携帯小説!(PC版)

トップページ >> 沢村エイジ さんの一覧

沢村エイジ さんの投稿された作品が11件見つかりました。

  • 1
  • 2
 
  • ミットに向かって―11―

    「武司。コイツちょっとかりてくぞ」そう言うと、俺の腕を掴んで引っ張っていった。グラウンドから少し離れた草原に着き、先輩が話し始めた。「マウンドから投げてないんだってな」武司が何か言ったのかと光は武司の顔を思い浮べて睨んだ。「どうしたんだよ?まだ責任感じてんのか?」「皆・・・睨んでました。最後のミーティングの直前、僕が謝った時です」「・・・・・」「みんな口に出さないだけで・・・本当は」「そうかも知
    沢村エイジ さん作 [603]
  • ミットに向かって―10―

    「今日はすいませんでした!先輩達の3年間を・・・僕が・・」「あぁ、もういいよ。気にするな」口ではそう言っても、皆の目は冷たかった。一人がこの集団から離れると、一人、また一人と集団が集団ではなくなっていった。最後に残ったのは光だけだった。鈴木監督の最後のミーティングが終わった。3年生は皆泣いているし、2年生にも泣いてるやつがいた。監督の話がよほど感動的だったのだろう。しかし、光は話の内容を全く覚え
    沢村エイジ さん作 [630]
  • ミットに向かって-9-

    大きな弧を描いてスタンドに入ったボールは、刻士舘には歓喜を、昂南には絶望を与えていった。光は次のバッターを押さえたが、昂南が点を取ることは出来なかった。光は誰とも顔を合わせずに球場を出た。皆の視線が痛かった。早く責任から逃げ出したかった。「おい待てよ、光!これからミーティングが始まるぞ」後ろから武司に呼ばれても返事をせず、背を向けたままだ。「誰もお前の事を責めちゃいないぜ?無駄に責任感じるなよ」
    沢村エイジ さん作 [668]
  • ミットに向かって-8-

    バッターが地面をならして足場を作り、バットの先を光に向けてから構える。"ストレート"サインを見て頷く。ボールはワンバウンドしてしまったが、武司が身体で止めた。武司が少し強い球で返球する。"内角にカーブ。ビビらしてやろう"サインを見て光は少し不安になった。今までもカーブを何度か使っていたが、落差にムラがあり、度々外野まで運ばれていたからだった。光は少し大きなフォームで球を投げる。球は曲がる事なくバ
    沢村エイジ さん作 [665]
  • ミットに向かって-7-

    先発の真野先輩は初回から全力投球をして、刻士舘打線を押さえている。初回から全力投球などをしたら、大抵のピッチャーは5回、6回で投げられなくなってしまう。真野先輩も例外ではない。しかし、今の昂南には心強いピッチャーがもう一人いた。今年の大会から飛び入り参加した光だ。真野先輩は"たとえ自分が投げられなくなっても、光が投げきってくれる"そんな思いを胸に投げていた。回は進み6回、刻士舘高校の攻撃。いまだ
    沢村エイジ さん作 [672]
  • ミットに向かって-6-

    シュッ・・・パシッ。シュッ・・・パシッ。「ナイスボール!よし、初日にしては上々だろ」野球部の練習が終わってから一時間がたっていた。もう、ボールもほとんど見えない。「えー!もう少し投げようぜ?」「俺を殺す気か。もうボールが見えないんだよ」不貞腐れたような顔をしてる光をなだめながら武司は家に向かった。光も後からついてくる。翌日は別メニューをこなす光の姿は無く、ブルペンで武司を相手にずっと投げ続けてい
    沢村エイジ さん作 [668]
  • ミットに向かって-5-

    試合の翌日から、一人で別メニューをこなしている光の姿があった。別メニューと言っても肩が強い光は投げ込みはせず、ひたすら走り込みだった。「来週から夏の甲子園予選大会が始まる。3年生にとっては最後の大会だ。気を引き締めていけ!!」練習を終え、監督が皆に伝える。それから大会の当日まで3年は死に物狂いで練習をこなした。もちろん光もだ。そして大会が始まった。真野先輩が復帰するのは2回戦からだ。真野先輩のた
    沢村エイジ さん作 [668]
  • ミットに向かって-4-

    「神山がピッチャー!?」ベンチにいる誰もが驚きの声を上げた。「なぜ神山をピッチャーに?」平田コーチが鈴木監督に問い質した。「神山は肩が強いですし、毎日私らに隠れてピッチングをやってますから。試してみても良いと思いまして」鈴木監督は怒りを押し殺して言った。「プレイ!!」主審がそう告げると、神山はマウンドで深呼吸をする。ノーアウト、ランナー満塁0対6。神山はセットポジションから足を上げ、背中と腕を鞭
    沢村エイジ さん作 [625]
  • ミットに向かって-3-

    先発は3年の藤沢先輩。守備はキャッチャーを武司が守っているが、そこ以外は全て3年が守っている。藤沢先輩は9イニング投げ切ったが、結局1対2で負けてしまった。「おい!次の試合は2年生主体のチームで戦う。相手も2年生主体だ!急いで準備しろ!!」どんよりとした空気の中を鈴木監督の支持が飛ぶ。本名、鈴木 勲(スズキ イサオ)。鈴木監督は現役時代、プロ入りも噂される程の投手だったが、ドラフト直前で肩を壊し
    沢村エイジ さん作 [640]
  • ミットに向かって-2-

    練習試合の朝。少し早い時間に家をでた光は玄関横に置いてある自転車にまたがり、大きな欠伸をしてからこぎだした。昂南高校は光の家から自転車で10分くらいのところにある。欠伸をしながら涙を拭くと、目の前に見覚えのある奴が歩いていた。「よっ!武司」自転車に乗りながら背中を軽く叩く。「今日も一段とうるさいな」武司は顔を向けず、目だけで光をとらえる。「そんな事、言うなって!一緒に行こうぜ?」それからしょうも
    沢村エイジ さん作 [654]
  • 1
  • 2
 
サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス