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雲 さんの投稿された作品が6件見つかりました。
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熱帯魚?
桜は俺にとって初めての彼女だった。付き合いはじめてからすぐに、俺の世界は、桜でいっぱいになった。桜が見るもの、触るもの、感じるもの。すべてを独り占めしたくなっていった。異常。そうだな。異常だったかもしれない。桜のポケベルも平気で見たし、持ち物もチェックしていた。好きだから、好きだから、好きだから…その気持ちが俺を狂わせていた。桜は、俺のことを好きじゃなくなったのだろう。高校を卒業し、俺は地元の企
雲 さん作 [106] -
熱帯魚?
智宏とは、2年間付き合った。高校生活の思い出は、桜にとって、智宏一色だった。なのになぜ、あの時智宏と別れてしまったのだろう・・・。智宏は、付き合うにつれて、束縛するようになった。私がクラスの男子と話していただけで、浮気を疑われ…、ポケベルをチェックされた。朝も帰りも、いつも一緒だった。私も、それが幸せだと思ってた。けどだんだんと智宏という存在が、「好き」と思う気持ち以上に「重荷」になってしまった
雲 さん作 [124] -
熱帯魚?
私が智宏を好きになったこと、随分前から彼は気付いていたようだった。よく、目が合ったもの。どんどんどんどん私は智宏を好きになっていった。部活で陸上やってるとこも、友達とバカ笑いしてるとこも、授業中ウトウトしてるとこも、駅のホームで電車を待っているとこも…。好きだった。大好きだった。顔も、声も、指も、性格も、笑顔も、…何もかも。こんなに人を「好きだ」と思うのは、初めてだった。ずっと彼を見続けて一年近
雲 さん作 [84] -
熱帯魚?
智宏は高校に入り、すぐに好きな子ができた。後ろの席の女の子。長野 桜。桜だ。入学式の日、それは智宏にとって衝撃的な出逢いだった。新入生代表で挨拶をしていた桜に、智宏は一目で恋に落ちてしまった。身長145cm。その小さな体から出る声は、ハキハキと、でも透明で。まっさらな桜の声と、おろしたての真っ白な制服。智宏は、桜のことを目で追うようになっていた。半年ほどたったある日、智宏は放課後の教室で、女子た
雲 さん作 [104] -
熱帯魚?
智宏に初めて会ったのは、高校に入学した、10年前の春だった。私の前の席の男子。少し小柄な男の子。女子中あがりの私は、男子が苦手だった。男子と話したことなんてなかったし、それどころか、恋をしたこともまだなかった。周りの友人たちは、恋の話しばかりしてた。「桜は好きな男の子いないの?」そう聞かれて、なんだか「いない」って言うのが恥ずかしいような気がしてしまった。つい、口を出た言葉は…「いるよ」「え〜っ
雲 さん作 [103] -
熱帯魚
朝起きたら・・・飼っていた熱帯魚が死んでた。昨日まであんなに元気だったじゃん。やっぱ、あれ?私の涙が、入っちゃったからかな。智宏に別れを告げた次の日、私が一番お気に入りだった熱帯魚が死んだ。私も、死んだも同然だ。サイテーだよね。あたし。旦那との生活を、捨てる度胸がなかったんだから。だったら最初から、恋なんてしなきゃ良かったのに。恋なんて・・・。
雲 さん作 [149]
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