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なぉ さんの投稿された作品が69件見つかりました。
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制服時代??
夏の日差しは、樹がパラソルがわり。小高いここは、風の通りもよくて気持ちいい。年頃三人集まれば恋ばな。桜と樋口君はお互いの親に合わせたらしく公認の仲。「でも…付き合っては、ないよ!!」「えっ!?」私と理沙は思わず驚く。桜は、割りとさらっと「言われてもないし、私も言わない、しばれない」と、最後だけは切なく聞こえた。「いいの?」私はまたいらぬおせっかいで心配してしまう。「お互いの気持ちが続くなら形は、
なぉ さん作 [253] -
制服時代??
夏休みといっても私は水泳で大事な大会があり、桜も出発準備、理沙もダンスのレッスンと…何かと忙しい毎日を過ごしていた。でも週に一度は三人で過ごす時間を大切にしていた。そして桜が出発する前日も私達は集まっていた。今日は、あの樹の下で集合「本当はやいよね…」「なんだかまだ信じられないよ」私と理沙は改めて寂しさを感じ始めていた。「桜にとっては、やっとだよ」そう笑う桜は、覚悟を決めているのが伺えがえた。桜
なぉ さん作 [243] -
制服時代??
辺りも暗くなり、いい時間になってきたのでみんな帰ることにした。「またね」私達は自然とバイバイとは言わなかった。短い夏、まだしばらく桜と過ごせる。バイバイはギリギリまでは言いたくない。家に帰り、自分の部屋のベッドに横たわった。今日はいろいろあった一日だった…なんだか少し、疲れた。でもこの疲労感は嫌いじゃない。寝そうになっていると…一階からママが「ご飯よ」と呼んでいる。下におりていくとママが機嫌よく
なぉ さん作 [258] -
制服時代??
さっきまで高かったお日様はいつのまにか沈み、町をオレンジで染め上げる。「千夏はどうなの?」理沙のまっすぐな目線。「もう昔のことだし」私は二人より前にでて大きな樹越しにオレンジに染まる町を見ながら強がった。「そっか…、千夏の気持ち聞いておきたかったんだ」「理沙ちゃん…」私と理沙を心配そうに見つめる桜。理沙は気持ちがいいくらいまっすぐだ。だからこそ私に言ってくれたんだ。「私にとって千夏と桜は大切な友
なぉ さん作 [222] -
制服時代??
樋口君の家からの帰り道。時は夕方なのに、まだ日は高い。「ねぇ、ちょっと二人に、付き合って欲しいとこがあるんだけど」理沙の呼び掛けに、私と桜は快諾した。理沙が付き合って欲しい場所は、学校の裏の大きな樹だった。「なんでここなの?」私は素朴に聞いてみた。「ここ大好きな場所なんだ」理沙はそういうと大きく背伸びした。確かにそこは、小高い丘になっていてその樹越しに町を見渡すことができる。「桜、知らなかったよ
なぉ さん作 [316] -
制服時代??
夏の日差しが池の水面を反射してキラキラ輝く。心地よい風が通る。やっと桜が口を開いた。「突然訪ねてごめんね」「いや、全然」お互い沈黙が余計に照れくささをましていく。「実は…話があって」桜の緊張が伝わってくる。でも私達に出来ることは、ただただ存在を消すだけ。「どうした?」桜の様子がいつもと違うから樋口君は心配そうに尋ねた。「私…二学期から留学するの…」「…そう」それだけ?樋口君?なんだか拍子抜けしそ
なぉ さん作 [345] -
制服時代??
樋口家は、時がゆるやかに流れているように感じた。居間から見える日本庭園も世話が行き届いていて、池には鯉まで泳いでいる。道場を隣接している一階建ての平屋作りも、木造ベースで木のぬくもりを感じ、家具もアンティークで柱時計が静かに時を刻み続けている。しばらくすると袴姿の樋口君が廊下を走ってきてくれた。初☆袴姿、似合い過ぎ!その後ろには樋口君に隠れるように司君がいた。「司は練習に戻りなさい」「…はい、姉
なぉ さん作 [255] -
制服時代??
うだるような夏の暑さより鼓動の早さのほうが半端じゃない。自分のことじゃないのに…桜が伝えたい想いを届けたくて…私達三人はお昼を学食ですまし、いざ樋口君の家に向かった。樋口君は地元では有名な格式のある剣道一家。近くまでくると道場の中から掛け声が響いてくる。桜の顔がこわばっていくのを感じた。横にいても緊張が伝わってくる。「あの…何かご用ですか?」着物姿の優しそうな女性に声をかけられた。「初めてまして
なぉ さん作 [249] -
制服時代??
私は自分の耳を疑った。桜の言葉が私をフリーズさせた。「…留学?」「ウィーンに」笑顔で答える桜の瞳は涙で溢れていた。「…いつ?」「…二学期から」「じゃあ…今日で…」「うん…理沙ちゃんにも後で言うつもり」「…樋口君には?」すると桜は首を横にふって上を向いた。桜の気持ち、わかる気がした…でも…「言った方がいいよ…私が言うのもなんだけど…このままはよくない」自分自身中途半端だけど…でも何も言わないこんな
なぉ さん作 [235] -
制服時代??
机の木の材質が少し冷たく感じる夏の午後の教室。私と桜は夏休みに入る前に余韻をひきづってなんとなく教室に居残った。久遠嫌いの桜が珍しく、久遠の話をしだした。「桜が思うに…久遠君は千夏ちゃんが好きなのよ」「なによおもむろに…」私は返す言葉が見つからず苦笑いしかできなかった。「桜、中野君もよくわかんないんだよね」桜は本気で悩んでる顔。「中野?わかりやすい人だと思うけど」私は適当に誤魔化した。「うそ!」
なぉ さん作 [207]