただ働きでもいいんで働かせてください』って高杉さんに言ったんですよ〜…。そしたら…ふふふ…何の遠慮もなくこき使いまくりですよ。あの鬼め☆」「そりゃ大変だわ。昭久、ドSだからね〜、使えるものはボロ雑巾のごとく
73 さん作 [362]