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MARI さんの投稿された作品が3件見つかりました。
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はなびら
高い空に舞う春色の季節たち鮮やかな淡い色が踊るように巡る長い時をかけ舞い降りる魅了色切なさも哀しみも知らないように薫る賑わう祭模様の桜景色…同じ色を望むけれど届かなくて全てを知っていたなら桜色した空へと舞って散ったのに待つだけの朧月淡色の咲く季節(トキ)に…永い夢の先桜色の下(モト)二人鮮やかな色の舞うはなびら観て笑う?儚いひとひらのように落ちてしまう願う想い祈る想い届かなくて全てのはなびらさえ
MARI さん作 [108] -
桜身〜夜舞桜〜続
女はまた、まだ満開と成さない桜木の方を向く。今はまだ弥生の終り――。桜模様の通りが、果てしなく続く――…。袖の中で、女は短刀を握った。明治9年に廃刀令が出て暫く経ったた今でも、帯刀する者は多い。故に、多々のハンランの原因にもなる。女の持つ短刀は母の物。父の物とも、女は聞いていた。女にはどちらも失った者―――。短刀はたった一つの形見…。女は笑う。唇を三日月に歪ませた。それはどこか切なく、哀しい面影
MARI さん作 [151] -
桜〜夜舞桜〜
『――――…。』一人の女が目を覚ましたのは、一軒の宿屋。障子戸を開け放ち階段を駆け降りると、女将の姿を探した。女は昨晩、此処の二階に運ばれたことを知らされる。故に昨晩の記憶を女は思い出す。…確かに、己は追われていた。それも数人、集団に、だ。けれど女の体に、傷は一つもない。女将は言った。『若い、背の高い男だったよ。アンタを抱えてきたのは。』しかし女には、“背の高い男”以前に、この地に己の知るものは
MARI さん作 [142]
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