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カトリ さんの投稿された作品が50件見つかりました。
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年下の彼13
6月何日か雨が続いていた。優希は合コンに参加していた。特に、出会いを求めるつもりはなかったが、賑やかな、この雰囲気が好きだった。大学の友人の早苗の高校の同級生で、大学生や社会人、ニートもいた。その中の1人が優希の横に座り話しかける。「優希ちゃんって、テニスするんでしょ?俺もテニス部だったんだ。今度、一戦どう?」F工大の小林 亮司。キレイ系な青年。ちょっと、軽そう。…優希の第一印象だった。「うん。
カトリ さん作 [565] -
年下の彼12
優希は、航にあの話をした後に、とんでもない事を、正希に聞いた。N高はサッカーの名門校で部員は全部で80人。全国大会にも3年に一度は出場している学校らしい。「俺が行くK高とはライバル校だから、二年後には、航と勝負できるな。」「…レギュラーになるのに二年かかるって事??」「当たり前だろ…1年生は筋トレとグランド整備がいいとこ…だな。2年になって控えに入れればラッキーだよ。」とんでもない事を言ってしま
カトリ さん作 [612] -
年下の彼11
3月桜の花の蕾がふくらみ始めた頃、春の心地よい風が二人を包む。「何食べたい?」「ん〜。迷うな。んじゃあ、お好み焼きとか?」「了解。いい店あるから、行こう。」優希は白いブラウスにベージュのカプリパンツ、一週間程前に、肩まで伸びていた髪をばっさりショートカットにした。「髪、随分短くしたんだね。」「うん。」「俺が初めて、優希を見た頃もその位だった。」「うん。テニスするとき、これが一番いいんだ。」「長い
カトリ さん作 [594] -
年下の彼10
優希と航は外に出た。「航くん彼女できたんだって?どんな子?」「…別れた。」航はうつむきながら答えた。「そうなんだ…。ごめんね。変なこと聞いて。」首を横に振り、少し間をおいて航が口を開く。「俺、やっぱり、優希さんの事、諦められない。」「……航くん?」「夏休み、また会って実感した。忘れられるかと思ってたけど、だめだった。」「…うん。でも、私、四つも年下の男の子とは付き合えないよ。」「……そうじゃなく
カトリ さん作 [558] -
年下の彼9
二階の部屋では正希と航が課題に取り組んでいる。両親は仕事に出たので、優希は暇を持て余していた。庭に水まきをする。強い日差しに、水しぶきが反射して小さな虹が見える。「おーい。優〜。」二階の窓から正希が顔を出す。優希はそれを見上げる。「何〜??」「昼飯、出前とるんだろ?俺と航、冷やし中華ね!下で食べるから!」「ハイハイ…」優希は、冷やし中華を3人前を出前でたのみ、テーブルを拭き麦茶とグラスを三つ用意
カトリ さん作 [564] -
年下の彼8
優希の大学生活は充実していた。新しい友人もでき、テニスサークルに入り、合コン、バイトも始めた。一人暮らしにも少しずつ慣れて、一人でいる時間も寂しくなくなった。恋愛観は変わってきていた。学校やバイト先のファミレス、合コンでたくさん出会いはあったが、彼氏を作る気分にまで盛り上がらなかった。同時に性欲も現れなかった。心の底から愛しいと思える人…そのような人が現れる日が、私にもくるのだろうか。自分のすべ
カトリ さん作 [599] -
年下の彼7
予定より一ヶ月程遅れて生理がきた。けれど、優希の決心は変わらなかった。圭吾とは、終わりにする。ただ、圭吾の受験が無事に終わるまでは、波風を立てたくなかった。だが、学校以外で会うことを避ける優希に圭吾は薄々別れの予感を感じていた。「優、たまに、飯でも食って帰ろうか。」「…うん。圭吾の予備校の時間までね。」駅前のファミレスに入る。注文を終えると圭吾は優希の手を握った。「…圭吾?」「優、俺と別れようと
カトリ さん作 [563] -
年下の彼6
優希は、航と外に出た。しばらく、無言であてもなく歩いた。「…ごめん。わざとだよ。」優希が先に口を開いた。「ん。知ってる。」「…じゃあ、放っておいてくれればいいのに…。」「無理だよ。それは。だって俺」言いかけた言葉を阻んで優希は言う。「航くん、なんで私、最近あの場所に行かないかわかる?」「部活引退して、受験勉強してるから…?」「違う。甘えさせてくれる彼氏ができたから。あの場所はもう必要ないの。」「
カトリ さん作 [803] -
年下の彼4
「……」航は言葉を失った。「航くん。私のどこがいいの?」優希は、聞いてみたかった。ろくに会った事がないのに軽々しく、かわいいからなどと言い寄って来る男達を今までに何人もみて来た。そういう男に騙された事もあった。航に対しても、そのような疑惑を持たずにいられなかったのだ。「優希さんの、人に弱い所を見せない、凛とした姿が好きです。」「えっ…?」優希は、全く心当たりがない訳ではなかった。「俺、中学入学し
カトリ さん作 [589] -
年下の彼3
「航、優の事前から気に入ってるんだよ。んで、この間、間近で見て、マジボレしたって。」「何それ。なんであたしが中坊とデートなんてしなきゃいけないのよ。」「んじゃあ、交渉決裂だな。」正希は、優希に不敵の笑みを送った。「…分かったわよ。じゃあ、次の日曜の午後。」「分かった。迎えに来るように言っとく。」我が弟ながら、手強い…完全に弱みを握られてしまった。阿久津 航も、人の事を気に入っただとか、マジボレと
カトリ さん作 [580]