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ミア さんの投稿された作品が29件見つかりました。
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未来の私へ
「ありがとう」私がそう言うと、みんな困ったような顔になりました。きっと、全く予想外だったのだと思います。私は、中高一貫の女子校に通っていました。そして私は、中2から高1いじめにあっていました。いじめといっても、はぶられたり、こそこそ後ろ指をさされたりした程度ですから、「何だ、その程度でいじめなんていわないよ」と思われた方も沢山いらっしゃると思います。しかし少なくとも、中2で初めてはぶられるという
結姫 さん作 [238] -
FRAGILE DREAM 7
セシリーナは、もともとKGBか、それに類する特殊部隊に在籍していて、ベトナム戦争にも従軍したが、左目の負傷・失明で新人育成にまわったらしい。俺は、フランカほどではないがこの人が嫌いだ。勿論指揮官として優れた人なので尊敬の眼差しを向ける奴もいるが、セシリーナはうわべの笑顔とは裏腹に極めて残酷で、他人の苦しむ姿や慟哭を見て楽しんでいる節がある。セシリーナの銀灰色の瞳は時々ひどく暗く見え、ぞっとさせら
結姫 さん作 [237] -
FRAGILE DREAM 6
ノブの所に金の装飾がしてある、木製のドアの前に立ち、俺はすぅっと息を吸った。コンコン「失礼します、セシリーナさん。ダンテです」「入りなさい」ドアの向こうから低めの女性の声がした。俺はゆっくりとドアを開けた。ドアから真っすぐ奥にある窓の所に、長身の女性が立っている。「やあ…ダンテ。呼び出して悪かったね」セシリーナはふっと笑った。表情は自然に見えるが、銀灰色の瞳はひどく冷たい。「いえ…」俺は少しも動
結姫 さん作 [222] -
FRAGILE DREAM 5
「あっと、私もう行かなきゃ。遅刻しちゃう」 フランカは腕時計に目を落としていった。「遅刻?訓練は14時からだろ?」「私、今日は研究所で仕事なの。訓練はでないの。仕事に行くついでに起こしに来て私が遅刻したんじゃ本末転倒だわ」−なんだ、ついでか。そう思ってすぐ、俺ははっとした。ついでだったらなんだよ。むしろ勝手に部屋に入られて迷惑だろうが。フランカが研究所の助手にかりだされるのは珍しいことではない。
結姫 さん作 [246] -
FRAGILE DREAM 4
「何でもない」俺は咄嗟に一歩下がった。「…そ。ならいいけど」フランカは口には出さないものの、やはり俺の態度が不満らしい。俺がフランカを苦手な理由は、実はもう一つある。似ているのだ。顔はあまり似ていないが、彼女の深い碧眼は、アリアを思い出させる。−そう、フランカはアリアの姉なのだ。そういえば、アリアも意志が強い澄んだ眼をしていた。彼女達の雰囲気が周りと異なるのは、唯一血の繋がりがあったからだろうか
結姫 さん作 [231] -
FRAGILE DREAM 3
「ひっどいネグセ。座りなよ、直してあげる」フランカはそっと俺の髪に触れた。「触るな」俺はフランカの手を払いのけ、目をそらした。フランカはぷぅっとむくれていった。「そんなに嫌わなくてもいいじゃない」「嫌いなわけでは…」俺はそう言いかけてやめた。このままでは会話がなかなか終わらない。俺は、フランカが苦手だ。確かに嫌いではないが、フランカがそばにいるとどうも落ち着かない。それは彼女がいつもニコニコして
結姫 さん作 [271] -
FRAGILE DREAM 2
「あらいやだ、ダンテ。まだ寝てたの?」俺はビクッとして振り返った。ドアの所に、茶髪で十代後半くらいの少女が立っている。「…フランカ(フランチェスカ)。何の用だ。」俺は露骨に嫌な顔をした。フランカはふっと笑って中へずかずかはいってきた。「そんな嫌な顔しなくてもいいでしょ。失礼ね。呼びにきてあげたのに。今日あなた‘あの人’に呼ばれてたでしょ。いいの?のんびり構えてて。」−あ!俺ははっと立ち上がった。
結姫 さん作 [243] -
受験生のうた
受験生 現実逃避 自暴自棄受験生 三者面談 逃げ出した受験生 やる気の割に 高偏差受験生 志望は高いが やる気ない
結姫 さん作 [233] -
FRAGILE DREAM
「キャアアァ−−!!」「アリア!!」何本もの大きな鉄材が上から落ち、彼女の姿を隠した。叫び声以外の音がない。いやに映像がゆっくりで、映画のワンシーンのようだ。俺は彼女に走り寄った。「アリア!」幾重にも重なる鉄の下から、赤い液体が流れ出すのが見えた。「…アリア?」−返事は、なかった。−1988年、ソ連・ロシア−「−−−!」俺はがばっと起き上がった。荒れた息遣いがおさまるのを待ち、片手で頭を抱える。
結姫 さん作 [281]