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あかり さんの投稿された作品が5件見つかりました。
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ジレンマ?
三井君はいいひとだ。実は私は彼と幼稚園の頃から幼馴染みだったりする。 小学生の頃、私たちはよく一緒に出かけた。彼は冬には私の手を引いて根気よくローラスケートを教えてくれたし、夏には地元のお祭りの露店で買ったきれいな色のスーパーボールをくれた。三井君は私の中で特別だった。 「朱希、しょうちゃんが来てるわよ」 だから二ヶ月前に突然三井君が五年ぶりに私の家に来たときには驚いた。母は未だに三井君をしょ
あかり さん作 [167] -
ジレンマ
つくづく気が多い女だなと自分でも最近の自分が嫌になる。先月好きだったのは部活の河井先輩で、今月好きなのはクラスメイトの浅木君。その前は、ロバートだったか宮内先生だったかはもう忘れた。きっとすぐに私は別の人を好きになる。 近頃、千佳は私の話を聞いてくれなくなった。あまりに惚れっぽい私に呆れた様子だ。中学校以来友人歴五年の千佳でも絶対に私の心は理解できない。 千佳はもともと恋愛にあまり興味がなかっ
あかり さん作 [188] -
絵空事?
―三井直樹が死んだのだ。三井は高校の同級生だった、数学研究部兼化学部部長、かちかちの理系かと思いきや彼は法学部志望の文系少年。彼は事ある毎に私に向かって「おまえ人間じゃないだろ?」と唱えていた。その頃の私は小学生のような見た目で頭脳はバッチリ高校生だったから学校では浮いた存在だった。「あんたの頭が化け物よ。」理系だった私よりも文系のくせに理系教科ができる三井を私は妬んでいた。「誉め言葉じゃないの
あかり さん作 [144] -
絵空事?
真夜中の公園のブランコはギイギイと音を立てる。「いっちゃったよ」幸子は空を見ていた。「タイムイズアロー」自然に出た私の英語に幸江は眉を潜めたがなにも言わずポカリを手渡した。一般に言われる老化現象が普通の人より極端に遅い私の外見は実年齢の約三分の一ぐらいに見える。こんな面して実はもう五十歳だなんて誰も信じてくれやしない。ただ現実を間の当たりにした友人たち、例えば幸子はその事実を否定することができな
あかり さん作 [175] -
リフレクト
雨が降ると頭が痛くなる。けど雨が窓ガラスに当たる様子を見ているときの倦怠感が好きだ。麻実子は我が強くて無神経だ。そして困難に出会うと直ぐにうじうじする。私はそんな麻実子が嫌いでならない。常に彼女の一挙一動に苛々させられている。でも持ち前の無神経さで彼女はそれに気付かない。うじうじしているときの麻実子は実に汐らしく女性的だ。普段けたたましい笑い声をあげている時とのギャップに男はころっと騙される。「
あかり さん作 [236]
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