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ユーリ さんの投稿された作品が50件見つかりました。
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眠れぬ夜は君のせい〜18〜
ゆうすけに会う朝、ベッドでいると携帯が鳴った。『もしもし、くー?』電話は真紀からだった。『もしかして、もう一人暮らししてる?』『うん、今月から。』真紀は久しぶりに一緒にご飯食べようと電話で言った。『ごめん、今週忙しくて今度私から誘うよ。』そう言うと『くー…彼氏できた?』と真紀が聞いた。聞かれた瞬間、ちょっぴり嫌な気分になった。『うん、居るよ。』そう言うと真紀は言った。『真紀も会いたいな、その人に
ユーリ さん作 [332] -
眠れぬ夜は君のせい〜17〜
健太は悪いヤツじゃない。憎らしいけど可愛い後輩。それ以上も以下もない。エンジンをかけた。携帯が鳴る。弟の裕生からだった。『もしもし、姉ちゃんもうマンション帰った?』『ううん、今店出たとこやけど何?』『ほなウチ今から来る?一人暮らし始めて間もないし寂しいやろーエリや子供も待ってるし。』『いや大丈夫、また今度遊びに行くよ。』電話を切った。そう、今月から家を出て一人暮らしを始めた。ゆうすけと付き合う前
ユーリ さん作 [411] -
眠れぬ夜は君のせい〜16〜
店の仕事が終わり車に乗った。携帯を見るとメールが来てた。『週末、仕事が落ち着いたら会いに行こう思てます。めちゃ会いたいです。』身体の中の幸せ中枢が一気に刺激される。ゆうすけに会うのは半月ぶり。嬉しい!思わず大きな声でバンザーイをした。その時、健太が車の窓の外からシラケた顔して中指を立てていた。慌てて窓を開けた。『あははっ、お疲れさん健太。あんた最近元気ないみたいやん!どうしたん?』健太は顔の真ん
ユーリ さん作 [325] -
眠れぬ夜は君のせい〜15〜
ゆうすけと付き合いだして京都へ行くようになった。今まで京都は小学校の修学旅行と、家族旅行で行った太秦映画村。私がイメージしていた京都は新京極に金閣寺、時代劇に舞妓さん。おたべに五色豆、ハッカ味が大好きな変な町だった。大人なって訪れた京都は素敵なところだった。職場にも京都へ行くと必ずお土産を買った。ある日、休憩の時に畑山さんが言った。『くーちゃん、交際してる子は京都の子か?』『はい、そうなんです。
ユーリ さん作 [418] -
眠れぬ夜は君のせい〜14〜
今まで生きてきた29年、人並みに恋をした。すごく好きだった人もいた、結婚を考えた人もいた。だけど、何だろう。ゆうすけに感じるものは全部違う。彼といると魂が喜ぶ。…特別な感覚。心の奥から、じわり温かいものが溢れて幸せな気持ちになる。このまま溶け合って、ゆうすけと一つになりたいと思った。キスがセックスより気持ちいいと思ったのは初めてだった。
ユーリ さん作 [425] -
眠れぬ夜は君のせい〜13〜
ゆうすけに抱きかかえられテトラポットを降りた。フッとゆうすけの匂いがした。甘くて、スパイシーでとても心地いい香り。こんな香りのする男今まで知らなかった。そのまま手を繋いで車まで戻った。まだ一緒に居たい、ずっとこのまま。勇気を振り絞って言った。『まだちょっとだけ、一緒に居てもいいですか?』『俺も一緒のこと言おう思ってた。』私逹は初めてキスをした。キスをしてはお互いを見て笑って、またキスをした。何度
ユーリ さん作 [432] -
眠れぬ夜は君のせい〜12〜
その瞬間、ゆうすけは大笑いしてお腹を抱えた。『久美子ちゃん、可愛いなあ…ほんまに。』話の流れでそう言われ改めて緊張した。こんな整った顔立ちの男前に可愛いなんて言われたら…ドギマギする。舞い上がる気持ちをグッと堪えてあえて普通の顔をした。『俺、明日の朝も一回波乗りしてから京都帰るわ。』ゆうすけはテトラポットを先に降りて私に両手を差し伸べた。『いや大丈夫、1人で降りれまする…あっ間違った!』ドギマギ
ユーリ さん作 [453] -
眠れぬ夜は君のせい〜11〜
真っ暗な砂浜を私とユウキは歩いた。『座る?』テトラポットのとこに座った。ユウキはやっぱり微笑んでいる。何だろう、すごく不安な気持ちになる。『私が嘘ついたから、呆れてますか?』ユウキは言った。『ううん、全然。俺も嘘ついててん。』『えっ!そうなん?』微妙な心境。『久美子ちゃん、俺は佑典です。ホンマは30、いや間もなく31です。』『あっあっはいっ。』緊張するとどもる私。『でも良かったぁ。』ユウキ…じゃ
ユーリ さん作 [357] -
眠れぬ夜は君のせい〜1973後編ー1988〜
気が付くと俺は病院のベッドにいた。看護婦が言った。『大丈夫、心配しなくてええよ。ここは病院やからね。』泣き出した俺に看護婦さんが言った。『僕、何歳?お名前は?』『ゆうすけ…5さい』『お家どこ?』そう聞かれた時俺は初めて泣いた。『ごめんね、大丈夫。大丈夫やからね。』そう言って看護婦が俺の手を優しくさすった。それから警察が来て、後の事はあまり覚えてない。ただ俺は二度と家に帰る事はなく施設へ入る事にな
ユーリ さん作 [376] -
眠れぬ夜は君のせい〜1973前編〜
夢を見た。思い出したくないあの頃の日常。5歳の俺は大人しい子供で、いつも一人で遊んだ。父親は飲んだくれで、職に就かず気に入らない事があると俺や母親を殴った。母親は酒こそ飲まなかったけれど、男にだらしない女で父親の留守を見計らっては男を部屋に連れ込んだ。父親が近くのパチンコに出かけた時、母親が俺に言った。『今日、嵐山に連れてってあげるから。』そう言うと新しいリュックを俺に渡した。『中にアンタが好き
ユーリ さん作 [364]