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梨亜 さんの投稿された作品が20件見つかりました。
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If the miracle occurs
登校にはまだまだ早い時間だったっていうのに、すでにクラス発表がはりだされている昇降口前には、人だかりができていた。人をかきわけ進むも、確認できたのは自分のクラス、出席番号と、担任が舞桜さんであるということだけだった。とりあえず僕は人だかりを離れ、新しいクラスに行くことにした。僕のクラスは、二棟にある七組だった。仲の良い友だちがいるのかさえもわからなかったが、まあなんとかなるだろう。そう思い僕は、
梨亜 さん作 [263] -
If the miracle occurs
「えへへー♪似合う?」僕の目線を察知したらしく、エレナは偉そうな表情を浮かべて言った。その、人の足元見るような態度。前言撤回。やっぱこいつ、まだまだ子ども。「…もういいからさっさとご飯食べてなさい!」「あ、ひどーい!」そんなことを言いながらも、エレナはしっかり食卓についた。エレナが食べ始めるのを確認してから、僕はまた、二階へと登って行く。今度は、リィリアを起こすためだ。ヴィオードは今朝、舞桜さん
梨亜 さん作 [270] -
If the miracle occurs
能力は人によって違うらしく、僕は触れたものの心を読み取る「接触感応能力」を持っている。実際僕は舞桜さんに教わったのだけど、どうやら誰にでも使えるってものでもないらしい。原則的に人には秘密なわけだし。現にエレナは使えなくて、昔はよくヤキモチをやいていたものだ。僕がリィリアを生み出したときも、エレナはリィリアのロリータ(ていうのか?)なファッションを見て、僕に「ロリコン」だとか言ってふくれていた。デ
梨亜 さん作 [276] -
If the miracle occurs
春の温かい日差しが、窓の外から差し込んでいる。今日は、始業式。高校二年生になる僕の名前は、月館類(つきだてるい)。子どもの頃から、何かと行事のある前の日は眠れないという僕は、案の定、昨夜もなかなか眠れなかった。別に楽しみにしているわけでもないのに。かえって、なにもすることがなく、のんびりしていた春休みが恋しいくらいだ。時刻は午前5時をまわった頃。寝るのが遅かったわりに、すっかり目が覚めてしまった
梨亜 さん作 [315] -
悲しき歌は夕暮れに。
〜?〜?今僕の家の台所に立ち、リズミカルな包丁の音を響かせている古海陽菜ちゃんは、幸村唯一の神社、古海神社の一人娘だ。とても優しくて、可愛くて、しっかりものの、僕の幼馴染みであり、クラスメイト。カリスマ的存在であり、村全体から愛されている。神様に仕える巫女の陽菜ちゃん。霊感も鋭く、いろいろな村人から人生相談的なものをうけることもあるらしい。そんな陽菜ちゃんも、アユリのことを忘れてしまっている。い
梨亜 さん作 [385] -
悲しき歌は夕暮れに。
〜?〜?結局この日は、学校を早退した。頭がこんがらがって、まともに授業なんか受けられるはずもない。陽菜ちゃんの言うように、本当に元気なく見えたらしく、先生もあっさり了承してくれた。教室を出るとき、陽菜ちゃんが「気をつけてね」と言ってくれた。素っ気なく「うん」と返し、家路に向う。時間的にはまだ学校は始まったばかりだ。だからか、顔見知りの近所の人たちも心配して、声をかけてくれる。でも僕にはいちいち応
梨亜 さん作 [366] -
悲しき歌は夕暮れに。
〜?〜?次の日。いつもの待ち合わせ場所に、アユリの姿はなかった。怒っているなら当然だと思ったから、僕はひとり、学校へと向った。制服も学年もバラバラの、世間からずれた学校に。いつもはアユリとおもしろおかしく話しながら通る一本道。話しながら行くと、とても早くつく気がするのに、今日は永遠に続いているみたいに思えた。そして学校についた。足がとても重い気がした。下駄箱に靴を入れて、階段をのぼる。この学校は
梨亜 さん作 [465] -
悲しき歌は夕暮れに。
〜?〜?寒村・幸村。人口百人ちょっとの、とても小さな村。そのためか村に住む人々は、ほとんどが顔見知り同志。コンビニも、自動販売機も、気のきいたものはなにもないけど、ここでの生活は、悪くないものだ。この村での学校は、小さな分校がひとつだけ。その上クラスはひとつだけだし、教師もひとりだけ。生徒は小学生〜中学生の、計10人ちょっと。同年代の子どもは少ししかいないけど、同じ中学生の柊アユリと、小学生の中
梨亜 さん作 [332] -
悲しき歌は夕暮れに。
〜プロローグ〜この世界で命を持つすべてのものに、明日終わってしまう可能性がある。多分僕は知らなかった。昨日までの僕は、確実に。だからもしかしたら、これは罰だったのかもしれない。なにも知らずに、無神経に、幸せに暮らしてた僕への、罰。だからアユリは、消えなくちゃいけなかったんだ。なにも知らなかった僕のせいで、消えちゃったんだ。ごめんなさい。
梨亜 さん作 [395] -
紙飛行機‐いつか見た空へ
〜プロローグ〜時刻は六時を過ぎた頃。ある春先のことだった。普段は誰もいないはずの、夕日が差し込む礼拝堂の中で、ひとりの少女がたたずんでいた。彼女の外見はとても幼く、僕と同い年か、あるいは年下か、ぐらいに見える。服装は、全体的に真っ黒で、なんだか不思議な感じがする。そのロングスカートも、大きな帽子も、腰まである長い髪も、全てにおいて黒。格好から見るとシスターのようにも見えるが、そうでないことを僕は
ゆの さん作 [304]
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