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α さんの投稿された作品が60件見つかりました。
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夕闇小闇
日の暮れた、渦巻き銀河の円盤でアルデバランを はずませてたったひとりで バスケットゴールポストに シュートをきめてアルデバランが トントントテンと 足元ころがる日の暮れた、渦巻き銀河の円盤でアルデバランを はずませる周囲に分子が ないせいで音は少しも響かない少々バスケに 不向きかと思うと白い 光がさしてMr.ハレーが ほうき星のって帽子を掲げて ご挨拶日の暮れた、渦巻き
α さん作 [421] -
WORLD ON STRINGs
太陽系を肩かけて軌道の弦に弓つがえ新世界でも奏でようドボルザークよ こんにちは弓の角度を間違えて第三弦が ブチ切れて地球が 彼方へ弾けとぶ通り掛かった ねこさんがくわえてどこかへ 行っちゃった
α さん作 [426] -
月の破片
夕焼け過ぎた 暮れ空にはがれかけた 月がある空は残照 失って月は明かりを 増していく暗く冷えた 部屋の中アダージェットが 波を打ち手の平だけは 闇から守る月はとうとう はがれ落ち空を ゆられて 沈みくる受け止めようと 差し出したわずかばかりの 手の平を月は素っ気ない目で すり抜けてグラスに落ちて カランと音たてるグラスの中で 月は溶け細かな
α さん作 [438] -
月のカクテル
月の光が しずくとなってグラスに なみなみ注がれてささやかなバレリーナの人形がゆるりとボートをこぎ出して頬杖ついて ため息ついて月の光の湖面に たゆたい月の光が しずくとなってぽたぽたグラスに 注がれて表面張力 耐え切れず月の光が グラスを 伝って流れ落つボートはゆるりと ふちへ滑ってささやかなバレリーナの人形があきらめきって ため息ついて月の光と グラスのふちから光の届かぬ ガラスの底へ
α さん作 [424] -
blamable MoonStone
月長石の鏡の燃える壁からはずして 盆にして気になる人の 首のせる気になるあの人 不機嫌で口元かたく引き結び月長石の 鏡の上で青冷めてこの期におよんで 拒絶する月長石の鏡は燃えて 湖面の青い月光りほとりで七度の 舞を舞い最後の衣を脱ぎ払いサロメは おまえに口づけするよサロメは おまえに口づけするよ
α さん作 [449] -
あさひだまり
姿の見えない おどり子さんこけむした、森の朝日の中にいる夜の湿気を太陽が、 とろかすように あたためて小さな生き物 動き出す蝶がチラチラ 水たまり囲んで 水のむ 陽だまりで姿の見えない おどり子が そおっと とおりぬけていく つまさき立ちで、ほほ笑む唇 人差し指あて こけむした 森にさしこむ 朝の陽のあいだを軽やか 行ったり来たり
α さん作 [423] -
ケツァルとコアトル
地を這う生き物は天に羽ばたく生き物の影が頭上を かすめて行ったので、自分の上を あの食べ物が飛んで行ったと知りました。地を這う生き物は天を羽ばたく生き物に向かって牙を むき牙の先から透明な毒の数滴を糸を引かせて撒き散らします。されども当然の ことながら天に羽ばたく生き物たちには牙も毒も何も全くもって届きません。天に羽ばたく生き物は、地に這う生き物を見下ろしてあるいは少しも気に留めず気づかず気にも
α さん作 [567] -
アルプス一万尺?
海の底から隆起して高く そびえた海底は摩擦の熱を失って羊水から出て空気に触れた空は乾いて冷たくて粉雪ふるって薄化粧アラザンまいて氷粒キラキラ輝く白い山スプンで すくってパクついて甘くて きれいな モン・ブラン 食べた
α さん作 [433] -
猫物語その25
猫八に 凄まれ問い詰められた子猫は 半泣きになりながら 竹内さんに保護されるまでの いきさつを語りました。 んじゃまぁ、手っ取り早く そのじぃさまに損害を補償してもらぉうかいのぉー と、猫八は さも嬉しそうに歯を見せて笑います。 腹の底の方から クツクツという笑い声が聞こえて来るようです。 だ、ダメにゃ! 子猫は自らも驚くほど厳しい口調で言い放っていました。 猫八も猫丸もキラキラと輝くトパーズ
α さん作 [460] -
猫物語その24〜蛙の呪い?恐怖の銀の鈴!〜
よーう、こっちだ。猫八ー。 にゃに呼んでるんにゃっ 気心の知れたふうに呼びかけられた猫は 滑らかな足運びで子猫のいる卓へ向かい来ます。 白黒のブチの足先は黒かろうと白かろうと土ぼこりを被り毛羽立っていました。 隙のない半月形の目、ふかふかした頬、がっしりした体格に厚みのある毛並み。 そのふてぶてしさには黄色い悲鳴があがります。 おう、待たせたな。猫丸よ。 対照的にスレンダーな相棒に一言かけると
α さん作 [527]