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桃木香苗 さんの投稿された作品が8件見つかりました。
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私の恋〜7
けたたましいサイレンが近くの通りから鳴り響いてきた。体がビクッと反応した。『このままじゃ見つかっちゃう!!早く!!』私の言動に驚く彼を無視して、背中から抱きかかえ、ぐったりとした体を支えながら私のアパートに向かった。冷たい風を背に受けながら、彼が犯した罪と私の罪、こおりつく寒さと止まない音が私の足取りを早くさせた。昼間出た時のまま部屋は散らかっていた。12時間前まではいつもの毎日でいつもの私でい
桃木香苗 さん作 [313] -
私の恋〜6
ハッハッハッハッ――――ハッハッ――――どのくらい走っただろう、人気のない路地まで走り続けた。『はぁっはぁっはぁっ、っん、くっっ、ぐっぅうっ』男の子は泣いてた。肩を大きく震わせ声を出さずに泣き続けた。逃げようと思えば、いつでもそうできた。手を握った時から恐怖も逃げようとする気持ちもなくなっていた。でもでも本当は、解っていた彼が殺したのは彼の父親だという事。そして父親を殺したいと思い、本当に殺して
桃木香苗 さん作 [225] -
私の恋〜5
疲れた。毎日親父達に抱かれる日々、ただ感じてるふり。1度殺されそうになった事がある。『売春女が大っ嫌いだっ』とホテルに入るなり首を絞められた。なんとか抵抗して逃げ出したが、運がよかっただけ、もしあの時携帯がならなかったら、本当に死んでた。辞めたいとその時初めて頼んでみた。でも15の小娘がどうやって生きてくのか、だいたい13からこの世界に入りいまさらぬけられると思うかと、脅され結局続ける事にした。
桃木香苗 さん作 [199] -
私の恋〜4
『かなちゃん出勤だよ。』『はいはい、相手は?』『産業物産の社長』『またかぁ〜、注文多いんだよね、あの人金持ちだから我慢してるけど』『いつものホテルに10時だから』『はいはい』私には両親がいない。5才の時に父かたの祖母に預けられた。祖母は母に瓜二つの私を嫌っていた。父が職に就かず、パチンコ三昧で借金してた事も、昼から酒にあけくれ暴れ、母を自殺においやった事も祖母は母のせいだと憎んでいた。私を施設に
桃木香苗 さん作 [250] -
私の恋〜4
『かなちゃん出勤だよ。』『相手は?』『産業物産の社長』『またぁ?めんどくさいんだよねぇ、あの親父注文が多いの、変態だよあいつは、間違いない!』『いつものホテルだって10時には来るようにって言われたから、急いで!』『はいはい』私には両親がいなく、父かたの祖母に5才の時預けられた。祖母は父がアル中になったのもパチンコ三昧で定職に就かず遊びほうけていたのも母のせいだと憎んでいた。そして母にうりふたつの
桃木香苗 さん作 [237] -
私の恋〜3
寒さに震えながら、誰もいない公園を見渡していた。誰もいない・・・人を求め来たのに・・誰もいないなんて・・過去にひき戻ろうとする自分を、何とかおさえようと奮闘した。今日の夜は何にしようとか、好きなテレビは何曜日だったとか、一真の部屋をかたずけなきゃとか・・・・・―――ポタ―――\r ―――ポタ―――\r涙が出ていた。ずっと、ずっと我慢してたのに、会いたくて、会いたくてたまらなくなった時も必
桃木香苗 さん作 [362] -
私の恋〜2
ぎりぎりで遅刻はまのがれた。『まったく〜本当ついてない日だわ』ぶつくさ言いながら、仕事に取り掛かった。この会社に勤めだして10年苦手なパソコンも熟知できた。嫌いな上司にもひきつらづ笑う事を身につけた。食わず嫌いだったゴーヤも今ではあの苦味が恋しくなる。こんな事から大人になった自分の成長を実感している。毎日顔を付き合わせるこの人達も仕事が終わればそれぞれの家に帰りそこには家族がいたりいなかったり・
桃木香苗 さん作 [288] -
私の恋
・・・・ねぇ・・・・・・覚えてる?・・・始めて出会ったあの日の事を。『早くしなさい!!何してんの!昨日のうちに準備しときなさいっていってるでしょう!!!』いつもの朝、息子の一真に怒鳴る私『毎朝!毎朝!学習能力がないのよ!!ほら体操着!』『うるさいなぁ〜朝からよく怒鳴れるよぉ、あっ!!やばい!じゃぁいってくるよ!!』どこの家庭でもこんなめまぐるしい朝がくりひろげられてる。『ふぅ〜』20分だけのゆと
桃木香苗 さん作 [280]
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