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フェイさんの投稿された作品が112件見つかりました。
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ギャラクシーラリー32
「自分の殻に閉じこもってばかりじゃ、良い事なんて起きないわよ。そういう人に限って、何か良い事ないかなぁ〜とかよく言うのよねぇ。傷付く事、怖がって何もやらないクセに」美穂は耳が痛かった。まさにそれは自分の姿だ。遼一もそうだろうか…。「俺は何事にも、最悪の場合を想定して行動する。そうならないように、選択し、それが一番堅実だと思っていたから」遼一は桃子を見て言う。「今を生きる!とか言いながら、次の日に
フェイ さん作 [387] -
ギャラクシーラリー31
「確かに…」遼一は素直に認めた。急に真顔になった遼一を見て桃子はちょっと引いた。「俺は今までの人生、選択しなきゃいけない場面では、必ず、損をしないと思う方を選んできた」美穂は共感する。自分もそうだからだ。「でも、実際は、損しても、自分のやりたい方を選んだ方がやりがいがあるし、後悔も小さいと思うんだ」遼一は語った。やらずに後悔するよりやって後悔した方が良いと言う事か…。確かに、何故かいつも自分は損
フェイ さん作 [399] -
ギャラクシーラリー30
美穂と遼一は目を見合わせた。「駄目だよ…」遼一がゆっくり言った。「なんでぇ?」よし、話しに乗ってきたわね…。そう思いながら桃子は言った。「危険だからだ」遼一は即答した。「でも一応ちゃんとしたレースなんでしょう?まぁ事故ったら危ないけど」美穂が口を挟む。「いや、そうじゃない。賞金が高すぎる」と遼一。「高いならいいじゃなぁい」桃子が言う。もう立ち直ったのか、くねくねしている。「賞金三億が目当ての連中
フェイ さん作 [403] -
ギャラクシーラリー29
桃子はだんだん腹が立ってきた。なぜ、この男は私の胸を見ない?なぜ、この男は私のお尻を見ない?そんな自分の思考すら見透かされているようだ。何とか興味を持たせたい。特にイケメンでもないし、タイプでもない。オッサンだし。ただし、私に興味を持たないのは許せない。全ての男は私の魅力の虜にならなくてはいけないのだ。何とかしなくては…。プライドが許せない。「ねぇ、ギャラクシーラリーって知ってるぅ?」とにかく、
フェイ さん作 [410] -
ギャラクシーラリー28
30分もしないうちに、美穂は遼一のおよその考え方がわかってきた。それは桃子が質問攻めにしたからだ。遼一はストレートに答える。自分の容姿に興味がなさそうな遼一を見て、桃子はいらだっていた。今までの人生にはない屈辱だった。美穂が得た遼一の情報は、彼は三十七歳で既婚。子供が一人。奥さんは美穂と同い年だという。身体を壊し、会社を辞めたらしい。人生いろいろあるものだ。既婚なのは少し残念だが、遼一の魅力は、
フェイ さん作 [402] -
ギャラクシーラリー27
「ライターもマッチも持っていない。そちらの女性に聞いてみたら?」遼一は、桃子に美穂を見て素っ気なく答える。 「えぇ〜、そうなんだぁ。」くねくねと桃子が近づく。その声にいつもと違う響きを美穂は感じた。自分の魅力に気が付かないのか?とでも言いたげだ。イラついているのかも。遼一は、真っ直ぐな視線で桃子を見据えて言う。「そうだ。」深い声だ。哀しみ、喜び、あらゆる感情を含み、それらを超越した響きだ。威張っ
フェイ さん作 [426] -
ギャラクシーラリー26
結局、美穂はハローワークに行く度に声をかけて来る桃子と数回喫茶店に行くハメになっていた。今日もそのパターンだろうな…。「全然、収穫なしよ…。」ため息混じりに美穂は言って、改めて桃子を見る。今日は一段と色気がある。ハローワークにいた男達の視線を独占していた。…ったく乳デカ過ぎだよ。ちょっとは隠せっての…。仕事じゃなくて、男探してるんじゃない?美穂は心の中で思いながら出口に向かった。出入口に男が一人
フェイ さん作 [405] -
ギャラクシーラリー25
声をかけてきたのは、吉原桃子だった。美穂とは正反対の存在。発達した胸とお尻、それを強調する派手なファッション。舌足らずなしゃべり方…。ほとんどの男は吉原桃子を見ると、目のやり場に困るだろうが必ず振り返って見てしまう。美穂は吉原桃子とはハローワークで知り合った。「ねぇ、火を貸してくれない?」それが美穂が彼女と初対面で言われた言葉だった。タバコを指で挟んでくるくる回しながら桃子は言った。美穂はタバコ
フェイ さん作 [416] -
ギャラクシーラリー24
神野 美穂はコンピュータプログラマ。27歳。彼氏いない歴も同じ。元々人付き合いが苦手だ。だからこの仕事に就いた。あまり他人に干渉されない仕事だと思ったから。しかし…。上司からずっとセクハラを受けていた。何でワタシなの?他にもっときれいな人も若い娘もいるのに…何でよりによって私なの?美穂は自分が思っているより器量が良い。美人の類いに入るだろう。しかし、根っからのネガティブな性格と冴えないファッショ
フェイ さん作 [417] -
ギャラクシーラリー23
必死の思いが実ったのか、何とか就職が決まった。とにかく朝から晩まで働いた。上司の機嫌に付き合い、得意先に頭を下げ、たまの休日は死んだように眠った。これが社会、これが会社。そう思った。だから泣き事は言わない。自分自身にツッパリ続ける遼一は、まだ若かった。両親はこんな思いをして自分を育ててくれたのか。そう思うと涙が出た。四度目の転勤先で、運命的な出会いをした。三十四歳の春だった。遼一は、初めて本気で
フェイ さん作 [402]