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オケピ さんの投稿された作品が12件見つかりました。
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戦国異聞〜鬼と竜〜12
『では、正宗。早速だが、これから俺の教える物を造ってくれ。大した物じゃないが、天下獲りには必要な物だ。あと、伊達軍の軍容を教えてくれ。』正宗は微笑した。 『気がはええな、歳。だが、ますます気に入ったぜ。』歳三も微笑した。 『喧嘩のやり方なら、誰にも負けねえさ。』『そいつは頼もしいぜ。どれ、教えてみな』歳三は懐から紙を取り出し、正宗に渡した。 『なんだぁ?こりゃ?』正宗は驚いた。そこには見た事の無
オケピ さん作 [215] -
戦国異聞〜鬼と竜〜11
『ああ、そうだ。俺達は仲間だ。なんの遠慮も要らねえぜ。つまり、俺様の言った事は、あんたの言った事。逆に、あんたの言った事は俺様の言った事って訳だ。』『まだ会ったばかりの人間をそこまで信用していいのか?』歳三は正宗の顔を凝視した。相変わらず、隻眼の瞳の中には焔が燃えている。『俺様の眼が嘘をついてるか?』正宗は歳三を見据えて言った。両者、動かず、会話も無く、暫くが経った。『有り難く承った。』歳三はき
オケピ さん作 [159] -
戦国異聞〜鬼と竜〜10
『ところで』歳三。 『なんだ?』と正宗。『何故お前は俺に関心を持った?何処の誰かも解らない男の筈だ。それに、お前程の男なら、沢山の家臣が居る筈だろう。何故だ?』歳三は正宗を見据えた。 『使える家臣が居るんなら、とっくに天下を握ってるぜ。俺様はあんたを初めて見たとき、鳥肌がたった。今までそんな男に出合った事はねえ。だから手合せをしてみた。予想通り、真直ぐで義に満ちて、それでいてとんでもなくない激し
オケピ さん作 [168] -
戦国異聞〜鬼と竜〜9
歳三は暫く考え込んだ後に言った 『なるほど、そう言う事か』正宗は笑みを浮かべた。『やっぱりな。あんたなら理解出来ると思ってたぜ。で?』歳三は静かに言った。 『相性。つまりはこう言う事か。上杉の水と真田の氷、氷は水を凍らせる。そして、水は凍りを溶かす事は出来ん。だから上杉は討たれたのか。』『御明察だ』正宗は満足そうに言った。歳三はさらに続けた。 『それならば、今まで真田がお前に手を出さなかった事に
オケピ さん作 [224] -
戦国異聞〜鬼と竜〜8
『その策を立てたのは、誰だ?』歳三は正宗に聞いた。 『北条だ』正宗は苦々しそうに答えた。 『北条か。どうやら、北条と言う男は、よほどの馬鹿か、三流のぺてん師のようだな。』歳三は容赦ない。 『ああ、俺様もそう思うぜ。だがな、そんな策に上杉と前田が乗った。ってのがどうしても信じられねえ。』正宗は疑問を口にした。 『乗ってしまったのは何故か?取り敢えず今はそんな事より、続きを聞かせてくれないか。』と、
オケピ さん作 [259] -
戦国異聞〜鬼と竜〜7
『一月程前に大きな戦があってな』『ほう。』『上杉、前田、北条の連合軍が、慎玄が上洛した後の甲斐の国を治めている真田雪村に合戦を挑んだ。』『真田雪村とはそれほどの相手なのか?』『ああ、化け物だぜ。残念だか奴に勝てるのはいまんとこ慎玄くらいのもんだ』『ふん。』歳三は何故か体中の血がたぎるのを感じた。 そう言う男なのだ。相手が強く、大きい程喧嘩のしがいがある。そう思う男である。 歳三は疑問を口にした。
オケピ さん作 [187] -
戦国異聞〜鬼と竜〜6
『あんたと同じで、信じるか信じないかはあんたの自由だ』『わかっている』『ここは、あんたの知ってる所とはちょっと違う』『だろうな』『今、この国の天下を握ってるのは、武田慎玄って化け物だ』歳三は片方の眉を上げた。想像すらしなかった名前だった。 正宗は続けた。 『慎玄の野郎は京都に居城を構えて、朝廷も滅ぼした。』『朝廷も!?』『ああ、所詮、飾り物だからな。大したことじゃない』『それで?』『慎玄にはほと
オケピ さん作 [240] -
戦国異聞〜鬼と竜〜5
『じじい!客だ!茶を出しな!』正宗は、何食わぬ顔で、庫理に上がり、叫んだ。 『やかましいのう。また戻ってきおったか、このうつけものは。いい加減、正しい言葉遣いを覚えんかい』でてきたのは老坊主。 『うるせえ。この、くたばり損いが。奥の部屋、使うぜ』『駄目と言うだけ、無駄じゃろうが』老坊主はそう言うと、歳三に眼を止めた。 『ほお、そなたもなかなかのうつけものの様じゃ。だが、良い眼をしておる。名をなん
オケピ さん作 [223] -
戦国異聞〜鬼と竜〜4
凄まじい勢いで砂塵が舞い上がる。 正宗の剣から発せられた炎は、龍のように荒れ狂い、波打ち際の海水を瞬時に蒸発させてゆく。 対する歳三、雷神のごとき雷を放ちながら、周囲の松林をなぎ倒す。ひときわ甲高い金属音がした。砂塵はおとなしくなり、炎の龍と雷神の雷もおとなしくなった。 両者、刃を交えたまま、身動ぎ一つしない。正宗が口を開いた 『光栄に思いな。俺様の龍吼炎舞を受け止めやがったのはあんたで二人目だ
オケピ さん作 [217] -
戦国異聞〜鬼と竜〜3
歳三、和泉守兼定二尺八寸 『ほう。いい刀じゃねえか。血の匂いがぷんぷんするぜ。何人斬った?』正宗が笑いながら聞く『知らん』歳三はにべもない。 『けっ。まあいい。俺も抜かせてもらうぜ』正宗、刀を抜いた。 長さ三尺二寸。 歳三は眼を細めた。 『あんたも人の事は言えねえようだ。死霊が纏りついてるぜ』『ふん。お互い、似た者同士のようだな。』二人は見合った。歳三からも正宗からも、恐ろしいまでの剣気がほとば
オケピ さん作 [255]
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