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ゆう さんの投稿された作品が97件見つかりました。
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アキ 11
「アキ、最近付き合い悪くない?」ゆかが甘えたように俺の腕に絡みつきながら言った。「そんなことないだろ」俺はそっけなく答えた。ゆかは高校の時に関係を持った女のひとり。地元を離れて、他の女とは自然に連絡を取らなくなったが、ゆかは俺と同じ上京組だった。大学に入学して、しばらくした頃、偶然に会った。それから関係がまた続いている。「ねぇ、この間水族館で一緒だったおばさん誰?」「誰でもいいだろ」「別にいいけ
ゆう さん作 [221] -
アキ 10
“マタトマリニキテネ”彼女と…どういう関係?なんて…聞くまでもない…。なんで私こんなに落ち込んでいるの?私の目の前でクラゲがフワフワとゆっくり泳いでいる。…頭がクラクラする。「透」アキに軽く肩を叩かれ、我に返る。「ごめん。あいつ高校の同級生で…」「そう」わざとそっけない返事をする。「…ゆかとは何でもないから」「そんな、別にいいよ。アキに彼女がいても、私がとやかく言う事じゃないでしょ」そう。私はと
ゆう さん作 [207] -
アキ 9
アキとは何回かデートを重ねた。アキとの約束。破ったら、そこでお付き合い終了。アキは約束通り、私に指一本触れることなく、一緒に過ごしている。「水族館なんて、初めて」「マジで?!」今日はアキと水族館デート。今までデートというデートをしたことのない私には未知の領域で、内心ドキドキしていた。水族館にはいろんな魚がいた…。熱帯魚のようにカラフルな魚。透明でゆらゆらと気ままに泳ぐクラゲ。ゆっくりと泳ぐ亀。水
ゆう さん作 [247] -
アキ 8
道なき道を、自分で切り開く。進む道は、自分で決めるあの絵の下に透の名前を見て、会ってみたいと思った。この絵を描いた人は、どんな人なんだろうと…。ある日、ガラス越しに教室を覗いた。すぐに、分かった。生徒の絵を真剣に見ている。優しそうな瞳。透き通るような白い肌。綺麗な横顔…。あ… 笑った。 もうこの時、俺は透に恋してたんだ。今までまともな恋愛したことない俺が、こんな気持ちになるなんて…。この日の内に
ゆう さん作 [223] -
アキ 8
女と遊んでいる時は、家のことも将来のことも忘れられた。その時が楽しければ、それでよかった。今思えば、いろんな事から逃げたかっただけだったように思う。俺の周りには『名波総合病院の跡継ぎ』って肩書きだけで近づいてくる女はたくさんいた。遊ぶ女には困らなかった。でも…それも長くは続かなかった。段々虚しくなっていった。まぁ当然だ。好きでもない女と寝てるんだから…。俺は家のしがらみから抜け出せないでいた。親
ゆう さん作 [214] -
アキ 7
俺は今まで恋愛という恋愛をしたことがない。 女とは軽い付き合いしかしたことがないように思う。後腐れのない、面倒くさくない関係。面倒くさくなったら、そこでオワリにするだけだ。俺は地元じゃ結構有名らしい名波総合病院の院長の長男として生まれた。子供の頃から病院を継ぐ為、医者になる為と、親の敷いたレールの上を歩いていた。でも内心は医者になんてなりたくなかった。人の死を身近にしながら生きていくなんて、俺に
ゆう さん作 [233] -
アキ 6
アキとはプライベートな時間で会うようになっていた。アキとの約束・決して深入りしない。・プラトニックなお付き合いをする(もちろんキス、ボディタッチ、セックスはなし)という条件の下、プライベートで会うことはOKした。この条件は自分自身にも言い聞かせるものだった。逆にアキからも私にお願いされたことがあった。「透!」「名波く……アキ」「へへっ」それは名前で呼ぶこと。今日は映画を一緒に観に行く。「手をつな
ゆう さん作 [313] -
アキ 5
私は恋愛という恋愛をしたことがなかった。恋愛に興味はあったものの、高校は女子校だったし、芸大に進んだ後もひたすら芸術に没頭していた。たまに友達にコンパに誘われて何回か行ったけど、私がいいなと思う人とはうまくいかなかった。告白なんかする前に連絡が途絶えることが多かった。なんだかんだ言っている間に30手前になり、両親や親戚からも心配されるようになった。恋愛に興味がなかった訳じゃない。なぜかいつもうま
ゆう さん作 [318] -
アキ 4
抱きしめられたまま、どれくらいの時間が経ったのだろうか…私はふりほどく事も、手を伸ばすこともせず、ただ抱きしめられている。「…やめてください」やっと出た一言。「大人をからかってるの?やめなさい」「いやだ」子供か!「透さん、好きだ」「名波くん、分かってない」「年下だから?俺、そんなの関係ない」「そうゆうんじゃなくて」「透さんが結婚してるから?」「そう」既婚者で、一回りも年上の女に好意を抱くなんて…
ゆう さん作 [286] -
アキ 3
教室がおわった後、名波アキに頼まれたモデルをすることになった。個人的な人との関わりは苦手だ。教室とはいえ、授業外。プライベートな時間だ。生徒とは授業の時のみのお付き合い。そう割り切っていた。そう思っていたのに、面倒くさいことになった。「名波くん、私はどうすればいいの?」「どうもしなくていいっす」「どういうこと?」「先生と二人になりたかっただけだから」この上なく、面倒くさい。「絵を描かないなら帰り
ゆう さん作 [315]