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かまきり さんの投稿された作品が24件見つかりました。
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竜に捧げる鎮魂歌[2-13]
きょとん、と目を開けたオーリュは、上の方に浮いている金髪の少年を見て自分は仰向けになっていることを知る。「あ・・・・れ・・・?」生きてる?・・・てゆぅか・・・、 「・・・浮いてるっ!!!?」 そう、オーリュの身体は地面から数メートルのところでふわふわ浮いていた。 「大丈夫!?オーリュ!!」フィディルはそう言いながらそんなオーリュの元へゆっくりと下降してくる。 動揺しているような表情の彼は、
かまきり さん作 [230] -
竜に捧げる鎮魂歌[2-12]
魔術は、術者がその種の精霊に呼びかける事で発動する。そして、竜は精霊達にとって絶対の存在。だが、その中でも最強である[光の金竜]、フィディルの言うことを風の精霊は拒絶した。そんなことはあり得ない。(・・・・・!)まさか・・・、フィディルは、はっ、として目を見開いた。 一方のオーリュはまだ落下中であった。改めてこの塔がどんなに高いのかが分かる。(もぅ、ダメだ・・・)しかし今はそれどころではない。
かまきり さん作 [195] -
竜に捧げる鎮魂歌[2-11]
螺旋階段を真ん中まで降りきったときに、異変はおきた。「・・・・ん?」頭に何か粉のようなものが降ってきた気がして、オーリュは足を止める。「どうしたの?」前を飛んでいたフィディルが振り返って首を傾げた。「・・・ぃや、」なんでもない。とオーリュが再び階段を降りはじめたその時、「・・・・っ!!!!!??」まるで塔が、外から横殴りにでもあったかのように ぐゎんっ!! と揺れた。「ぅ、わあぁっ!!!?」まさ
かまきり さん作 [192] -
竜に捧げる鎮魂歌[2-10]
またしてもフィディルの口からものすごいことを聞いてしまったきがして、オーリュは、 「おい!?」どういうことなんだ!? と目で問いかけるが、フィディルは聞こえないフリを決めこんでいる。 「ひみつ ひみつ」そう言って振り返り際に片目を瞑った仕草が、オーリュに「お前本当に男か!?」と思わせるほど可愛いらしい。「・・・お前、本当に何者なんだ・・・」顔をゆがめ
かまきり さん作 [184] -
竜に捧げる鎮魂歌[2-9]
オーリュが寝泊まりしているのは、学院の寮の一つ、北の隅にある高い塔のてっぺんだ。壁にそって螺旋状になっている石の階段の途中には他の部屋への扉もあるが、その塔に現在いるのはオーリュだけである。 高い所はどっちかというと好きだし、1人のほうが楽なのでオーリュはこの塔を気に入っていたがしかし、その階段がおっそろしく長い・・・。螺旋階段のため、真ん中がぽっかりと空いており、地面が遥
かまきり さん作 [194] -
竜に捧げる鎮魂歌[2-8]
きょとん、としたフィディルにオーリュはまた口を開く。「だから、アンナの記憶を『変換』・・・だっけ?してくれて。」「あ・・・・あぁ、うん」ふいをつかれたような顔をしたフィディルを見て、オーリュは、ふっ、と笑った。「・・・・・何?」怪訝な顔をしたフィディルに、さらにオーリュの笑みが深まる。「・・・僕の顔に、何かついてる?」「・・・いゃ?・・・お前、作り笑いよりそっちの表情の方がいぃな、と思って。」「
かまきり さん作 [229] -
竜に捧げる鎮魂歌[2-7]
今気づいたが、背も歳も同じくらいだ。ということはあと4匹の竜は自分より年上なのだろうか?・・・まぁ長生きする竜の年齢なんて外見では分からないが・・・。オーリュはフィディルを振り返った。まだ部屋の外には出ていない。「・・・どこ行くんだ?」「学院。またあの女のひとに怒られるよ?」そう言って今度はフィディルが振り返ってにっこり笑った。「まぁ、・・・そうか」オーリュは頷いてから早足でフィディルより先に部
かまきり さん作 [217] -
竜に捧げる鎮魂歌[2-6]
「お前・・・が?」金の竜?「だって、どう見ても・・・人間・・・」「僕はちょっと『例外』だけど、竜は人間にくらいは変身できるよ。」失礼だね。とフィディルはオーリュに近づき、その赤い瞳をのぞきこむ。「だけど意外だな。もう知ってると思ってたのに。一番[何も知らない]僕から説明をうけるなんて、オーリュも運が悪いね。」「・・・[何も知らない]?」充分普通の人が知らないことを知っていると思うが。「他の竜は多
かまきり さん作 [243] -
竜に捧げる鎮魂歌[2-5]
自分の身近に竜がいたという爆発的な宣言を受けてオーリュは固まった。 しかしフィディルはそんなことにも気にせず続ける。「もぅそろそろ他の竜も修行を終えてここに来るんじゃないかな、君に会いに。僕は・・・3番目かな?」 ・・・まてまて、今、聞き逃してはならない単語があった気がする。竜も修行するの?とか、俺今までにもう2匹の竜に会ったことあるの!?いつの間に!!とか、そんなんじゃなくて・・・。
かまきり さん作 [218] -
竜に捧げる鎮魂歌[2-4]
オーリュは顔をゆがめた。そんな彼を見てフィディルも再びあきれた顔をする。「何でそんな顔するのさ。てゆぅか普通話し聞いてる途中で気付かない?君、自分の顔を鏡で見たことあるの?赤いでしょ、瞳が。見事に両方真っ赤っか!!」「いゃ・・・だから、え?」俺が・・・?世界の成立に必要な、『竜王』?あははー・・・・「・・・ばか言うな。」「・・・言ったつもりはないけど。」フィディルは半眼になってオーリュを見つめた
かまきり さん作 [203]