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萩原実衣さんの投稿された作品が71件見つかりました。
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瑠海とショール?
ショールの物凄いスピードに、目を閉じてしがみついているのが精一杯だった。ショールが一気に浮上した。「ぷあぁ!ショール!殺す気かい?」「クウィ」ショールは、鼻先で僕をつついた。そこは、島の森の中だった。木々が揺れ陽射しを揺らし、海のなかは、見たことがない色んな色をみせてくれていた。「わぁー綺麗だなぁ〜!ショール!僕こんな海見たことないや」ショールは、楽しそうに潜ったり、回転したりして遊んでいた。シ
萩原実衣 さん作 [321] -
瑠海とショール ?
「じっじっちゃん…。今…なっなんて…。」(確かに、母さんて…)じっちゃんは、何を聞いてもしばらく黙ったままだ。そう、じっちゃんと二人暮らしと言ったのは、僕は、両親を知らない。写真もない。だから…急にかあちゃんが現れても困る。しかし、何故、海に。その日定期便は、来ない日だったし、船が入った形跡もない。僕は、ショールのもとに戻った。「ショール!(ピ〜!コツンコツン)ショール!」「クウィ、クウィ!」「
萩原実衣 さん作 [324] -
瑠海とショール
僕の名前は、生島 瑠海 (いくしま るう) 12歳になった。僕の住む所は… 『 なんにもない!』なんて…言う人が多いけど、僕からしたら、宝の山だ!!僕の住んでいるこの島には、約 800人くらいしかいない。それも、ほとんどじっちゃんとばっちゃん。ある人は、老人ホーム島なんていうばかな人間もいるがみんな、家族みたいでとっても楽しい。若い人が少ないこの島では、僕は引っ張りだこ。じっちゃんばっ
萩原実衣 さん作 [395] -
ミルトニア番外編
坂を上った所にあるアンティークな喫茶店には、白髪で蝶ネクタイをした紳士的な装いのマスターがいる。マスターは、朝 喫茶店に来るとまず、通りに面した大きな窓ガラスの掃除を始める。濡れた新聞紙でキレイに磨き上げてから、拭き取る。その窓からは、日々折々の景色が見られる。そう…。一枚の絵画のようだ。次にくまなく店内を掃除する。掃除が終わるといよいよ本業の珈琲の準備。マスターは、何十種類の珈琲をその人の好
萩原実衣 さん作 [379] -
ミルトニア最終回
夕陽がしだいに凛を照らし凛の姿は、シルエットだけになった。 由宇には、凛の姿も表情すらもわからない。ただ…シルエットとチェロの響きだけが由宇に届いていた。マスターが由宇に近寄って来た。「凛ちゃんはねぇ。この瞬間を君に見せたかったんだよ。わかるかい?」そう言うとカプチーノを由宇に差し出し、戻っていった。(この瞬間…?)由宇は、考えた。凛と出会ってから、今までの事を思い出しながら。「…そっかぁ…。
萩原実衣 さん作 [394] -
ミルトニア?
(戻ってしまう…。)由宇は、完全に忘れていた。何日かして、凛がレストランに来た。「いらっしゃいませ」凛はいつものように、窓際の席に座った。「ご注文は?」「由宇君に一番最初に薦めて貰ったメニュー覚えてる?」「あぁ、トマトとスモークチキンのペンネグラタンとチーズのフォカッチャでしょ?」「うん。お願いします」由宇は、注文を受けると凛のもとに食事を運んだ。もちろんグラタンは、右側、フォークやスプーンの位
萩原実衣 さん作 [369] -
ミルトニア?
(命を奪ったって…。)喫茶店の客は、凛と由宇の二人になった。マスターは、CLOSEの札を掛け、隣のテーブルに腰をかけて珈琲を飲みながら話しだした。「凛ちゃん、僕から言ってもいいかい?」凛は、下を向いたまま頷いた。「あれは…3年前。春一番が吹いていて、満開の桜が空を薄桃色に染めるように舞っていたぁ。とっても、美しい景色で、彼は、いつも以上に力説していたなぁ。凛ちゃんは、彼の力説が可笑しくて半分バカ
萩原実衣 さん作 [406] -
ミルトニア?
「えっ!まだって…。オレ、やっぱり、軽い男のままの感じ?」由宇は、自分のやってきた事を悔いた。「ちっ違うの!そうじゃなくて…。時間が…もう少し時間が必要なの」由宇は、少しホッとした。「由宇君。ごめん。もう少し、今のままでいたいんだ。ダメかな?」「ううん。凛ちゃんと会えるなら、ちゃんとオレ自身も見て欲しいし。凛ちゃんなら、外見じゃなくて、俺の中身見てくれると思ってるんだ」由宇は、ちゃんと自分をわか
萩原実衣 さん作 [380] -
ミルトニア?
「今日も美味しかったぁ」凛は、満足そうだった。「凛ちゃん。今日、そろそろバイトあがるから、ちょっとお茶いける?」由宇が誘うと「うん。いいよ」凛は、食事の美味しさに浸りながら答えた。「ごめん。お待たせ。行こうか」二人は、店を出た。由宇は、凛と一緒に歩くのは、初めてだった。凛の杖に時々ぶつかってしまい。由宇は、凛の後ろを歩いた方が良いのか、前が良いのか、迷っていた。凛が足を止めた。(怒ったかなぁ)凛
萩原実衣 さん作 [399] -
ミルトニア?
由宇は、なんで呼び止めたか自分でもわからなかった。「あの〜。凛ちゃんは…チェロ弾いてる時、何思ってるのかなぁ〜と」(何聞いてんだ?)「由宇君が言ってくれた事」「…?」由宇…。「私は、色や景色がわからないの。どんなに細かく説明されても、わからないの。だから…私が感じた風や陽の温かさ、雪の静けさ…私全身で感じた事を音にして伝える事で…みんなと同じ景色が見たいの。」凛は、続けた。「見えない事は、真っ暗
萩原実衣 さん作 [370]