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るー6 さんの投稿された作品が28件見つかりました。
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キャッチボール 第8話
昼食を食べ終わり、「おいしかったです。ごちそうさまでした。」するとお姉さんが、龍吾を睨みつけながら言った。「…ちょっとうるさかっでしょ〜。ごめんなさいね。こんな弟がいて。」僕は首を横に振った。「バーカ。うるさいのもオレのいいところなんだよ。」「あんたのとりえはうるさいのだけよ。」僕は苦笑いして、やりとりを見つめていた。すると、お母さんから、意外なことを言った。「夕食も…食べる?」僕は考える。「よ
るー6 さん作 [207] -
キャッチボール 第7話
急に龍吾の家に行くことになった。「腹減ったろ。なっ。」国道を抜け、コンビニの近くに家はあった。「ここ、オレんち。」木造2階建ての古びた農家。この町ではありきたりな造りの家だった。インターホンを龍吾は押し、扉が開いているのを確認して、「母ちゃん。友達連れてきた。」「はーい。」廊下を歩く音が近づき、龍吾のお母さんが出てきた。「あら。初めて見る子ね。」僕の体が硬直する。緊張するなぁ…。「昨日、友達にな
るー6 さん作 [230] -
キャッチボール 第6話
僕は、薄暗い階段を、歩いていく。その先に、龍吾が待っていると信じて…。結局…ダメだったよ。僕はただ…友情を深めたかっただけなのに…。パシッ。「おっ!みーくん、ナイスキャッチ!」「は、はぁ…。」自分が、まさかこんなにすぐにボールをとれるとは…。「よっしゃ!どこでもいい!投げてこい!」放ったボールは、まっすぐ飛んでいった。「すげぇじゃねえか!」キャッチして、まじまじと僕は見つめた。「楽しいだろ?」「
るー6 さん作 [297] -
キャッチボール 第5話
龍吾は笑って、「仲良くしような!」僕も笑い返して、「うん。」大きくうなずいた。こんなにもうれしい日々が…来るなんて…こんなにも優しい人が…いるなんて…。まさか…死のうと思っていた日が、龍吾のおかげで一瞬で、「死」という文字が消えるなんて…。正直…明日のキャッチボールが楽しみです。というか…待ちきれない。龍吾は…闇をさまよっていた僕に、そっと手を差しのべてくれた、ヒーローのような存在だった。翌朝、
るー6 さん作 [230] -
キャッチボール 第4話
「何があったのか…言ってくれ。オレが少しでも力になれれば…」「…死にた…かった」「えっ?」龍吾は必死に慰めようとする。「死にたかったんだ。」「…そ…そうだったのか。」「で、ここを通った時、野球の…」「野球の?」「バットが…バットが…」「バットが?」「バットの思い出が蘇ったんだ。」涙ながらに過去を話してくれた。「僕の親は…毎日ケンカしていて…特にお父さんは、暴力をふるうんだ…。僕は、その光景を当た
るー6 さん作 [262] -
キャッチボール 第3話
キャッチボール 第3話 僕は、先の見えない階段を、ゆっくりと歩いていく。楽しい思い出を思い出しながら、龍吾が、待っていると信じて。キャッチボールしようと言われたが、僕は、龍吾を気遣った。「疲れているだろうし…今日はいいよ。」「大丈夫。」龍吾は笑っていた。「でも…」僕は戸惑う。「じゃあ明日8時にここな!」「うん。ありがとう。実は僕…キャッチボールしたことなくて…」すると龍吾が、太陽みたいな笑顔で、
るー6 さん作 [247] -
キャッチボール
4月9日。「うし!やっか!」グローブをパンパンと叩き、構える龍吾。「でも…」少年は戸惑う。「大丈夫だって!オレが何とかフォローしてやっからよ!」「…ありがとう」この少年は、キャッチボールをしたことがなかった。「つーかお前…名前何ていうんだよ。」龍吾は近づき、少年に問う。「岬…」「伊達…岬…」「み…さ…き…。女の子みたいな名前だな。まっ、オレはいい名前だと思うけどな。」岬の顔が、少しずつほころんで
るー6 さん作 [331] -
キャッチボール
プロローグ「ありがとうございました!!」大きな返事と共に、野球の練習が終わった。「今日はちょっときつかった。マジ疲れたし。」汗をふく飯岡龍吾。野球部のエースピッチャーとして頑張っている。短めの髪型、普通の体格、だけどバカ。といういたって普通の石田中の二年生である。「じゃ、一緒に帰ろうぜ。」友達から誘われ、龍吾は「おぅ!」と言って、帰ろうとした。その時、「龍吾!体育倉庫のカギ閉めてこい。」顧問の鈴
るー6 さん作 [288]