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京野 さんの投稿された作品が16件見つかりました。
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朝野と夢野──本来の自分──2
もう寝たのか。縞々(しましま)のベッドに潜り込んだ途端にぴくりとも動かない。しばらく様子を見ているとたまにまぶたの裏で目がゴロリと動く。寝たらしい。きっとその眠りのうちで、端から端までの悪いことはかなぐり捨てて、良いことばかりを見ているのだろう。朝野くんが眠るとぼくの意識ははっきりとしてくる。ぼくは、にやけ顔で寝入る朝野くんを横目に、毎日自らに課している仕事に励もう。その仕事は朝野くんの仕事の
京野一芽 さん作 [381] -
朝野と夢野──本来の自分──1
夢野とおれは、性格の面では正反対な人間らしい。あいつは憶病で泣き虫でへたれだけども、おれっていうと何かとその反対を行くからな。だけどもそれぞれの性格の起源なんてものを遡(さかのぼ)ってみると、そもそもは同じところにたどり着くのだ。いまこうして誇張でなくて、日本とブラジルくらいまでその道が隔たっているということは、おれが考えるに、環境の違いがそのまま性格に反映されたんじゃないかと思う。 ぼくらは
京野一芽 さん作 [341] -
屋上で
「だれだ!」 「おれだ」「おまえか!」 「おれだ」「なんだ!」 「なんでも」「ないのか!」 「ない」「すわれよ!」 「すわるか」「どうした!」 「どうしも」「しないのか!」 「しないさ」「彼女は!」 「わかれた」「ふられたか!」 「ふられた」「残念だな!」 「おう」「これから!・・・」 「どうするって?」「そうだそうだ!」 「どうしも」「しないのか!」 「しないさ」「そ
京野一芽 さん作 [604] -
恋した純子、だわいわいな3
凍ったコンクリートふみつけて、あたいは探しにいくわいな。つめたい風をあびながら、あたいは探しにいくわいな。 このかど曲がって、あのかど曲がって、あたいは探しにいくわいな。 そしたらふいに、現れたんだわいわいな。赤い屋根のあのひとだわいな。 あたい、ドキッとしたわいな。いっしゅん隠れたわいわいな。勇んであいさつしたわいな。 いぬころいないの言われたわいな。あたい困ったわいわいな。 放
京野一芽 さん作 [397] -
恋した純子、だわいわいな2
ササミのベッドで寝るんだわいな。いぬころいっしょに寝るんだわいな。 ササミ、ときたま見つけて食べてるわいな。たべろたべろと思うんだわいな。 夢をみるんだわいわいな。トリがでるんだわいわいな。 足どりしずかだわいわいな。赤いトサカだわいわいな。コケコッコーと鳴くんだわいな。悲しい声で鳴くんだわいな。 あたい夢の中では悲しくならない、起きたとき悲しくなるんだわいな。 いぬころ抱きしめる
京野一芽 さん作 [334] -
恋した純子、だわいわいな1
あたい純子だわいわいな。 もうすぐ二十歳になるわいな。 プリティーキュートだわいわいな。 あたい散歩にいくんだわいな。かわいいあたい、見せびらかせにいくんだわいな。 いぬころ連れていくんだわいな。行くひとみんな、見るんだわいな。いぬころ見ずにみるんだわいな。 それからだだーっと帰るあたい、うきうき気分だわいわいな。 いぬころ洗うんだわいわいな。ぴかぴかにするんだわいわいな。濡れた毛ぶるるー
京野一芽 さん作 [370]
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