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何者 さんの投稿された作品が69件見つかりました。
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千年楽団
真っ白な壁に覆われた不気味な遺跡の前で、老人は静かに語った。「この遺跡はかつてこの地で暴れ回った山賊“バギン一味”の根城だった…山賊のアジトにしちゃ立派なもんだろ…だがな、バギン一味の名を知るものは誰もいねぇ…なぜなら奴らは…奴らは山賊としての一切の活動をすることなく、この場所で全滅したのさ。」少年は、目を丸くして話に聞き入っていたが、遺跡の奥から何者かが近づいてくるのを感じ取ると、とっさに老人
何者 さん作 [513] -
サム×ライ
「サムは三刀の中で誰が一番強いと思う?」「やっぱり“空斬り”だろー。“空斬りの桜”…憧れるよな…」サムは愛刀“木葉丸”を鞘にしまうと、空を見つめた。「ライは?誰だと思うよ?やっぱり空斬り?」「いや、俺は“死神”だな…」「げ…夜春かよ…ありゃぁ悪魔だぜ…」サムが軽蔑を向けると、ライは愛刀“雲鳴”を前方にかざして、刀身を見つめながら言った。「悪魔だろうがなんだろうが、死神は最強さ…強さの中にに情けは
ガイザ さん作 [421] -
クラウン・ドールズ
「ヤマザキさん…これって…」「トカシの仕業だな…」トカシ…土の中に棲むケモノの一種で、その名の通り特殊な液体で何でも溶かしてしまう…実際、目の前にはトカシの犠牲になった人間が大量に横たわっている。新人の俺が闘うには危険すぎる相手だと思うが…「応援呼んだ方がいいな…スズキとテルでいいだろ、あいつらどうせ暇だし。」スズキさんは、ヤマザキさんが一番信頼している人。いつもダラダラしてるし、あんまり喋らな
マユ さん作 [400] -
クラウン・ドールズ
俺の名はケン。今日からここ、“懐徒”に配属された新人の銃士だ。懐徒とは、地底、天空、海、山、その他すべての自然の中に存在する“ケモノ”というバケモノを退治するための機関で、銃士とは、俺のような銃使いのことである。ちなみに俺の愛銃は、昔、“暴れ馬”と呼ばれた俺の親父から貰った二丁拳銃『バノ&フェイ』。我ながらかなりイカした相棒だ…「ケン!出動だ!ボケっとしてんな!」「へーい。すいやせん…」黒いツヤ
マユ さん作 [383] -
クレイジー・ブルー
減らない少年犯罪と、それを傍観するだけのクズみたいな大人たち。そんなゴミ溜のような汚れた街“ニシハシ”だがここに、そんなゴミ達を一掃すべく、一人の男が立ち上がった。天賀 青人。19歳…澄み渡る空のような青い髪と、幼い表情からは想像もできない奇抜な言動から、人々は彼をこう呼んだ…“クレイジー・ブルー”20XX年-ニシハシ駅-「おっさんよぉ…服が汚れちゃったよ…クリーニング代、二万でいいや…はい、二
摩耶 さん作 [529] -
鬼牛の鳴く島 12
ヴォー…ヴォーという息づかいがだんだん激しくなっていく。どうやらまだ拓海は抵抗しているようだ。井上と三上が牛をどけようと試みたが、牢屋の角に追いつめられた拓海を取り囲んだ三頭の巨体はビクともしない。「くそっ!やめろ!」拓海の声が、かすかに聞こえる。「拓海!大丈夫か!?」「限界…」次の瞬間、ドサッと言う音と同時に、一斉に牛達が身を屈めた。拓海は力つきて床に崩れ落ちたようだ…ピチャピチャと、体を舐め
那須 さん作 [528] -
鬼牛の鳴く島 11
「大丈夫か!?」井上が心配そうに近づく…「大丈夫…だけどなんだよこれ…」「拓海くん…」隅で震えていたかすみと由香が、おそるおそる拓海に近づこうとしたその時。今まで由香達が座っていた場所の壁が、ズズズ…という音と共にせり上がり、真っ暗な“闇”が現れた。「なんだ?」五人が暗闇に目を凝らしていると、その闇の中から、ヴォー…ヴォー…と言う、荒い息づかいのような音と、複数の足音のような物が聞こえ始めた…「
那須 さん作 [432] -
鬼牛の鳴く島 10
その瞬間、牢屋の中はとてつもない恐怖に包まれた。牢屋の中で、なんとか冷静さを取り戻しつつあった三上も、思わず叫んだ。「嘘だろ!!なんで!?なんでこんな…」叫びと共に涙が溢れた。女子二人の絶叫と、三上の叫び、井上の怒鳴り声が入り交じり、狭い牢屋内はまさに地獄と化した。その時だった。今まで黙っていた拓海が、突然、立ち上がった。隠し持っていたナイフで縄を切ったのだ。一瞬の隙をついて牢屋の出口方向に駆け
那須 さん作 [425] -
ハッピーファニー・ボーイズ 2
彼は、街で急に声を掛けてきた。「ボーイ!なんか冴えないなぁ…君。いじめ?虐待?」普通なら無視だ。けど、普段人に話しかけられることのない田中勇二は、こういう奴の対処の仕方を知らない。「え…あの…」「なになにぃ!いじめだべ!?なんか制服汚れてんし。」「はぁ…まぁ…」「ビンゴォ!じゃあ二千円でいいよ!」「は!?」勇二の頭の中で?マークが20個ほどクルクル回っている。「初回割引。」「…なんの?」「だーか
遊馬 さん作 [335] -
ハッピーファニー・ボーイ
龍剛高校、男子トイレでのいつもの光景…「おまえマジムカつくわ…ちくったからって逃げられたと思ったわけ?」金髪のロングヘアーを靡かせながら、武藤がタバコに火をつけた。その隣で、ネズミ顔の山田が前歯を出して笑っている。さらにその奥には、三人の不良がいて、その三人の後ろに、この学校の番長とも言うべき男、黒沢が、興味なさげにタバコをふかしている。「山田ぁ…こいつ、名前なんてぇんだ?」黒沢の低く、かすれた
遊馬 さん作 [333]