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砂波 さんの投稿された作品が3件見つかりました。
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朱い月、白い太陽 3
機械人形が創られたのは、遥か昔。東方のある海に浮かぶ小さな島国だったそうだ。核兵器を持たない、平和主義を掲げたその国が、第三世界大戦に『死なない』兵士として造り出したのが機械人形の始まり。戦闘用として生まれた感情のない兵士たちは、恐怖やモラル、その他の感傷に捕われることなく、壊れるまで闘った。痛みも感情もない彼ら。けれど、その島国が大戦に勝利する訳もなく。敗れたのちその素晴らしい技術力を買われ、
砂波 さん作 [165] -
朱い月、白い太陽 2
ああ…。朱緋様。何故笑わないのです。何故泣かないのです。貴方は人間なのに。『人間』には、いろんな感情があると、あの方が言っていた。けれど貴方は感情を示さない。笑っても、まるで作り物のように冷たい。あの方のように、心の底から、微笑ってない。朱緋様は孤独なのだ、と私を創った創造主は言った。人形のよりも感情がない、哀れな子供なのだと。そう言えば、朱緋様には親族がいない。いるのは機械人形の私と、…『あの
砂波 さん作 [193] -
朱い月、白い太陽
「ふうん。機械人形が俺に意見すんのかよ」くすくす。俺は馬鹿にしたように笑った。目の前には、見目麗しい、生きた人形がいる。名を、 「唖沙羅」。あさら、と読むらしい。女のような名だが、男だ。すらりと伸びた高い背丈、美しい銀髪。蒼い瞳。寒くなるような美しい顔立ち…。人間にはない、完璧な美貌。黒いスーツに身を包んだ、自称俺の護り手。『…いいえ、朱緋(あかひ)さま…。私は、お傍に仕えし人形…。傍を離れては
砂波 さん作 [216]
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