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龍角 さんの投稿された作品が199件見つかりました。
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座敷少女〜零ノ話?〜
1997年1月12日午前2時30分この旅館の長い歴史を感じさせる古き趣のある和室。日中スキーを楽しんだこの父、母、息子の3人家族は疲れてぐっすりと川の字となって眠っていた。しかし川の真ん中に寝ている八歳の弘野敬介はもじもじと体を揺らした。(まずい…おしっこもれちゃう…)尿意によって目を覚ました敬介は布団から飛び出してて部屋の入口にあるトイレへと向かった。静寂と暗闇に内心びびりながらも、敬介はトイ
Ryu さん作 [563] -
守護の青花‐5
上も下も左も右も白い果てし無い空間。その世界で咲弥だけが一人横たわっている。体はピクリとも動かない。しばらくするとスウッと一輪の彼岸花が現れた。そして彼岸花は増殖し、血塗れの腕へと変わる。血塗れの腕はまるで咲弥を求めるかの様に近付いて来ている。そして腕が咲弥から僅か数十センチまで近付いた時、血塗れの腕はスウッと消えていった。しかし代わりに後ろから男の声が聞こえてきた。「何故ダ!?何故拒絶スル…
龍角 さん作 [449] -
守護の青花‐4
「俺が言っている事は紛れも無い事実だってわかっただろ?それともお前が見ている悪夢や幻覚は全て嘘という事か?」咲弥はこの事実を認めざるを得なかった。幻覚や悪夢を見ている事は紛れも無い事実であり、それを全て単なる精神異常と決め付ける訳にもいかない。そして何よりこの霊障から逃れたいという気持ちが羅照の存在を認めさせた。「本当に治してくれるの?」「あぁ。必ずな。それでどうするんだ?契約するのか?それとも
龍角 さん作 [439] -
守護の青花‐3
「はぁ!?あんた何言ってんの!?」咲弥は目を見開いて困惑と疑問の表情で羅照に聞き返した。「説明がまだだったな。幻霊払いってのは死霊、生霊が原因で起こる幻覚、幻聴などの怪現象を解決する仕事。またそれを執り行う者。」羅照の言葉に更に咲弥は困惑する。「あんた…何言ってんの!?私幽霊とかは信じてるケドそんな事いくらなんでも…」咲弥の台詞を無視して羅照はポケットから一枚の紙を取り出した。「これは契約書だ。
龍角 さん作 [506] -
守護の青花‐2
「えっ!?」目を覚ました春川咲弥(さくや)は目の前の光景にただ唖然としている。直ぐ目の前にいるのは驚く程端正な顔立ちの銀髪の青年。しかも手を握られている。「誰!?ていうか手放してよ!!」咲夜は青年の手を振りほどき青年に警戒のまなざしを向ける。「なんだよぉ〜手握った位でそんなピリピリするなよぉ〜」青年は全く悪びれた様子も無く、ヘラヘラと笑っている。「何ヘラヘラ笑ってんのよ!!ていうか夜こんな時間に
龍角 さん作 [432] -
守護の青花‐1
朧月はぼんやりと寝静まった住宅街を照らしている。初夏の風は生暖かく、その黒い服の男の長い銀の髪を靡かせた。物音は男が立てるさびしい足音のみ。彼は立ち止まり、マッチで煙草に火を点けた。その煙草の煙は青く光り輝いていた。そして煙は闇を切り裂く様に前方へと伸びて行く。煙草が指し示した道を男は再び歩き始めた。複雑な住宅街を縫う様に歩く事、十分。煙はある家の目の前で途切れていた。表札には『高山』と書いてあ
龍角 さん作 [517] -
守護の青花‐0
5月の満月の夜。異変が始まったのはその日の事だった。私はいつも通りテレビを見ていつも通りお風呂に入っていつも通り友達とメールをして12時過ぎに寝た。そこまでは普通だった。私は気が付くと、辺り一面真っ白な世界で寝ていた。しばらくして私は体が全く動かない事に気が付いた。いくら動こうとしてもピクリとも動かない。しばらく動かない体と奮闘していると、目の前に彼岸花がスウッと現れた。真っ白な世界にただ一つ咲
龍角 さん作 [551] -
殺し合いごっこ‐LAST CHAPTER‐17
誠は魚港の近くの一件の錆びれた居酒屋へと入って行った。「親父さん。血を一本頼む。」カウンターの年老いた男はヘイと返事をすると、ラベルに『珍味スッポンの生き血』と書かれたビンとワイングラスを持って来た。「仕事は終わったのか?」「当たり前だ。早く終わり過ぎて時間が余っちまってな。」そう余裕の表情で言うと誠はワイングラスに生き血を注いで一気飲みした。「『統一戦線』の奴等も大胆に動いたみたいだな。一昨日
龍角 さん作 [783] -
殺し合いごっこ‐LAST CHAPTER‐16
その質問に誠と呼ばれた青年は冷たく笑って答えた。「タイプじゃないから。以上。」両者の瞳が緑色に染まり、鈍い金属音が鳴り響いた。黒い刃を赤い腕がガードする。そして男はストレートを食らわせようとしたが拳は空を掻く。誠は瞬間移動して背後から男に切り掛かる。しかし男はしゃがんで嶄撃を避けて立ち上がりながら誠にアッパーを食らわした。誠は5メートル程空中に殴り飛ばされた。男は跳び上がり、誠の首を掴んだ。誠の
龍角 さん作 [665] -
殺し合いごっこ‐LAST CHAPTER‐15
昨晩降っていた雪は未明に雨へと変わり雪は跡形も無く消えている。その雨すら今は止み、雲の切れ目から朝日がこぼれ、皆を平等に照らしている。関東地方に雪を振らせた南岸低気圧の影響で波は高くサーファー達が求める様な波が次々と押し寄せては引き、その繰り返しがいつまでも続いている。千葉県南房総市和田浦。この海岸はサーファー達の間でも人気の高い海岸で一年中サーファー達で賑わう海岸…というのは現世での話でここは
龍角 さん作 [684]