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フェイさんの投稿された作品が112件見つかりました。
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ギャラクシーラリー72
「そういえば、この峠、北に行った所に超金持ちの家とかあったよな。何か大企業とか政治家の家系でさぁ」金髪のチャラ男が言った。「金持ちなんてロクなもんじゃねぇって!貧乏人から金まきあげて、自分達だけぬくぬくと生きやがって」茶髪の男が言った。大して地元の富豪の情報を知っているわけではないが、桃子の気を引きたい一心で適当な事を並べ立てる。「金持ち超ウゼぇ。ぶっ殺してぇ」そんな声が次々とあがる。「あいつら
フェイ さん作 [410] -
ギャラクシーラリー71
美穂の問いかけに最初に答えたのはシンジだった。「オレはクリーニング屋の三男坊さ」美穂は遼一を見た。「俺は、健康優良不良少年だな。もっとも、もう中年だし、今は健康でもないから、元が付くね。ただの不良中年だ」「分かりました」美穂は素直に引き下がった。「時間がない。ここで一旦別れよう。俺はカンちゃんと二人で、デマを流す。シンジ君は兄さん達と合流して別ルートで噂を広めてくれ。連絡は携帯に頼む」「はい。オ
フェイ さん作 [440] -
ギャラクシーラリー70
「それは…」美穂は言葉を選んで慎重に言った。「科学も、宗教も、哲学も武道も、文学も…とにかくどんな事でも究極の形は同じだ、って事かな」伝わるかな。美穂は心配になってきた。遼一さんの持論が曲解されなきゃいいけど…。「ふうん…持論っていわれた?」「ええと…。うん。これは、あくまで私見だと、前置きされたと思う」「なるほど…。その究極の形は教えてもらった?」「うん。答えはもらった」「当ててみせようか…」
フェイ さん作 [410] -
ギャラクシーラリー69
天才は泣かなかった。泣いているのは、天才の一部分だけで外見的には一瞬、眉を寄せただけだった。「あなたは自殺しようとした事がありますか?」シンジは言った。「うん。あるよ…」遼一は即答した。「今は、レースの事を考えましょう」シンジは遼一を見て言った。「そうやって、物事を分割、独立させて、しかも平行に同時に思考できる…。俺には出来ない芸当だ。君がうらやましい」遼一は目を細めてシンジを見ながら言った。遼
フェイ さん作 [519] -
ギャラクシーラリー68
遼一、美穂、シンジの三人の居るのとは反対側、つまり大勢のギャラリーや参加者が集まっている場所に二人の巨漢がいた。英彦とヒカル、石塚クリーニングのメンバーだ。二人は、フランクフルトソーセージを食べながら話をしていた。「おい…やっぱり俺たち場違いなんじゃないか?」英彦が、うまそうにソーセージを食べながら言った。「うん。シンジの迫力に押されて、エントリーしたのはいいけど…。フェラーリとかいるぜ。それで
フェイ さん作 [467] -
ギャラクシーラリー67
シンジは、美穂にそっと近付き、遼一に聞こえないくらいの声で言った。「彼、いつもあんな風なの?」ぼんやり考え事をしている遼一の方を見ている。「ううん。違う。いつもは、何と言うか…もっとクリア。澱んでない。媚びてない。威張ってない。信念を持って生きているって言うか…。上手く言えないんだけど、こんなにぼんやりしている遼一さんは初めてみた…」遼一の新しい一面をみて、美穂は凄く嬉しかった。彼に一歩近付けた
フェイ さん作 [403] -
ギャラクシーラリー66
ニコキョーショクノケイ?エサ?意味が分からない。美穂は戸惑う。シンジ君と遼一さんは何を話しているの?でも、遼一さんの考えなら、どんな事だって賛成だわ。「エサは金持ちの連中でどうですか?」シンジが言った。「うん…。それしかないな。どうやって仕掛けるかが問題だなぁ。不確定要素が多すぎて、処理しきれないよ。頭がパンクしそうだ。とにかく、情報を整理しよう。チームメイトを紹介してくれないか?シンジ君」「え
フェイ さん作 [386] -
ギャラクシーラリー65
「石川遼一。こちらは、チームメイトのカンノ ミホさん。改めてよろしく」「か、神野美穂です。神棚の神に野原の野、美術の美と稲穂の穂デス…よ、よろしくお願いします」アガリ症の美穂は、ガチガチに緊張して言った。「カンちゃん、突然で悪いけど、俺の独断で彼のチームと共同戦線を張る事にした。君達を無事にゴールさせるのに必要と思ったから。彼と組めば、その確率は飛躍的にアップする」「わ、ワタシは、もう遼一さんに
フェイ さん作 [381] -
ギャラクシーラリー64
「なんか用かい?」遼一が言った。シンジは遼一を改めて観察する。少しも油断していない。さすがオレが見込んだ男だ。ちょっと試してみるか…。「そう構えないで下さいよ。リョウイチさん。身長162cm 体重60kg…。格闘技の経験有り。体重の掛け方みると打撃系ですね。しかも、一撃で仕留めるように八割方、攻撃に意識がいっている。関節技や投げ技はなさそうだ。寸止め空手か…自己流のケンカ術かな?」遼一の体から再
フェイ さん作 [470] -
ギャラクシーラリー63
「そうか…やっぱり…」黒ジャケットの男が溜め息を吐いた。ふふん…。なるほどね。吉原という女は母親の再婚で霊を見るようになったか…。ひょっとしたら、その新しい父親に…。シンジは推理する。「でも、再婚した父親はすごくイイ人だって聞きましたよ。確かに思春期にはストレスかも知れないけど…。家族ができたんだから良かったとも言ってたわ。母親も喜んでたって」「でも、その話を君にした時、母親が再婚したのが嫌だっ
フェイ さん作 [431]