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ヤンキース さんの投稿された作品が4件見つかりました。
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さくら(4)
親父さんは髪の少なくなった頭で考えているようだ。そして親父さんが口を開いた。「毎日家に帰れよ。」「…」僕には何が言いたいかわからなかった。そこで美咲が口を割った。「お父さんいいの?」「ああ、いいぞ。」そう言って親父さんは寝室の方へと向かった。「ありがとうございます!」こんなにあっさりと許可をもらえるなんてと驚いたが親父さんの背中にめいっぱいのお礼を言った。「大ちゃん、よかったね!」美咲が嬉しそう
ヤンキース さん作 [111] -
さくら(3)
そのとき僕は1番きれいめな服を選んで緊張した面持ちで美咲の家へ向かった。美咲の家へ着くと玄関の前で美咲が待っていた。「大ちゃんちょっと緊張しすぎじゃない?」「いや全然、全然。」母ちゃんの部屋から持ってきた派手なハンカチで冷や汗を拭いながら答える僕。「大丈夫だって。お父さん優しいから、一緒に暮らすこときっと許してくれるよ。」美咲は自信満々だ。「親父さん待ってるだろうから早く家に入ろうか。」「うん、
ヤンキース さん作 [100] -
さくら(2)
「大ちゃーん。」美咲が大きな声でブランコに乗っている僕を呼んでいる。今日もまたいつもの公園だ。「どうした?」ブランコを飛び降り美咲の方へ歩み寄る。「このアパートよくない?」「どれどれ…ここは風呂トイレが一緒だからダメや。風呂トイレは別って言ったじゃろ。」「大ちゃんは男のくせに細かいってば。」美咲が顔をふくらませながら言う。こんな顔をしててもやはり美咲はやはり可愛らしい。僕はニヤニヤしながら住宅情
ヤンキース さん作 [100] -
さくら(1)
23時55分。満開を過ぎた桜の下に僕は一人座っていた。春の始まりを告げるような暖かい風が僕の頬にあたっていた。あと5分で4月10日へと変わる。あと5分経てば美咲との4年目の記念日になる………はずだった。1年と少し前。僕と美咲は楽しかった高校生活を終え、晴れて卒業した。美咲は僕の彼女だ。笑顔が太陽並みにまぶしい自慢の彼女だ。僕は美咲が大好きだ。ずっと一緒にいたいと思っていた。そのため美咲の進学先と
ヤンキース さん作 [126]
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