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ゆう さんの投稿された作品が97件見つかりました。

 
  • カバに恋する。16

    『……はい』「吉田です」『…はい?』「吉田恵美です」シーン…あれ…?ドア、開けてくれない。やっぱり引かれたっ!うちまで押し掛けてっ!ストーカーか!て感じだよね。怖いよね!も〜馬鹿! 「…川端さん。ごめんなさい。風邪だって聞いて心配で…あの…果物とか買ってきたから、外に置いとくね…」ドア越しにあいさつして、荷物をドア前に置き、帰ろうとしたその時。バタンッ!勢いよくドアが開いた。「…びっ…びっくり…
    ゆう さん作 [166]
  • カバに恋する。15

    エリザベスはうちにやっと帰ってきた。やっぱり、何もないのに今までみたいにマンガ喫茶には行けない。でも…川端さんに会いたいなぁ。気づくと私は川端さんのことを考えていた。川端さんといるとホッとするんだよね。私、考えすぎ?別にマンガ読みに普通に行けばいいじゃん。うん。そうだよ。マンガ読みに行こう!2週間ぶりの来店。「いらっしゃいませ」「………」川端さんがいない。「あの…川端さんは…」「ああ。なんか風邪
    ゆう さん作 [174]
  • カバに恋する。14

    「…すみません。あんなことを、言わせてしまって…」川端さんは申し訳なさそうに俯いて言った。「だって!悔しくないの?あんな風に言われて!超ムカつくっ!」私は自分のことのように腹が立っていた。人のことをあんな風に言う奴がいるなんて…ほんと信じらんないっ!「…慣れてますから…ああいうのは…」は?慣れてる?慣れてるって何?昔からあんな事言われてきたわけ?ありえない!!!「そんなの…そんなの絶対ダメだよ!
    ゆう さん作 [151]
  • カバに恋する。13

    「…よかったですね。エリザベスも喜びます…」川端さんはエリザベスを私の前に置いて言った。「うん。でも、また今までみたいにここに来てもいい?」「……もちろ」「あーっ!!カバッ!」急に後ろから大きな声がして、金髪のギャル男みたいな奴がお店に入ってきた。「おまえ変わんねぇなぁ!相変わらずカバみてぇ!」なんなのこいつら。なんか聞き覚えのある…あ!前に電車でカバがいるとかなんとか言ってた…川端さんのこと言
    ゆう さん作 [161]
  • カバに恋する。12

    私はあれからもう3ヶ月、マンガ喫茶に通っていた。もちろん毎日とかではなく、1週間に1回程度。川端さんとよくマンガの話をしたり、テレビドラマの話をしたり、当たり障りのない話をいろいろするようになっていた。「分かる分かる!あの最終回はありえないよね」「…俺は太郎と花子に結婚してもらいたかったんですけどね…」「だよね!」川端さんは静かで暗い感じだけど、私の話をよく聞いてくれたし、マンガの話には口数も増
    ゆう さん作 [153]
  • カバに恋する。11

    あのマンガ喫茶にエリザベスを預けて2週間が経っていた。この2週間で部屋のたーちゃんに関するものは全部捨てた。以外と最近は落ち着いてきた。それでもたーちゃんのことを考えない日はなかった。たーちゃんからの連絡は、あれ以来まったくない。期待してる訳じゃないけど、でも毎日携帯をチェックしてしまう。次の日、マンガ喫茶に行った。さすがにエリザベスを預けっぱなしじゃ悪いと思ってたし…。エリザベスの様子を見に行
    ゆう さん作 [178]
  • カバに恋する。10

    「ほんとにありがとうございました」エリザベスを手に店から出ようとしたけど、エリザベスを見た瞬間…また涙が溢れてきた。「…すみません…やっぱりエリザ…この子、しばらくここに置いてもらうわけにはいかないですよね?」「………いいですよ」「!。ほんと?」「…はい」「…ありがとうございます」今は、エリザベスを見るのがツラい。ツラすぎる…。「…名前…名前なんていうんですか?」「あ、吉田恵美といいます」「…金
    ゆう さん作 [195]
  • カバに恋する。9

    その日は一日中、泣いて過ごした。大きな声を出して、子供みたいに泣いた。隣の人に聞こえてもかまわない。今の私はそれどころじゃない。3年間付き合った彼氏をなくしたんだ。しかも彼氏の浮気で…信じてたのに…信じてたのにーっ!!涙はとめどなく溢れてきた。部屋を見ると、たーちゃんとの思い出があるものばかりだ。初めてもらった誕プレ。ゲーセンで取ってくれたぬいぐるみ。クリスマスプレゼント。夏祭りにお揃いで買った
    ゆう さん作 [177]
  • カバに恋する。8

    あの人から渡されたマンガは、しょーもないギャグマンガ。しょーもなさすぎて、笑えた。しばらくの間、ひたすらマンガを読み続けた。なんにも考えたくなかった。これからのことも。たーちゃんのことも。ハッ!いつの間にか寝てしまっていた。もう朝の7時だ。まぁ いいや。今日仕事お休みだし…。さすがにこの時間じゃ、たーちゃんもうちの前で待ってないだろう。料金を支払い、店を後にする。あの人、いなかった。家に帰り、ず
    ゆう さん作 [184]
  • カバに恋する。7

    この人、マンガ喫茶で働いてたんだ…。そんな感じ、する…。「あの…その金魚は…」そう言われ、現実に引き戻された。あの女の顔が頭に浮かんだ。綺麗な人だった…。これが世間で言う3年目の浮気ってやつなの?!エリザベスに視線を落とすと、あの楽しかった夏祭りのことが、走馬燈のように思い出された。ポタ…ポタ…ポタ…私の涙はエリザベスが気持ちよさそうに泳いでいる、金魚鉢の中に吸い込まれていった。「お……お客様…
    ゆう さん作 [182]
 
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