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涼太さんの投稿された作品が20件見つかりました。

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  • 死後の世界

    「ついに出来ましたよ」「何が?」部下の織下が朝から機嫌の良い声なので、不機嫌な私はぶっきらぼうに答えた。「死後の世界に移動できる装置ですよ。これで、被害者に直接犯人を聞き出せます」「本当か?」これが本当なら、捜査が一気にはかどるぞ。「ただ、一定時間超えると、戻ってこれなくなりますけど」「相応のリスクがあるってことか」そして、私はその装置の初めての被験者となった。自分で希望したのだ。どんなものかと思
    涼太さん作 [617]
  • シンクロニシティ

    俺たち夫婦はとても仲が良く、何をするにも大抵一緒だった。近所からの評判も上々で、特に裕福というわけではないが、幸せな生活を送っていた。だが、悲劇はある日突然に起こった。俺は悪徳業者に騙されてしまった。大量の借金が情け容赦なく俺たちに降りかかってきた。貯金を全てはたいても、まだ3000万以上も残っていた。その日から生活は一変した。毎日のように家に押し入る借金取り。軽蔑するような近所の眼差し。困窮な生
    涼太さん作 [784]
  • 大酒飲み

    自分で言うのもなんだが、俺は酒にとても強い。毎日のように大量に飲んでいるが、飲みに行って酔ってしまったことなど、過去一回もない。今日も、いつものように行きつけの居酒屋で一人で飲んでいた。すると、隣の席で飲んでいた一人の中年の男が話しかけてきた。「いい飲みっぷりだねぇ。どう? 俺と勝負しないか?」「勝負?」「そう、どっちが早く酔い潰れるか勝負するんだ。負けた方が一杯おごる。どうだ?」「少ないな。三杯
    涼太さん作 [784]
  • マナー違反

    部活帰りの俺たちは、いつものように電車の中で騒いでいた。一日がようやく終わり、ついついテンションが上がってしまうのだ。そこへ、一人のおばさんがやって来た。40代後半くらいで小柄な女性だ。「あなたたち少し静かにしなさいよ」すると、注意されたのが燗に障ったのか、俺たちの中ではリーダー的存在の黒沼があからさまに不機嫌な声色で脅しをかけた。「なんだよ、ババア」しかし、彼女は顔色ひとつ変えなかった。「周りの
    涼太さん作 [787]
  • 宇宙人の提案

    「星が見えてきたぞ」その声を聞いて、宇宙船の窓から外を覗くと、暗闇の中から青い星が近づいてきているのが見えた。「文明のある星なのか?」俺が誰にともなく尋ねると、「待ってくれ。今、データベースにアクセスしてる。……あった。太陽系の第三惑星、地球。文明はあるようだが、まだあまり発達はしてないみたいだ」液晶パネルに表示された文字を船員が読み上げる。「この星ならいいだろう」船長が頷いた。続いて通信士に指示
    涼太さん作 [891]
  • マニュアル社会

    この国はマニュアルであふれている。「ケータイ利用マニュアル」や、「会社員向け営業マニュアル」など、元からあった必要なものから、「映画鑑賞マニュアル」、「睡眠マニュアル」、さらには、「将来の夢実現マニュアル」といったものまで。その種類は実に数百万ほどある。つい最近になって、「マニュアルを読むためのマニュアル」なるものまで出始めた。そして俺は、そんなマニュアルを売りつける仕事をしていた。今日も沢山のマ
    涼太さん作 [909]
  • 最終バスの運転手

    バスの最終便。乗客は俺一人。この辺りに住んでいる学生は俺だけだった。それほどの田舎なので、夜の9時頃になれば、すでに外に人影はない。だからこんな事は珍しくなかった。ケータイをいじくりながら、いつものように終点まで過ごす。すると、急に運転手が話しかけてきた。「お客さん、いつもこの時間乗ってるね。高校生……かな?」最終バスの運転手はいつもこの人。白髪混じりの薄くなった頭。恰幅のいい顔。優しそうな垂れ目
    涼太さん作 [1,256]
  • 振り返るなよ

    ドライブに出掛けた先で、長いトンネルに捕まった。このトンネルの事は聞いたことがある。輪廻隧道地元の人は、そう呼ぶらしい。何故かは知らない。知る気もない。俺はそう言ったオカルト的な事は信用しない人間だからだ。それにしても、走ってるのに同じ景色が続く上に、対向車も皆無。息が詰まりそうな閉塞感。不気味な静寂。あまりの長さで頭がおかしくなりそうだった。突然、周囲が閃光に包まれた。一瞬何も見えなくなったが、
    涼太さん作 [1,152]
  • 採用試験

    「どうだった? 試験は?」いつもの喫茶店に入ってきた友人の高梨を席に座らせると、俺は開口一番にそう言った。「いや、出来る限りの事はしたけど、自信ないし不安でさ」と、高梨は首を振る。「元気出せよ。まあ、気持ちは分かるけどな……。俺も、試験終わった後は、ずっと不安だったし」テーブルのコーヒーを一口飲む。そして、「まあ、結局は落ちたわけだけどな」と付け加えると、俺はもう一口飲んで笑ってみせた。大きなため
    涼太さん作 [874]
  • 代用

    今日も妻は調子がすぐれないようで、朝からずっと寝たままでいる。仕方がないので、妻の代わりにまだ幼い娘のために夕食を作ることにした。カレーだ。料理はそれほど得意と言うわけではないので、時間がかかったし、味にも自信はない。それでも、なんとか夕食の時間には間に合った。その間、テレビを見ながら娘は静かに待っていた。「そら、出来たぞ。先に食べてなさい。今、ママを呼んでくるからね」優しくそう言って、私は妻を連
    涼太さん作 [1,120]
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