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稲村コウ さんの投稿された作品が138件見つかりました。

 
  • ほんの小さな私事(127)

    「因みに、この学校では、秘密裏に、そういった能力者を育てているのさ。その機関が、『ゴーストハンター育成委員会』っていうので、略して『GH会』って呼ばれてるのさ。この委員会は、なんと言うか…裏の生徒会みたいなもんかな?それを知っている面々だけが、その会に所属して、専属の教育者が、それぞれの能力を伸ばす手助けをしたり、実際に起こる霊的な事件の対処をする、とかね。そこにいる櫻井も、GH会に所属してる一
    稲村コウ さん作 [361]
  • ほんの小さな私事(126)

    「悪霊とか妖怪とかは、普通、一般的には人の目には写らないもの。そういった存在が悪さをして、事故が起こったり、事件になったりする訳。この間から起こってた校舎北側の廊下であった犬といたちの死骸についても多分、さっきの悪鬼テングが絡んでたんだと思う。」「じゃあ、あの時に…その、テング…というのが、山下さんに取り憑いた…?」香取君がそう言うと、なつきさんは、腕組みをして、ふーむと言いながら答えた。「なる
    稲村コウ さん作 [347]
  • ほんの小さな私事(125)

    暫くして、なつきさんが保健室に戻ってきた。外の様子を見渡して確認したあと、彼女は、入り口のドアを閉め、鍵を掛けた。そして、フーッと溜め息を吐いたあと、椅子に腰掛け、私たちを見渡しながら言った。「いやはや…大変な事に巻き込まれて災難だったねぇ。でも、みんな無事で良かったよ。」「もう、何がなんだか…。カズちゃんは無事に見つかったからいいんだけど…変な事が起こりまくるし、喋る猫がいたりとか、ワケわかん
    稲村コウ さん作 [374]
  • ほんの小さな私事(124)

    なつきさんに言われた通り、私たちは、散らかっている部屋をそのままに、保健室へと移動する事にした。私は、気の放出のし過ぎで、体から力が抜けてしまっていた為、高野さんの肩を借りて歩いた。いつのまにか外は晴れていたので、私たちは、一度一階に降りてから、校舎へと移動していく。途中、図書館の事務室から、なつきさんが喋る声が聞こえてきたが、まだ、催眠による記憶の刷り込みをしているのだろうか?多少気にはなった
    稲村コウ さん作 [365]
  • ほんの小さな私事(123)

    「一体、何があったんですか?窓ガラスにヒビが入っているし、中は中でこの有り様で…。」そう言って部屋の中に入ってきたのは、林さんだった。もしかしたら、この部屋が騒がしくなっていたのに気づいて、こちらに様子を見に来たのだろう。「あー…いやー…。これは…何と言うか…。ははっ。まあともかく、これを見てください。」辺りを怪訝そうに見渡す林さんに、なつきさんが苦笑いをしながら近づき、ポケットから何やら棒状の
    稲村コウ さん作 [342]
  • ほんの小さな私事(122)

    青色の靄が消えてゆくのを山下さんは判っていたのだろう。山下さんは、まるで、消えゆく青色の靄を抱き締めるが如く、両手を胸にもってきて、涙声で「ありがとう、ごめんね…。」と呟いた。暫くして、山下さんの足元に、何やら小さな生き物か近づいてきて、小さな声で鳴きながら、彼女の足にすり寄ってきた。それがどんな生き物かは、暗くて良くわからなかったが、どうやらそれが、先ほど山下さんが言っていた、子供たちなのだと
    稲村コウ さん作 [355]
  • ほんの小さな私事(121)

    山下さんは、香取君に支えられた状態で、部屋の入り口の所までやってきて、部屋の奥に向けて手を伸ばした。部屋の奥には、山下さんに取り憑いていた青色の靄がゆらゆらと揺れて漂っていた。「その子は、あたしが何かに体の自由を奪われていた時、その間に入って、私を守ってくれていたの。そしてそこにいる、その子の子供たちを守っていたんだけど…だんだんと力をなくしていって…。そんな時に、あたしは、自分が少し、体の自由
    稲村コウ さん作 [330]
  • ほんの小さな私事(120)

    『ほう。そこの娘も己が声を聞く事が出来るのか。』「いや…この子は多分、沙羅を通じて声を聞いているんだろう。この子からはそういった波長は感じられないからね。」なつきさんがそう言いつつ指差したのは、私を心配して手を握っている、高野さんの手だった。多分、ここから、私を介して、黒猫の脳裏に響いてくる声が、高野さんにも伝わっているという事なのだろうか?「まあ、なんにしても、色々と説明しないとならないのはあ
    稲村コウ さん作 [314]
  • ほんの小さな私事(119)

    「しかし…まさか、こんなのをあんたたちが相手してたなんて信じられないよ…。何はともあれ、間に合って良かった。」なつきさんは、フゥと息を吐いたあと、私のもとにやってきてそう言った。その横には、私に語りかけてきた黒猫が、なつきさんの近くに寄ってきていた。『退魔師としては稀代の能力を秘めているようだが、まだまた力の操り方がなっておらんようだ。あのように余分な力を放出して疲労で倒れるなど、青いにも程があ
    稲村コウ さん作 [320]
  • ほんの小さな私事(118)

    私が放った箒で、赤色の靄は暫し、動きを鈍らせた。しかし、一度散り散りになった断片が、徐々に集まってくると、また一つの塊となって、再び動き始めた。『まずいぞ…。今の一撃でヤツの力が弱まったが、また誰かに取り憑くつもりだ。』そうは言われても、私は力を出しきってしまい、今はまともに動く事が出来ない。何とか香取君は、山下さんを連れて外に出ていたが、櫻井君は、手にした計器を見ながら、ポケットをあちらこちら
    稲村コウ さん作 [351]
 
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