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さんの投稿された作品が26件見つかりました。

 
  • 安楽の黒〜3−2〜

    狐につままれた様な顔をして女の子に先導されている男は周りから見てさぞかし滑稽に映ったであろう。 「ここのパフェ美味しいんだよ!ねぇ、ねぇ、一緒に食べよ!!ねっ!!」 「う、うん」 男は女の子の勢いに戸惑いながらも女の子のペースについていった。普通であれば初対面の女の子にここまで馴れ馴れしくされれば少しは動揺してもいいくらいだが男は不思議と居心地がよかった。まるで5年以上は付き合っているかの様な居
    さん作 [360]
  • 安楽の黒〜3−1〜

    男は歩いていた。 ここはどこだろう。 周りには人が多く、ぶつかるのを避けるのに必死だった。その中には家族連れが目立ち、時折子供の泣く声や迷子を知らせるアナウンスが鳴る。テナントで入っているカフェにはカップルが多く、互いに愛を語り合っていた。恐らくここは大型のアミューズメント型スーパーといったところだろう。そんな中、男は誰かが服の後ろを引っ張っている事に気付いた。 「ね〜、ね〜、歩くの早いよぉ。カ
    さん作 [320]
  • 安楽の黒〜2−2〜

    孝也の自宅は駅から徒歩10分のところにある20階建てのマンションで、その7階に住んでいる。いつもの様に帰り道にあるコンビニで晩飯とビール、缶コーヒーを買い、自宅マンションに到着すると、いつもなら気にせずさっさとエントランスを抜け、5秒後にはエレベーターの上昇ボタンを押しているのだが、今日はふと空が気になりマンションの入口前の小さな階段に座り込んだ。孝也は綺麗な星空を見上げ、先程買った缶コーヒーを
    さん作 [333]
  • 安楽の黒〜2−1〜

    明日、4/10に25回目の誕生日を迎える石橋孝也は仕事を終え、彼女が開いてくれるという誕生パーティーに胸を踊らせ帰路を急いでいた。会社から徒歩5分の駅に着いてみるとやはりいつもの通勤ラッシュで人でごった返していたが、人間というのはひょうきんなものでいつもなら足を踏まれようものなら胸倉を掴み怒鳴り散らしてやろうかというぐらいに苛立っているのが今日は全くそんな気にはならない。むしろ踏みたい人には差し
    さん作 [397]
  • 安楽の黒〜1〜

    完全な黒。男はその様な完璧な黒を今まで見た事がない。その色が今、男を包んでいる。今自分がどの様な姿なのか、どちらが右でどちらが左か、目を開けているのか閉じているのかさえも分からない。ただ落ちている事だけは今自分が受けている風圧が教えてくれた。男は考えていた。何故自分がこの様な状況に陥っているのか、そしていつから、どれ程の間こうして完全な闇の中で下からの風を感じているのか。皮肉な事にこの完全な闇の
    さん作 [379]
  • 安楽の黒〜0〜

    俺は落ち続けている。これだけ聞くと普通の人なら何の事やらわからないだろう。入試?何かのゲーム?それとも選挙?そのどちらでもない。少なくとも常人であれば出てこない選択肢。だが俺は確実に落ち続けている。
    さん作 [421]
  • 目眩の中の世界 Last

    僕はバスで4人と他愛もない話しをしながら家に帰った。それは今まで僕が感じた事の無いようなとても幸せな時間だった。「ただいま!」「あっ、おかえり〜。」いつもと同じだった。バスから降りて家まで5分の道のりも、その途中でいつも僕に吠えてくる犬も、そしていつも僕の「ただいま」の声に応えてくれる母さんの声も。前となんら変わりのないものだった。でも僕はそれが嬉しかった。いつもと何も変わらない。それがなにより
    さん作 [597]
  • 目眩の中の世界 8th

    目眩は起こらなかった。「やった!元に戻った!良かった!良かった!」「サトシ?何言ってんの?」僕は何事もなく僕に話しかけるリュウイチを見て急に涙が溢れ出して来た。「リュウイチィ…ごめん。許してくれ。リュウイチ。ホントに…ごめん…」僕は今まで生きてきた中で一番と言っていいくらいに泣いていた。「リュウイチ…良かった……」「はぁ!?サトシお前何泣いてんだよ!マジなんなんだよお前大丈夫か!?」「リュウイチ
    さん作 [434]
  • 目眩の中の世界 7th

    そこで夢は終わった。起きた時にはもう既に朝だった。そして、僕の頬には一筋の涙が流れていた。今日もまた学校を休んだ。何も考える事ができなかった。風邪で休むと母さんに伝える事で精一杯だった。あの世界は全て僕が造り出したもの。3人をマネキンにしてしまったのも、僕…その事で頭が一杯だった。どうすれば3人を元の世界に戻せるのか。そんな事を考える余裕は全くなかった。気付けばもう外は暗かった。時計に目をやると
    さん作 [446]
  • 目眩の中の世界 6th

    −サトシ…とその時、あの声が聞こえた。−サトシ…お前が望んだ事だろ…?どうしてやめたがるんだよ…なんでだよ……サトシ……その声も泣いていた。「俺はこんな……こんな事で……こんな事をして友達を作りたかったんじゃない!」僕は必死に自分を否定した。「ちゃんと…ちゃんと友達を…」−それができないからお前はこうするしかなかったんじゃないのか?お前はちゃんと友達を作る事なんかできないじゃないか。だからこの世
    さん作 [564]
 
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