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天夢 さんの投稿された作品が38件見つかりました。
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さようなら
もうすぐ俺は反逆者になるもうシナリオは完成した誰も想像のつかないような恐ろしい事でも安心して腐った醜い大人達に地獄に勝る苦しみを与えてやるだけだから血の繋がりって鬱陶しい産んであげた親なのだからもっと敬意を示しなさいだとさ俺が一度でも生まれてきて良かったと思った事があるとでも?めでたい奴等まず手始めに血の繋がりこれを断ち切る事それが終わり無き悪夢の幕開け世界は俺を捕えられない何故なら俺はヒトじゃ
天夢 さん作 [395] -
野良猫の家 最終話
そのとき、真上の雲の隙間から太陽の光が射し込んで、私たちを包んだ。なんて暖かいのだろう。私はハルキを揺すった。「ハルキ…ほら、太陽だよ…」しかし、ハルキは何も答えず、私の腕の中で固く目を瞑っていた。どうして太陽は、あとほんの少し早く現れてはくれなかったのだろうか。私は、胸が張り裂けそうになった。しかし私には、もう涙を流す力すらなかった。目を閉じると、小さな光が見えた。あの光の向こうにハルキがいる
unknown soloist. さん作 [330] -
野良猫の家?
私たちは何とか外に這い出し、倒れた。目が霞んで、ほとんど何も見えなかったが、手探りでハルキの小さな手を掴んだ。「ハルキ…」「サヤ姉…ここは外…?」「そう…私たち…もう自由なんだよ…」そのとき、白くて冷たいものが舞い落ちてきた。「サヤ姉…これ何…?」「雪だよ…」「雪…?きれいだね…」雪は、私たちの血で真っ赤に染まった。大量の出血と急激な体温低下のせいで、ハルキの生命は確実に蝕まれていた。「ハルキ…
unknown soloist. さん作 [328] -
野良猫の家?
2日後の午後4時、私たち7人の脱出作戦は決行された。科学者たちを誘き寄せるのは、シュウ。「オレは、脚が速いから…上手くやれば逃げられる。」シュウは、ハルキにそう言ったそうだ。そして、科学者たちを誘き寄せたら、倉庫から盗んだ火薬を爆発させる手筈だ。私とハルキは南、ケイトとマリーは西、テイリンは東の出口に向かう。私たちは、息を潜めて合図を待った。そして、聞こえた。遥か遠い北の出口でシュウが火薬を爆発
unknown soloist. さん作 [305] -
野良猫の家?
ある日、7人で落書きしていると、ハルキが言った。「サヤ姉、ここは“野良猫の家”なんだよね?」「えぇ、そうよ。」「じゃあ、ボクたちが“野良猫”?」「え?さぁ…そうなのかなぁ?」「野良猫は家に住んでないよね?ボク、本で読んだもん!」「そうね…普通、野良猫に家はないわね。」「じゃあ、ボクたちにも家はいらないよね?」「まぁ…私たちが“野良猫”なんだとしたらね。」「野良猫はジユウなんだよね?」私は突然、ハ
unknown soloist. さん作 [345] -
野良猫の家?
翌朝、私はまた壁に猫を描いているハルキを見付けた。しかし、今日のハルキには共犯者がいる。私に気付くと、ハルキは大きく手を振った。「サヤ姉!おはよ!」「おはよう。また猫、描いてるの?」「うん!今日はねぇ、ケイトとシュウも一緒なんだよ!」ハルキは、共に落書きをしていた少年たちを紹介してくれた。ケイトは、ブラウンの髪にグリーンの目、整った顔立ちの少年だ。しかし、左掌には大きな目があった。礼儀正しく頭を
unknown soloist. さん作 [388] -
野良猫の家?
ここは、ある国の地下施設“野良猫の家”だ。名称だけ聞いたら、“可愛らしい”だとか“のんびりしていそう”だとか、どちらかと言うと良いイメージを持つだろう。しかしこの名称は、地上の人間に聞かれても問題のないよう、カモフラージュのために付けられたものだ。この施設は、5人の科学者たちによって建設された。科学者たちはここで、己の快楽のために実験を繰り返していた。人体実験だ。この実験によって、多くの異種な人
unknown soloist. さん作 [353] -
僕らは 最終話
数ヶ月後、凌駕と裕実は付き合い始めた。凌駕の周りの人間が死ぬことはなくなり、凌駕はいつも笑っていた。毎週、順也の墓に行っては、他愛のないことを話して笑った。もちろん、順也が喋るわけはないが、僕らには順也の声が聞こえる気がした。僕らは同じ大学に進み、凌駕は髪を茶色にした。理由を訊いても答えなかったが、僕にはなんとなく分かる気がした。久々に立ち寄ったあの公園で、どちらがブランコをより高く漕げるかを競
unknown soloist. さん作 [343] -
僕らは 第三十話
ようやく笑いが治まった頃には、空は夕焼けと夜空のコラボレーションを奏でていて、とても美しい空だった。「ねぇ、凌駕。僕は思うんだけど…」僕は空を眺めながら言った。「何だよ?」「人生に三度、モテ期が来るんだとしたら…幸福と不幸の回数も決まってるんじゃないのかなぁ?」凌駕は、僕の言ったことに不思議そうな顔をした。「僕らには、人生で起こりうる不幸が一気に起こってるだけなんだよ。きっと、この辛い期間を乗り
unknown soloist. さん作 [282] -
僕らは 第二十九話
僕らは翌日、学校を休み、公園に向かった。ブランコに並んで腰掛けてみたものの、僕はどうして良いか分からず、黙っていた。すると、凌駕がぽつりと言った。「お前も、オレに関わらねぇ方が良いんじゃねぇの?」僕は凌駕に、僕が凌駕よりも己の命を選ぶ人間だと思われている気がして、悲しくて堪らなかった。「僕は…あの夜死んでたはずだった。」そう、父さんが一家心中を図った、あの忌まわしい夜に。しかし僕は生き残った。そ
unknown soloist. さん作 [278]