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五十嵐 時さんの投稿された作品が155件見つかりました。
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ロストクロニクル8―4
最後の海賊が倒れたのを確認すると、ウェドは口を開いた。「てめぇ、名前は?」落としたハンマーを拾いに行きながら聞いた。(ごめんなさい。私、言葉が分からないの)女性は申し訳なさそうな顔をした。「ああ?何喋ってんだよ?」ウェドはハンマーに付いた砂を叩き落としながら、女性に近づいて行った。「どこまで行っても砂浜だけだなー」フラットは安全に眠れそうな場所を探し、砂浜の上を歩いていた。「おい!そこのガキ!て
五十嵐時 さん作 [530] -
ロストクロニクル8―3
「おーい!ったく、あいつらどこ行ってんだよ!迷子になんじゃねぇよ!」ウェドは迷子になっていた。腰の高さ程もある茂みの中、ひとりさ迷っていた。「海なんて見えて来ねぇじゃねぇか!・・・んっ?」ウェドは静かに耳を澄ました。(離して!離してよ)意味の分からない言葉が聞こえてきた。急いで声の方へ駆けて行くと、そこに、海賊に捕らえられている女性がいた。その奥には男性もいた。「そんな大勢で女を捕まえて楽しいの
五十嵐時 さん作 [415] -
ロストクロニクル8―2
「あっ!見えてきた!」パールが前方を指さしてそう言ったのは、クレイラを出発してから、約半日が過ぎたくらいだった。腰の高さ程もある草をいくつも掻き分けると、それは視界いっぱいに開けた。「海だ!」タクトにとっては初めて見る海だった。今まで見てきた景色の中でいちばん綺麗だと思った。海の前には、きれいに敷き詰められた砂があり、その先には永遠に続いているかのような蒼が視界いっぱいに広がっていた。「そろそろ
五十嵐時 さん作 [410] -
ロストクロニクル8―1
クレイラの村を後ろに見ながら、タクトたちはやけ野原となってしまった場所に戻っていた。「さて、これからどうしようか」タクトたちは円になって話し合っていた。「今回のように行き当たりばったりに進んでいては、時間が掛かり過ぎます」「じゃあ、何か手を打とうぜ。俺もこんな旅さっさと終わらせてぇ」「そうね、でも、何か手を打つとは言っても・・・」四人が揃って頭を捻っているところだった。「うわっ!」突如、地面から
五十嵐時 さん作 [422] -
ロストクロニクル7―22
「君がダイヤなんだよね?」タクトは、まるっきり容姿が変わってしまったダイヤへ近づいて行った。「どうして僕らを襲ったんだい?」『憎かった・・・』相変わらず、隣でフラットが訳してくれている。「君は人を憎んでいたのかい?」タクトは静かに問いかけた。『今までそう思っていた。だけど、あなたたちを襲った後に、ふと思ったの。あたしが憎んでいたのは人ではなく、この町の住人だけだった。そして、振り返ってみたの。あ
五十嵐時 さん作 [422] -
ロストクロニクル7―21
気がつくとそのだだっ広く、机のみがある空間には、パールとウェドとフラットもいた。表情から察するに、どうやら三人もあのあの幻覚を体験したらしい。「どう?びっくりした?」椅子にはダイヤが座っていた。三人は呆然と立ち尽くしていたが、彼だけは違った。「いいや、大体の想像はついていたさ。その日記から」タクトは机の上に置かれている日記を指さした。「どういう意味?」「まず、気づいたのは、行商人のクローブが日記
五十嵐時 さん作 [429] -
ロストクロニクル7―20
「・・・ダイヤ」「あの野郎!」タクトたちは鏡に向かってそれぞれ武器を構えた。スペースの鏡でできた体も、ここでははっきりと見ることができた。細長い尻尾が、鏡の中のタクトたちを包むように包囲していることが見てとれる。タクトは思わず後ろを向いたが、当然の如くそこに尻尾は無かった。「どうやらあたしの正体を知ったらしいね」ダイヤは、鏡の中からこちらを見据えてきた。スペースは、尻尾と同じように細く長い舌をチ
五十嵐時 さん作 [394] -
ロストクロニクル7―20
「・・・ダイヤ」「あの野郎!」タクトたちは鏡に向かってそれぞれ武器を構えた。スペースの鏡でできた体も、ここでははっきりと見ることができた。細長い尻尾が、鏡の中のタクトたちを包むように包囲していることが見てとれる。タクトは思わず後ろを向いたが、当然の如くそこに尻尾は無かった。「どうやらあたしの正体を知ったらしいね」ダイヤは、鏡の中からこちらを見据えてきた。スペースは、尻尾と同じように細く長い舌をチ
五十嵐時 さん作 [363] -
ロストクロニクル7―19 お詫びと訂正
『ロストクロニクル7―19』において、ダイヤが現れた場面ですが、ダイヤはパールの姿をしているので、鏡の中にいるのは四人ではなくパールを除く三人とダイヤとスペースでした。ここでお詫び申し上げます。これからも『ロストクロニクル』をよろしくお願いします。五十嵐時
五十嵐時 さん作 [385] -
ロストクロニクル7―19
「う〜ん、誰かの日記、みたいです」古ぼけた本を手にフラットは呟いた。「日記?あの骸骨の日記なのかしら?」「きっとそうだと思います。その骸骨は子供だったんじゃないですか?」フラットは本からパールに目を移した。「あんまり見てないけど、う〜ん、そうだったような・・・違ったような・・・」パールは首を捻っていたが、フラットは続けた。「この日記の前半部分は普通の日記のように他愛もない内容ですが、後半になるに
五十嵐時 さん作 [391]