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ケィ。さんの投稿された作品が19件見つかりました。

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    「ありがとう」も「ごめんね」も擦りきれてしまったような気がして口をつぐんだ軽重浮薄八方美人な僕は言葉を捨ててはじめて他者と真実に語り合う術を知る
    ケィ。さん作 [727]
  • オークション

    あんた、俺の話を聞いてくれるか?なんて言うか、誰だって、望まなくたってロクでもない奴に当たることがあるだろ?内心では勘弁してくれよ、って思ってても中々言えないしさ、取敢えずこっちに被害が及ばないように適当に話合わせるみたいなさ。アイツにはホトホト困ってたんだ、実際。あの時だって、アイツが言い出したんだ。『人肉が食べたい』って。俺も初めは冗談だと思ってさ、曖昧にヘラヘラして、『まじ?』なんて言ってみ
    ケィ。さん作 [1,233]
  • 紙袋の中に

    目の前に知らない女がいる。こちらを覗き込んでいる、と言えるだろう姿勢で、俺の前にいる。きっと、自分を殺した相手を探しているんだろう。目がないから、見つけられないけど。「〇〇号室の患者さん、最近は大人しくなりましたね。以前は、顔のない女がどうの五月蝿かったのに」「やっと自分の殺した相手と向き合う決心でも出来たのかしら」「まさか。そんな事が出来る人は精神病院に入らないわよ」看護婦達の口さがない噂にも、
    ケィ。さん作 [1,273]
  • 四両目左手扉脇

    その日、残業続きだったのがやっと一息つける事になって、はりつめていたのが一気に弛んでしまったのでしょう。私は電車に乗るなり、熟睡してしまいました。どれほど経ったでしょうか。そのうち、誰かが私の太股に触れているのを感じて、痴漢されていると思い、はっと目が醒めました。しかし目に飛び込んで来たのは、汚らわしい痴漢の手でなく、ベルトで固定された自分の足でした。目の前には、金槌を持った男の子がいました。その
    ケィ。さん作 [1,213]
  • 終電間近

    電車が揺れる隣には女がひとり。友人Fの悩み相談が、そもそもの始まりだった。「でも、ただの夢だろ?」「不気味だと思わないか?見た事もないのにさ、決まって、触れそうなくらいハッキリ"見える"んだ。布団でも、単なる居眠りでもいいや、とにかく眠くてウトウトしてくると、決まってソイツが出て来るんだ。昔、覚えてないくらい小さい時に、映画か何かで見てトラウマになってたのかも知れないけどさ、それにしても今さら…い
    ケィ。さん作 [1,165]
  • 世話好きさん

    生涯で何人目かの、嫌いな人が出来た。その人はとても背が高く、眼鏡をかけていて、いつも怯えている。今日も私が挨拶をしたのに、返事も返さない。そのくせ見開いた目で睨み付けるのだから、ホント生意気。私がいなければ、生きてもゆけないくせに。猫好き、犬好き、人間好き。私は人間が好き。ちゃんと飼育してあげるから、ちゃんと飼い慣らされてよね。迷惑な大声を出すから、舌を切り取るなんて面倒な事しなきゃならなかったの
    ケィ。さん作 [963]
  • あなたのせい

    ある日妻が発狂しました。私たちは二人で温かい家庭を作ろうと約束をしました。なのにこんなことになるなんて。えぇ、彼女は少し、いや、かなり神経症の気があって、そのせいかストレスを溜めやすい質でして。ずっと月経が来ていないことに、夫である私は気づかなかった訳ですが。やっと来たと思ったら、乳歯が混じっていたそうです。私が玉蜀黍じゃないのかとからかうと、血走った目で。あなたのせいよ、と。その時は訳がわかりま
    ケィ。さん作 [1,077]
  • 怖がりなたかし君の怖いもの

    たかし君が小学生の頃の、塾の帰り道での話。その日も塾が終わると真っ暗で、たかし君は、街灯の多い明るい道を通って帰る事にしました。夕方に雨が降ったせいか、周りに人気はなく、空気はまとわりつくようにジトジトしていて、何とも不気味な感じがしたそうです。歩いていると、いきなり足元が真っ黒になって、たかし君はギクリとしました。が、次の瞬間、それは通りすぎた街灯に照らされた、たかし君の影だとわかってホッとしま
    ケィ。さん作 [977]
  • 街角Box

    『街角Boxご自由にご利用下さい。相談事を入れておくと、誰かが答えてくれるかも!?』誰が置いたのかわからない、そんな箱がいつも利用する無人駅の構内に、いつの間にかあった。見た目は大きめの金庫のようだが、誰でも開けられるようになっている。こんな箱に相談を入れる奴がいるのか気になって、扉を薄く開いてみた。案の定、空である。このままではつまらないので、相談事を入れてみる事にした。『モテません。どうすれば
    ケィ。さん作 [925]
  • 居残り心霊テスト

    『室内を暗くして、窓の外を見て下さい。窓の外と窓枠を目に焼きつけて下さい。焼きつけたら目を閉じて下さい。窓枠の向こうに、目を閉じる前と違うものが映ったら、その窓は霊道で、あなたは霊感があります。』私とYはクラスに残ってた他数人と、放課後、この霊感テストをしたのね。殆んどの子が、窓の外がぼんやり瞼の裏に浮かんだり、上手く焼きつけられなくてただ真っ暗に見えたってだけ。私達ががっかり半分、安堵が半分で溜
    ケィ。さん作 [1,017]
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