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ちる さんの投稿された作品が22件見つかりました。
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柔肌
与謝野晶子のように上品な言葉で熱い想いを伝えたい街角にも一人きりの布団の中にも画面の向こうにもそれは落ちていないよと教えてあげたいフリスクを口いっぱいに入れてた私を思い出して笑ってくれればいいいつまでたっても道を覚えない私をしょうがないやつと呆れてくれればいい君が探しているものは私しか持っていないんだとわかってくれればいい
ちる さん作 [235] -
未来
今日の夕方の風はあのときの風に似ていた君の背丈の向こうにサンバのパレードと芸人のギャグと強い西日があった夏のような日だったのに、おごってくれたアイスを食べたあとは寒かったもっと暑い季節が来て汗と埃にまみれた私になってもここにいてくれるだろうかもっと寒い季節が来て服を着たままの私になってもそばで笑っててくれるだろうか
ちる さん作 [262] -
秋葉原
君に会えるその日までは画面の向こうに暮らすあの子が僕のすべて君があの子に似てるんじゃなく、あの子が君に似ているんだあの子が君に似ていなかったら目を奪われたりはしなかったはずだ君を好きでなかったら心を奪われたりはしなかったはずだ君とあの子、早く忘れるのはどっちだろう
ちる さん作 [396] -
七文字
ゆうべ何度もリハーサルした言葉たちが君の笑顔に出会って背後に隠れた真っ白な仕草の前であまりにもシミだらけの己を恥じて無意識に触れる指先、二人で飲む一つのお茶、チャンスはそこかしこに転がっている君が帰りの電車を気にしだすころ、言葉たちは私をせかすそのたった七文字を言えばいいんだ
ちる さん作 [289] -
想い
愛してる、信じてる、分かってる君と一緒にいるのがこんなにも心安らかなのは、そんな面倒な感情が必要ないから過去も未来も、今好きというだけですべて許されるいつまで続く想いなのかは分からないいし、約束もしないでも、今という破片をつなげていくことが生きることだというのは、間違いなく君が教えてくれた
ちる さん作 [282] -
泣かない
泣けば何でも許されると思ってるやつだと言われるのがシャクだから泣かない風呂場で泣いてもベッドで泣いても翌日まで引きずるのがいやだから泣かない映画や小説で感動してもありのままの自分を出す勇気がないから泣かないこの先いやでも本当に泣かなければならない時が来ると知っているから泣かないそんな自分を愛してくれる人とならば、どこまで堕ちてもかまわない
ちる さん作 [260] -
足
お前どうやって帰るんだよと言われた同窓会幼なじみなのに、ずっと会いたかったのに、やっとかけてくれた言葉がそれ?しかもあのころとちっとも変わらない口調でもっと酔っていれば、帰る足がないと言えば、送ってくれたのだろうか私をさしおいて結婚してしまうのに
ちる さん作 [293] -
場外観察
無邪気でいいなあと、仲間とはしゃぐ君を見るたびに思うイイ大人なのにプロレスごっこなんかができちゃう天真爛漫さとかオレイケてるだろって言うその図々しさとかだけど知ってるよ二人きりのときはすごく優しいことも、時々一人で泣いてることも
ちる さん作 [262] -
似てる
生意気な目をして世間をナメているくせに可愛い猫を見ると立ち止まるところエラそうなことを言うわりには推理小説の結末を当てるのが下手なところ一度死のうとしたことがある、というのを殺し文句にしてるところ君に似ているところは探せばいくらだってあるけど、一つだけ違うところがある男であり、女であること
ちる さん作 [296] -
Mへ
捨てるに捨てられないもの高かったのに無理して買ったお揃いの指輪君の影響で好きになったGAPのTシャツとMISIAのアルバムいつか食べさせてあげようと思ってたクラムチャウダーのレシピ二度と帰らない思い出ほど一人で作れないものばかりなのはなぜだろう
ちる さん作 [284]