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ユーリ さんの投稿された作品が50件見つかりました。

 
  • 眠れぬ夜は君のせい〜38〜

    佑典からの最後の電話から2年が過ぎた。時々だけど…あの時の事を思うと胸が苦しくて、息がうまく出来なくなる。もしかしたら、佑典との出会いは夢だったのかもしれない…。。『久美子!』名前を呼ばれてハッと我にかえる。『お待たせ、じゃあ行こうか』『うん。』今のキモチ…悟られたくないな。『なんかお母さんが好きなモノ買って行くわ。何がいい?』『そっか…じゃあ、アグネスのケーキ買ってくか?』アグネスホテルの前で
    ユーリ さん作 [303]
  • 眠れぬ夜は君のせい〜37〜

    『佑典くん!どこに、今どこに居てるん?』『ごめんな、くみちゃん…俺、携帯壊してしもて、今公衆電話やねんか。』佑典の声を聞いたら、涙が溢れてきた。いろんなキモチが頭の中から心の中から噴き出した。『佑典くん、大丈夫?私今あなたのそばに居てるよ。』『…嘘ついて強がらないで。今どこ?すぐ会いに行くから!』佑典は優しい声で私に諭すように言った。『なんも心配する事ない。俺は大丈夫。』嘘つかないで。大丈夫なん
    ユーリ さん作 [316]
  • 眠れぬ夜は君のせい〜36〜

    健太がもう一度言った。『俺の傍で…俺の傍で居って下さい。』涙を拭き左手を前に出し言った。『健太は私の大切な後輩。それ以上も以下もない。…今すぐ車から降りて。出ていって。』『先輩…俺はそれ以上です。ずっとずっと、先輩の事が好き…』『出ていって!今日の事は忘れるから…出ていって。』健太の言葉を遮って言った。健太は助手席のドアを閉め出ていった。アクセルを踏み込むとまた涙が出てきた。佑典…。会いたい。高
    ユーリ さん作 [344]
  • 眠れぬ夜は君のせい〜35〜

    佑典を助けたい。〔京都へ行こう。〕何の迷いもなく思った。車のエンジンをかけたその時、フロントガラスに健太が写った。『健太、ちょっとどいて!急いでるねん!』健太は何も言わず助手席のドアを開けて入ってきた。『健太!今急いでるんよ、あんたと絡んでる時間無い…』健太の両手が私の頬に触れた。一瞬何が起こったかわからなくて頭がパニクる…健太はそのまま私をギュッと抱き寄せた。『何健太、ちょっと冗談やめて!』健
    ユーリ さん作 [392]
  • 眠れぬ夜は君のせい〜34〜

    その瞬間、電話の声が男に変わった。『姉ちゃん、今どこに住んでんのや?関西か?携帯届けてやんで。』この声…知ってる。この声は佑典が電話で話をしていた人だ。携帯を持つ手が震えだした。佑典の携帯をどうしてこの人が持っているのか…。三宮で拾ったと芝居をしてまで、私に掛けてきた理由…。私の居場所を突き止めたいんだ。『わざわざ丁寧に掛けてきてるんや、ちゃんと受け答えするんが筋ちゃうか?』『判りました。今から
    ユーリ さん作 [455]
  • 眠れぬ夜は君のせい〜33〜

    『もしもし…』不安な気持ちで声を出した。『もしもし!おたくは誰?』苛ついたような声で電話の女の人は言った。一瞬、怖くて声が詰まりそうになる。深呼吸をして聞いた。『あなたこそ、誰ですか?…どうして彼の電話に出てるんですか?』今から思うと、あの時あの状況でよくあんな言葉が出たなと思う。怖い気持ちに変わりはなかったけど、この気持ちを悟られてはいけない気がした。…佑典はとんでもない事に遭ってると直感で感
    ユーリ さん作 [451]
  • 眠れぬ夜は君のせい〜32〜

    徳島は今朝も渋滞。ルームミラーで顔を見た。目がむくんでひどい顔。一睡もできずにいた。店に着くと畑山さんが包丁を研いでいた。『おはようございます。』私の顔を見ると畑山さんは少し難しい顔をした。『今日の顔、も一つ。何があったかわからへんけど、仕事場に私事を持ち込んだらアカン。それはプロやない。』畑山さんの言葉が胸に突き刺さった。その通りだ。その日は昼からとても忙しく休憩が取れなかった。店を出て車に乗
    ユーリ さん作 [308]
  • 眠れぬ夜は君のせい〜31〜

    マンションの前に着いた。時計は午前0時をまわってた。『ごめんな久美ちゃん。夜中になって。明日仕事早いやんな、俺も今から京都帰るよ。』佑典は私を不安にさせまいと笑った。ソンナカオシナイデ。もう二度と佑典に会えない気がした。『私も行く。』佑典のためなら、もう何も要らないと思った。『大丈夫。心配しなくていい。大丈夫。ありがとう久美ちゃん。』静かな優しい声で佑典は言った。サヨウナラ…そう言われた気がした
    ユーリ さん作 [248]
  • 眠れぬ夜は君のせい〜30〜

    佑典が企業舎弟だとゆう事。佑典には身内が居ないとゆう事。私と出会い企業舎弟をやめたいと思っている事。高原からの帰り、車の中で佑典が言った。『俺初めてチャットしたあの日…生きてくの疲れた思っててん。』驚いて佑典を見た。佑典は穏やかな表情で私を見た。『ホンマ久しぶり笑って面白い子やな、この子と会いたい、会わなあかん思ってん。』その時佑典の携帯が鳴った。佑典の顔が一瞬曇った。凄く嫌な胸騒ぎがした。佑典
    ユーリ さん作 [647]
  • 眠れぬ夜は君のせい〜29〜

    佑典は言った。『俺、ずっと言われへんかった事あるねん。』『俺は小さいけど会社やってるやん。社長ゆう肩書きやけど俺の会社やってるんはヤクザやねん。』『俺、企業舎弟やねん。』佑典はそう言うと私の目を真っ直ぐに見た。『今まで普通にやってきたけど、久美子と出会ってから思うねん。まともにならなアカンて。自分の仕事に誇り持って頑張ってる久美子見て、足洗おう思うようになってん。』『俺は施設で育ってん。身内は居
    ユーリ さん作 [267]
 
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