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稲村コウ さんの投稿された作品が138件見つかりました。

 
  • ほんの小さな私事(57)

    私は、その手に取った古い本と、他に、この地域の明治ぐらいからの歴史を纏めてある本を手に取り、高野さんが言っていた机に向かった。高野さんはまだ、何処かで本を探しているのだろうか?机には他に誰も居なかった。私は席に腰掛け、先ずは歴史について書いてある本を開き、読み始めた。この地域は、戦時中、都会から疎開してやってきた人たちが多数居て、そういう人たちが、この地域を活性させてきたという感じらしい。また、
    稲村コウ さん作 [346]
  • ほんの小さな私事(56)

    地域資料コーナーは、カテゴリーの最初の位置になっていて、館内の端の辺りの本棚がコーナーとなっていた。一応、ある程度の本や、過去の卒業アルバムなどが並んでいたが、ここを利用する人は少ないのだろう。この場所は、他の場所に比べて薄暗くなっていた。勿論、この場所にも照明は設置されているのだが、今は電気がついていない。照明のスイッチを探してみたが、それらしいスイッチは見当たらなかった。それでも、本棚を眺め
    稲村コウ さん作 [337]
  • ほんの小さな私事(55)

    「牧野さんが一年B組の図書委員になったのね。仕事はそんなに大変じゃないけど、何かあった時にはお願いしちゃうかも?何はともあれ、今後、宜しくね。」山下さんと会話している間に、林さんが窓口までやってきてそう言った。私はそれに対して「はい、何かあった時には気軽に何でも申し付けてください。」と答えた。「それじゃ、私たちは本見にいってくるね。」「うん。あたしはまた、処理続けちゃう。」そんなこんなで私たちは
    稲村コウ さん作 [346]
  • ほんの小さな私事(54)

    図書館に到着すると、私たちは先ず、入り口にある受け付け口を覗いた。事務室の中では、パソコンの前に座って伝票処理している林さんの姿と、その横で、何かの帳簿を開き、図書カードを見ながら色々とその帳簿に書き込む作業をしている山下さんの姿があった。「やっほ!今取り込み中?」高野さんが軽い挨拶をすると、それに山下さんが反応した。「あ…ううん、大丈夫。取り敢えず、暇な間にやっておける事やっておこうと思って、
    稲村コウ さん作 [365]
  • ほんの小さな私事(53)

    午前の授業が終わり、昼食を終えた後、私は高野さんと一緒に図書館へと向かっていた。「ホント良かった〜。沙羅ちゃんが図書委員引き受けてくれて。ホントならクラスで男女一人ずつなんだけど、男子が誰もやらたがらなくってねー。困ってたのよ。」そう。高野さんが言う様に、私は、クラスの図書委員の空きがあるという事で、図書委員になる事にしたのだ。今後、かなりの頻度で図書館を使う事になるのは判っていることだし、それ
    稲村コウ さん作 [355]
  • ほんの小さな私事(52)

    「鎌鼬ねぇ…。昨日は特に風とか吹いてなかったけどな。」私たちが喋っていると、先ほど高野さんと喋っていた男子…河原君が側にやってきてそう言った。先ほどの会話から推測すると、河原君と稲葉君は、共に野球部に所属しているのだろう。「あら。風が吹いてなくても、なにか不意にそういった現象が起こるとか、そういう事もあったりするかも知れないわよ?…まあ、あくまで推測の域だから、何とも言えないけど。」「まあ、俺も
    稲村コウ さん作 [348]
  • ほんの小さな私事(51)

    朝のホームルームが終わった後、改めて高野さんが私に話し掛けてきた。「さっきの続きだけど、野球部の稲葉が怪我したって話、私、何か変だと思うのよね…。ほら、昨日、カズちゃんのスカートが切れたのも、回りに特に何も無い状況での事だったし。さっき、同じ野球部の矢萩っちから話を聞いたんだけど、稲葉が怪我した時も、回りに何も無い状況だったんだって。これって何か繋がりがありそうよね…。」確かに、先ほどの話を聞い
    稲村コウ さん作 [317]
  • ほんの小さな私事(50)

    高野さん達が、そう話し込んでいると、教室のスピーカーからチャイムが鳴り響いた。と、同時に、扉から瀧口先生が入ってきて、教壇を竹刀で一叩きして声を張り上げた。「おまえら、席に戻れ!」その鶴の一声で、席から離れていた皆が、各々の席へと戻っていった。続けて、日直の前田君の号令で朝の挨拶と、教訓一読をする。そしてその後、瀧口先生が、喋り始めた。「もう、知っている者も居るとは思うが、昨日の放課後、稲葉が怪
    稲村コウ さん作 [325]
  • ほんの小さな私事(49)

    教室には、ホームルームが始まる五分前に着いた。まだ皆それぞれ席から離れて喋っていたりしている。私は、すれ違うルームメイトに挨拶をしながら、自分の席へと向かった。隣の席の高野さんは、少し離れた所の男子の席のところで、何やら色々と話をしているようだった。私は、教科書などを机の引き出しにしまいつつ、高野さんたちの話に耳を傾けた。「俺も直接見てた訳じゃないからよくわかんないんだけど、なんか鋭い刃物で切ら
    稲村コウ さん作 [336]
  • ほんの小さな私事(48)

    話を聞いていると、確かに不安は感じる。だからと言って私は、自分の決めた事を曲げるつもりもない。「呪いが本当かどうかは判りませんが、私は何があろうとも、この部でやっていこうと思っています。ですから山崎さん。今後ともよろしくお願いいたします。」私がそう言うと、山崎さんは、笑顔に戻り言った。「いい目をしとる。お前さんならきっと、呪いに打ち勝つ事ができるじゃろうて。いや、まあ…呪いなんぞ、単なる噂に過ぎ
    稲村コウ さん作 [356]
 
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