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N さんの投稿された作品が12件見つかりました。

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  • 冥界王子12

    「王子…?」「由香…だったな?俺に逢いたかっただろうから来てやったぞ。」由香は目を丸くした。まあ…もう一度逢いたいとは思っていたけど、すごい自信だ。由香の驚いた様子を楽しみながら、王子はショウケースに並ぶ和菓子を指さした。「これと、これ…。それからこの赤いやつ。」「え…?」由香が状況を呑み込めずにいると、王子の傍にいたリュクスが説明した。「コホン、王子はここにあるお菓子をご所望です。由香…さんも
    N さん作 [163]
  • 冥界王子11

    由香の体中が熱くなった。一気に熱が上がったような感覚に由香はクラクラする。「んー、お前やっぱり、匂う…。」王子の声が由香の耳元でいたずらっぽく響いた。「…香、由香!大丈夫?何やってんの!?こんなところで。」心配そうに由香の肩を揺さぶるクラスメートの姿に由香はようやく我に帰る。「あ…ここは?」やはり夢だったのだろうか?どうやら、由香は更衣室前のベンチで少しの間眠っていたようだった。「行くよ、由香。
    N さん作 [176]
  • 冥界王子10

    王子は朝の光が眩しく降り注ぐ校庭の中心に立った。由香とリュクスは王子から少し離れた場所でそれを見ていた。王子の足下には粉々に割れた鏡の破片が一まとめにされていた。まもなく、校庭の中心にゆるい風が巻き起こった。王子の銀の髪が空に向かって舞い上がる。王子の周りに吹く風に乗って鏡のカケラが輝く光の帯となって宙に舞い、王子の周りで螺旋を描いた。…ゆっくりと、光の帯は昇り、そして空へ吸い込まれて行く。由香
    N さん作 [204]
  • 冥界王子9

    「嫌だね。」王子は言った。「鏡の中を選んだのは、あの娘だ。お前の勝手な考えで例外はつくれないね。言っただろう?一度死ねば、やり直しはきかないと。」「…彩にやり直しがきかないなら、あたしには無理なの?彩をこの世に戻せなくても、少しでも彩の為に何かしたい!」「王子。聞く事はありません。ヒトのエゴにすぎません。」リュクスの言葉が終わらないうちに王子がクスッと魅惑的な笑みを浮かべた。「あの娘の望み通り、
    N さん作 [214]
  • 冥界王子8

    「俺?…… 俺は…リュクスだ。」「…リュクス…さん?」 「…王子、私の名を語るのはおやめ下さい。」初めて聞く声に由香が振り返ると、教室の窓辺にいつの間にか誰かがいる。長髪の女性…?それは正確には男性なのだが女性にも見える繊細な顔立ちが由香を混乱させる。「…リュクス、居たのか。」「居たのか、ではありません。王子!冥界にそろそろお戻りになりませんと…!」冥界!?王子?由香は訳がわからなくなった。も
    N さん作 [241]
  • 冥界王子7

    「彩は、あたしがきっと憎いよ」「憎いとは思っていないよ。」銀髪の青年は言った。「お前だったら、憎いと思ったり、嫌いな相手を側に引き寄せたりしないだろう?」「自分でこの世を去った人間は、この世から離れられなくなって何かに依存し続ける。あの娘はあの鏡だった」「お前を鏡に引き込もうとしたのは一緒に居たかったからじゃないのか?」「彩はまだ鏡にいるの?」「一度、自分で命を絶てばやり直しはきかない。この世か
    N さん作 [199]
  • 冥界王子6

    「あの…助けてもらって…ありがとうございます。」由香の体は更衣室で起こった出来事のせいか、まだ小刻みに震えていた。誰もいない教室。窓から入る朝の日射しが銀色の青年をやさしく照らしている。不思議と由香は、まだ1度しか逢ったことのないこの青年に、彩との思い出を話していた。彩と高校に入って知り合った事。同じ陸上部にいた事。そして、彩がクラスメートのいじめを苦に学校の屋上から飛び降りた事…。「彩は…ただ
    N さん作 [232]
  • 冥界王子5

    由香が振り返ると鏡の向こうにもう一人の自分が鏡の前でうつ伏せに倒れているのが見えた。あたし…死ぬの?いや…!由香は首を振った。「彩、あたし…死にたくない!!」その時、由香の身体がグイッと鏡の外に引き戻された。振り返った由香が見たのはあの雨の朝に見た美しい銀髪だった。「あ…なた、え…?どうして?」由香が状況を把握できないでオロオロしていると銀髪の青年は休む間もなく、更衣室内にあった椅子を振り上げて
    N さん作 [219]
  • 冥界王子4

    「気にしすぎ…だよね。」由香は陸上部の朝練の為に早めに家を出た。朝のひっそりした住宅街に朝靄が立ち込めて白く霞んでいる。学校に着くと他の部員の姿はまだ見当たらなかった。更衣室で着替えて鏡を覗いた由香は驚愕する。そこに彩がいた。あの匂いが強くなる。かすかだった匂いは、今はっきり存在を現していた。花の香りに似ているようで、水の中に棲む生物のような匂い…。その強い匂いに由香の意識が宙に浮かぶように揺れ
    N さん作 [222]
  • 冥界王子3

    人の世界に気まぐれに降りた冥界のプリンスは実に甘党だった。チョコレートがたっぷりかかったフルーツパフェに、きいちごのソースのクレープ、モンブランにミルフィーユ…目の前にずらっと並んだそれらのスイーツに甘い物が苦手なリュクスは「うっ」と声を上げる。「リュクス、お前も食べないのか?」「王子…、わたしは結構です。」「そういえば、面白い匂いを持つ娘に遭った。お前…気付かなかったか?」「面白い匂いですか?
    N さん作 [202]
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